車種別仕様・中古車評価・まとめ
更新日:2020.04.13 / 掲載日:2016.11.24
【気になる中古車試乗判定】アウディ Q3

2015年式 AUDI Q3
一般ユーザーが乗っている使用過程車をテストすることで、新車ではわからない実力をチェックするのがこのコーナー。売れ線中古車の本当のトコロを厳しい目線でインプレッション!果たしてその結果やいかに!?
文●竹岡圭、石井昌道、GooWORLD 写真●GooWORLD
今月の中古車は アウディ Q3
取材車両はフロントマスクが新世代デザインに変更された後期モデル。グリルとヘッドライトが一体となったような見た目が特徴的。オプション装備として先進的なLEDヘッドライトも選択することができた。
上質感を備えた都会派のインテリアデザイン
上質感を備えた都会派のインテリアデザイン
内装のクオリティに定評のあるアウディという期待どおり、質感の高いインテリア。速度計と回転計の間に液晶モニターが備わるメーターパネルなど、そのデザインもブランドに共通するもの。基本的な装備は充実しておりTVが映る液晶モニターも標準だが、カーナビはオプションなので注意。
大人が後席に乗ってもリラックスできる車内空間
大人が後席に乗ってもリラックスできる車内空間
チェック柄が目を引くファブリックシートは、サポート性もよく長距離ドライブでも疲れにくいタイプ。リヤシートは三人がけで中央席のヘッドレストもしっかりしている。ラゲッジ容量は標準でも460Lと十分なスペースが確保され、後席を倒せば最大で1365Lにまで拡大される。
2Lターボ+クワトロを基本とするパワートレーン
2Lターボ+クワトロを基本とするパワートレーン
Q3のエンジンはすべて直噴ターボ。2.0TFSIはプログラムによって出力が異なり、前期型では170馬力と211馬力。後期型では180馬力と220馬力にパワーアップ(約18%の燃費向上も実現)された。2014年8月から追加された1.4TFSIは150馬力を発揮しながらJC08モード17.4km/Lと低燃費。
Sトロニックとクワトロで洗練された走りを実現
Sトロニックとクワトロで洗練された走りを実現
「ダイナミック」から「効率」まで4つの走行モードを選択できるアウディドライブセレクトを装備。搭載エンジンによってパワートレーンの内容が大きく変わり、1.4LターボがFFで6速AT、2Lターボは4WDで7速AT。タイヤサイズは17インチが標準で、最上級の220馬力仕様のみ18インチとなる。
アウディ Q3 試乗判定レビュー

全高以外はコンパクトクラスのハッチバックであるA3に近く、取りまわしのよさに優れるのもポイント。アイポイントの高さはロングドライブでの疲れにくさにもつながる。
コンパクトSUVはファミリーカーの大本命
編集部●気になる中古車を実際に試乗することで、その実力をチェックしようというのがこのコーナー。今回はアウディのコンパクトSUV、Q3の登場です。お借りした車両は個人所有のもので、2015年にディーラー試乗車だったものを購入したとのこと。グレードは「2.0TFSIクワトロ180PS」、走行距離は2.2万kmとなります。
竹岡●この顔はマイナーチェンジした後のやつだから後期型だ。中古車といってもまだ新しいね。
編集部●そうなんです。ただ、走行距離はそれなりに走っている部類に入るので、新車とはまた違った使用過程車ならではの部分がチェックできると判断しました。
竹岡●なるほど、試乗が楽しみ!
石井●それにしても、SUVの人気は一時期のブームじゃなくて、ファミリーカーの王道として定着しつつあるね。若いひとはもちろん、40代以上の大人でも結構似合うし。実用性を持ちながら、趣味性も感じられて、いい落としどころだと思う。
竹岡●いまの若いひとたちはミニバン育ちだから、SUVみたいな背の高いクルマがむしろ普通なのかもね。でも、ミニバンだと家のクルマというイメージが強いから、SUVに目がいくのかも。
編集部●グーネット利用者のアンケートでも、「つぎに乗りたいクルマ」の1位はSUVでした。
石井●Q3はCセグメント、いわゆるゴルフクラスのハッチバックをベースにしたSUVなんだけど、意外と国産車に同じようなクルマって存在しないんだよね。逆に輸入車はBMW X1とかメルセデスのGLA、VW ティグアンとか選択肢が結構あって人気を集めている。
竹岡●国産だとジュークやヴェゼルみたいにちょっと小さかったり、逆に大きいクルマだとクロカン系の血筋だったりで、Q3の直接的なライバルっていないのかも。

