車種別仕様・中古車評価・まとめ
更新日:2019.06.28 / 掲載日:2018.04.26
第2回目 VOLKSWAGENフォルクスワーゲンまるごと。
スポーツドライビングの喜びもある電動化車両

フォルクスワーゲンは電動化へも積極的に取り組んでいる。2025年にはEV(電気自動車)を25%、ハイブリッドとプラグインハイブリッド(PHEV)を30%にするという野心的な目標を掲げているのだ。その意気込みを表しているのがゴルフシリーズのeゴルフ(EV)とGTEモデル(PHEV)。本格普及前夜の段階から主要車種に電動車両をラインアップし、その魅力をアピールしている。
eゴルフでユニークなのは、シフトレバー操作によって回生の強さを変えられること。D1、D2、D3、Bと段々と強くなっていくので、状況にあわせて上手く使っていけば減速を電気エネルギーに効率的に変換していくことができる。日産のeパワーやBMW i3のいわゆるワンペダルドライブは、アクセルペダルの戻し具合で回生を調整させるが、eゴルフはシフト操作を用いるのが違う。いまのところワンペダルドライブ系ほど回生は強くないのが残念だが、もっとレンジを広げてパドルシフトも備えれば、EVスポーツドライビングの新しい可能性に繋がるだろう。
GTEモデルは、その名が示すとおり電動車両のトルクフルな走りを強調するモデル。エンジンの加速に電気モーターのアシストが加わったときの気持ちよさにしびれるのだ。
2020年には電動車両専用のMEBプラットフォームがデビューして本格普及を開始するが、ゴルフやパサートなど馴染みある車種でのラインアップにも価値はある。安心して電動車へシフトしていけるからだ。
文●石井昌道
写真●内藤敬仁、澤田和久
e-GOLF
ついに登場したゴルフベースのEV

eゴルフ
ベストセラーカーのゴルフに新たに加わったフルEVのeゴルフ。見た目はスタンダードなゴルフとそう変わらないが、ボディカラーはピュアホワイトのみで、ヘッドライトとグリルに施されるブルーのラインとの組み合わせがクリーンな印象を与える。リチウムイオンバッテリーの容量は35.8kWhで航続距離は301km(JC08モード)。実質は200km程度だろうか。電気モーターのトルク値は、NAガソリンの3L級である。
ステアリングやシフトノブにはブルーのステッチが入る。Dレンジから左右に操作することで回生の強さを調整できる。フルデジタルの「ActiveInfoDisplay」を装備する。
バッテリーは床面にフラットに配置されるため低重心。操縦安定性はガソリン車を凌ぐほどに高い。車両重量は重くなるが、乗り心地をゆったりとさせる効果があり好バランス。
フォルクスワーゲン eゴルフ
全長×全幅×全高 | 4265×1800×1480mm |
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車両重量 | 1590kg |
モーター最高出力 | 136ps/3300-11750rpm |
モーター最大トルク | 29.5kgm/0-3000rpm |
新車価格 | 499万円 |
GTE MODEL
静かさと走りを両立したプラグインハイブリッド

GTEモデル
プラグインハイブリッドだが、エココンシャスなだけではない。たとえばこのパサート GTE ヴァリアントは、電気モーターのみで走るEモードでは圧倒的な静粛性が堪能できる一方、GTEモードでは156馬力の1.4TSIエンジンと116馬力の電気モーターが力強さを発揮。もっとも使用頻度が高いであろうハイブリッドモードでは21.4km/L(JC08モード)と、燃費性能も秀逸だ。
こちらはゴルフのGTEモデル。DSGギヤボックスと一体化した電気モーターは、走行用の動力供給だけでなく、充電用のオルタネーター、スターターモーターとしての役割も持っている。
フォルクスワーゲン パサート GTE ヴァリアントアドバンス (6速AT・DSG)
全長×全幅×全高 | 4775×1830×1500mm |
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車両重量 | 1770kg |
エンジン | 直4DOHCターボ |
総排気量 | 1394cc |
エンジン最高出力 | 156ps/5000-6000rpm |
エンジン最大トルク | 25.5kgm/1500-3500rpm |
モーター最高出力 | 116ps |
モーター最大トルク | 33.6kgm |
新車価格 | 542万9000円~602万9000円(パサート GTE 全グレード) |
CHECK ジュネーブモーターショー 2018
未来はすぐそこまで来ている!

VOLKSWAGEN CONCEPT CAR I.D.VIZZION
2020年から電動専用アーキテクチャーのMEBがデビュー。最初に投入されるのはコンパクトカーの「I.D.」、その後、SUVの「I.D.CROZZ」、「I.D.BUZZ」と続くが、今年のジュネーブモーターショーでは「I.D.VIZZION」がお披露目された。全長5110mmの大型セダンながら111kWhと大容量バッテリーを搭載して航続距離は665km。最高速度は180km/h。エンジン車とかわらない実用性となる。2025年までに20車種以上のEVが投入される予定だ。
EVというだけではなく、自動運転の可能性も追求。ステアリングなどを使わずにクルマを制御する。
エレガントかつエモーションなフォルム。フォルクスワーゲンの未来のセダンはプレミアム性を向上させるようだ。
マイクロモビリティのコンセプト・シティスケーターも展示された。折り畳み式でクルマへの搭載も容易だ。
※ナンバープレートは、はめ込み合成です。