編集部●ではここでアウディQ3の成り立ちについて簡単に説明させていただきます。Q3が日本市場に導入されたのは、2012年5月で、当初はフルタイム4WDであるクワトロのみ。エンジンは2種類の2Lターボで、「2.0TFSIクワトロ170PS」と「2.0TFSIクワトロ211PS」と最高出力の違いをそのままグレード名としていました。トランスミッションはデュアルクラッチ式の7速Sトロニックです。そして、2014年にはFFモデルの「1.4TFSI」を追加。400万円を切る価格も話題となりました。マイナーチェンジは2015年で、2Lエンジンをブラッシュアップしてパワーアップと低燃費化を実現(「180PS」、「220PS」)、顔つきも新世代モデルと同様にお化粧直しされました。
竹岡●輸入車のSUVっていうと、大きくて高価なイメージがあったけど、Q3のサイズや価格ってじつはいいところついてるのかもしれない。とくに女性ドライバーには、Q7やQ5だとちょっと尻込みしちゃうところがあるし。
石井●新車でもアルファードくらいの予算で買えるから、国産車からの乗り換えっていうひとも多いでしょ。
編集部●さて、そろそろお二人には試乗をお願いしたいと思います。
編集部●では、試乗からお二人が戻られたので、気になるインプレッションをうかがいます。
石井●アウディってサスペンションが硬いイメージがあったんだけど、結構しなやかに走ってくれたのが意外。角は取れて乗り心地はよくなっているんだけど、ちゃんと芯というか骨太さは残っていた。こういうこなれ方をするんだってわかったのが発見だったな。
竹岡●ちょっと考えてたんだけど、Q3って昔でいうところの「トヨタマークII」みたいなポジションだと思わない?現代版のハイソカー(笑)。マークIIって、クラウンよりはカジュアルでカローラより上級志向なところが人気だったでしょ。なんかQ3にそんな雰囲気を感じたな。
石井●スタイルに上品なところもあるし、嫌みがないよね。
編集部●今回の試乗車は2Lターボのクワトロでしたが、FFモデルと比べてどちらがおススメですか?
竹岡●私は2Lだな。パワーもあるし、悪路走行しなくても最近はゲリラ豪雨とかあるじゃない。やっぱりクワトロは安心感あるもん。
石井●僕も2L。あのパワー感はクルマ好きでも満足度が高いと思う。あと装備の面でも2Lモデルのほうが充実しているでしょ。中古車の相場っていまどのくらいなの?
編集部●前期の2Lモデルが物件の中心で200万円後半ですね。
石井●そうなるとほかにもいいクルマがあるから、なかなか難しいな。
竹岡●もうちょっと安いといいよね。いまはちょっと待ちってこと?
編集部●まだ新しいクルマですから、中古車市場が盛り上がるのはこれからです。今後の値動きに注目ですね。
※ナンバープレートはハメ込み合成です。
アウディ Q3 レビュー評価

人気自動車ジャーナリスト(と編集スタッフ)によるアウディ Q3 レビュー評価をまとめます。
※各項目に対して10点満点評価。
自動車ジャーナリスト 竹岡 圭のコメント
自動車ジャーナリスト 竹岡 圭
●人気TV番組「おぎやはぎの愛車遍歴」の進行役としてもお馴染みの、人気自動車ジャーナリスト。2016-2017 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
ポジショニング 10点
私たちが子供の頃のファミリーカーはセダン。なので最初のマイカーとしてはツーリングワゴンを選ぶことが多かったんですけど、いまの若者は(笑)ミニバン育ち。なので自分の愛車はSUVなんていう図式になるんだと思うんです。そんな時にサイズ的にも価格的にも、ちょっと背伸びして輸入車を選ぶならお手頃なのがQ3なんですよね。
装備 9点
やっぱりアウディしてるんですよね~。デザイン的にはベーシックではあるけれど、作り込みもしっかりしてます。しかも2Lクワトロモデルは上級グレードになるので、装備も豪華!運転&助手席ともにパワーシートだったりして、やっぱり高級感あるんですよね。せっかく輸入車を選んだという満足感も得られますから、これは高ポイントだと思います。
走り 9点
コンパクトサイズと言っても、アウディのSUVを選ぶならクワトロがオススメ。SUVは荷物もひともたくさん積むことが多いでしょうから、2Lのゆとり感はやっぱり好印象。イザという時のパワー感が違います。それにこの距離で乗り心地がマイルドになるという、こういったこなれ方をするというのも美点。ある意味、新車より快適に過ごせるかも!?
自動車ジャーナリスト 石井 昌道のコメント

今回の試乗車について、従来試乗してきた新車のアウディに比べて乗り心地がしなやかで好印象だったとコメント。もし購入するならパワフルな2Lモデル!
自動車ジャーナリスト 石井 昌道
●レースの参戦経験を持つ自動車ジャーナリスト。日々、国内外で行われるニューモデルのテストドライブへ精力的に赴き、ステアリングを握る。
ポジショニング 9点
SUVはハッチバックやセダンにかわる新たな乗用車のスタンダードになりつつある。Q3はA3相当と言えるが、価格上昇分以上に立派に見えるうえ、クラスレス感があって古くさいヒエラルキーから解放されるのも魅力のひとつだろう。隣にA4やQ5などが並んでも、あまり引け目を感じないのだ。プレミアムブランドとしてはエバッた感じがなくセンスがいい。
装備 9点
少々値が張るグレードだが、その分装備が充実しているのは嬉しいところ。オートマチックエアコンやアドバンスドキーシステム、フロントシートの電動調整機能など、せっかくプレミアムカーに乗るなら是非とも欲しいアイテムが標準になっている。今回のモデルのシート表皮はチェック柄のクロスで洒落ていた。レザーより肩肘はらずに乗れる雰囲気だ。
走り 9点
1.4Lではなく2Lを選択すれば、速いのはもちろんのこと、余裕が生まれるのでゆったりとした気分で乗れることになる。右足の動きが少なくて済み、加速時のシフトダウンが減ることは想像するよりずっと快適に感じられるはずだ。アウディは全般的に乗り心地が硬めだが、SUVはサスペンションのストロークが長いためにソフトタッチでほどよく快適になる。
GooWORLD編集部
格上のQ5に比べてもけっして見劣りしない上質なインテリアに、「小さな高級車」としての魅力を感じました。扱いやすさも含めて人気の高さがよくわかりました。
ポジショニング 10点
いまもっとも注目度の高いジャンルであるSUV、さらにアウディはプレミアムブランドとしても人気ですから、まさに「旬」な選択肢と言えるのではないでしょうか。車体の大きさも街中で扱うのにジャストサイズで、デイリーユースからレジャー用途まで幅広く活躍するはず。どこか上品さを感じさせるデザインも魅力で、老若男女問わず似合うクルマです。
装備 9点
快適、安全、通信系などそれぞれの要素が高レベルでバランス。例えばエアコンひとつとっても、太陽光を感知して快適な環境をキープするサンセンサーが備わるなど、ワンランク上の内容になっています。とくに国産車から乗り換えるひとにとっては、触って使って感じる高級感と便利さに、「なるほどこれが高級ブランドか」と満足してもらえるでしょう。
走り 10点
試乗車は、パワフルな2Lターボのおかげで爽快な加速を披露。小排気量ターボに比べて出足からしっかりクルマを前に進ませる感じが好印象でした。飛ばしてもフルタイム4WDであるクワトロのおかげで安定感は抜群、やっぱり多少高くても2Lターボは魅力的です。後席の乗り心地も快適で、ファミリーカーとして利用しても理想的だと思います。
アウディ Q3 DETAIL CHECK

2015年式 アウディ Q3 2.0TFSIクワトロ 180PS(7速AT・Sトロニック)
全長×全幅×全高 | 4400×1830×1595mm |
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ホイールベース | 2605mm |
車両重量 | 1620kg |
エンジン | 直4DOHCターボ |
総排気量 | 1984cc |
最高出力 | 180ps/4000-6200rpm |
最大トルク | 32.6kg m/1400-3900rpm |
サスペンション前/後 | ストラット/ウィッシュボーン |
ブレーキ前/後 | Vディスク/ディスク |
中古車参考価格帯
240万円~460万円(2012年~2016年 ※RSQ3を除く) |
モデル主要変遷(アウディ Q3)
2012年5月 | 「2.0TFSIクワトロ170PS」、「2.0TFSIクワトロ211PS」を導入 |
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2013年8月 | 一部改良 |
2014年8月 | 「1.4TFSI」を追加 |
2015年5月 | マイナーチェンジ ←今回の中古車 |
※ナンバープレートはハメ込み合成です。