車種別仕様・中古車評価・まとめ
更新日:2018.10.09 / 掲載日:2014.10.10

日産 フェアレディZ クーペ (2012年7月~) 中古車購入チェックポイント

  • 日産 フェアレディZ クーペ (2012年7月~2014年7月)

    日産 フェアレディZ クーペ

    CBA-Z34
    参考車両 : ベーシックモデル・MT
    初年度登録: 2013年1月
    追加装備:<ディーラーオプション>日産オリジナルHDDナビゲーション+ETC

  • 日産 フェアレディZ クーペ

全体のチェックポイント

2008年12月から発売しているZ34クーペ。参考車両は、2012年7月にマイナーチェンジした後の「ベーシックモデル・MT」車だ。走行機能も含めた車両の装備内容をまず確認。車体まわりと室内を慎重にチェック。もちろん、走行関連機構の具合と整備状況を必ず確認する。無闇にカスタマイズしている車両にも注意したい。

外装と同時に車体骨格の損傷にも注意してチェック

  • 1.車体のバランスをチェック

    日産 フェアレディZ クーペ(正面)

  • 1.車体のバランスをチェック

     まずは、外装の異常に注意しながら車体まわり見る。車両の姿勢(傾き)にも注意。前面は、バンパー、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、ボンネットやフロントガラスの飛び石傷などにも注意。

  • 2.関連部も慎重にチェック

    日産 フェアレディZ クーペ (ドア)

  • 2.関連部も慎重にチェック

     ドアは、外面だけでなく、内側も修理跡などがないか見る。ドアを外して修理/交換していないか、取り付け状態もチェック。同時に、ピラー(柱)やサイドシル(梁)など関連部と周辺も調べる。

3.下側に要チェックポイント

 車体側面下部は、サイドシルプロテクターに傷や破損、修理/交換跡などがないかチェック。それよりも重要なのは、覆われているサイドシル(車体の梁)のほうだ。床下側を覗いて、損傷、腐食、修理/交換跡、フレーム修正機にかけた形跡などがないかチェック。ドアを開けて、ステップ部(サイドシルの上側)周辺もチェックする。

  • 日産 フェアレディZ クーペ  下側1

  • 日産 フェアレディZ クーペ  下側2

  • 4.損傷の度合いも調べる

    日産 フェアレディZ クーペ  給油口周辺

  • 4.損傷の度合いも調べる

     ドア開口部は、乗り降りによる傷や簡易補修跡などがないかチェック。マスキング跡があれば、周辺を詳しく調べて、損傷の程度と範囲を確かめる。右リアフェンダーは、フューエルリッドや給油口周辺もチェックする。

5.後部のチェック

 後面も、バンパー、バックドア、コンビネーションランプ、フェンダーなどの状態をチェック。ナンバープレートを外した形跡(封印の傷)、バンパー下マフラーエンドの損傷や位置ずれなどにも注意。
 バックドアは、開閉とダンパーロッドの効き具合を調べて、内側やヒンジ部も見る。開口部も、パネル接合部に修理/交換跡がないかチェック。スペアタイヤ収納部周辺のパネルも、錆、歪み、修理跡などがないかチェックしたい。

  • 日産 フェアレディZ クーペ  車体後部1

  • 日産 フェアレディZ クーペ  車体後部2

  • 日産 フェアレディZ クーペ  車体後部3

  • 6.車体の内側も調べる

    日産 フェアレディZ クーペ  (内側)

  • 6.車体の内側も調べる

     ボンネットは、内側、ヒンジ、ヒンジ固定部周辺をチェック。フェンダーも、内側に腐食(錆)や修理跡がないか見て、取り付け状態を調べる。同時に、周辺の車体パネルやサスペンションタワーなどもチェック。さらに、エンジンルーム最前部にあるラジエターサポートおよび関連部も、必ずチェックする。

  • 7.周辺部も同時にチェック

    日産 フェアレディZ クーペ  (正面左)

  • 7.周辺部も同時にチェック

     バンパーは、角や下部あたりに損傷がないか見て、ずれていないか立て付けも調べる。下側のアンダーカバーの破損などにも注意。
     フェンダーは、ホイールアーチの縁、タイヤハウス内、内側のフェンダーライナーなども、損傷や修理跡などがないかチェックする。

★損傷の有無や修理/交換歴を確認する

 「Z34」は、下半身を膨らませたボディ。ブーメランモーションと呼ばれる形状のヘッドランプとリアコンビネーション、フロントフェンダーのエンブレム一体型サイドターンランプ、リアバンパー中央のリアフォグランプなども特徴。2012年7月のマイナーチェンジで、ハイパーデイライト付の新形状フロントバンパーに変更している。車体まわりのチェックでは、アルミ製ボンネット/ドア/バックドアなどは大きな損傷を負うと補修するよりも交換してしまう、といったところにも留意したい。
 車体の骨格部を事故修理している車両は修復歴車だが、たとえ修復歴に該当しなくても、修理や交換している部分がないか販売店に聞いてみよう。

室内の状態と装備機器の機能・作動具合を調べる

  • 1.隅まで細かくチェック

    日産 フェアレディZ クーペ  室内

  • 1.隅まで細かくチェック

     室内は、シートや内装材に汚れや傷、破損などがないかチェック。床や天井まわり、ボックス類の内部も見る。シートは、表皮の染みや破れ、サポート部の傷み。本革部分は、擦れや剥げ、縫い目のほつれ。ボックスリッドやエアコンルーバーなどは、可動部の損壊などにも注意しながらチェックする。

2.後部まで丹念に調べる

 シートの後ろ側も、シートバック、シートバックスペース、リアアクセサリーケースなどをチェック。
 後部ラゲッジスペースも、ラゲッジフロアの傷み、リアタワーバー部やサイド部の樹脂パネルの傷や穴、ラゲッジフックの破損などがないかチェック。

  • 日産 フェアレディZ クーペ  シート

  • 日産 フェアレディZ クーペ  後部ラゲッジスペース

3.装備機器類の作動を確認

 ヘッドランプ、ウインカー、ミラー、テール/ブレーキランプなど保安装置のほか、パワーウインドウ、ドアロック、室内ランプなど、基本的な装備機器の作動状態をチェック。インテリジェントキーのリモコンエントリー機能も確認。フルオートエアコンは、特に冷房の効き具合に注意して、調整・設定機能をチェックする。

  • 4.追加装備の機能も確認

    日産 フェアレディZ クーペ ナビとETC

  • 4.追加装備の機能も確認

     参考車両は、日産オリジナルHDDナビとETCユニットを装備している。ナビ機能はもちろん、タッチパネル、TV・AM/FM、エコドライブ情報・車両情報表示、CD/SD再生、ナビ連動ETCなど、関連機能が正常か確認したい。
     ちなみに、メーカーオプションのカーウイングスナビとは仕様、機能、付随装備などが異なっていることにも注意するといいかもしれない。

★細部は販売店で点検してもらう

 参考車両は、「ベーシックモデル」にディーラーオプションの日産オリジナルHDDナビが付いている。中古車両をチェックする際は、販売店で現物を見て、装備内容を確認。装備機器類は、とりあえずわかるところだけでもチェックし、どこかに異常などがないかは販売店で調べてもらおう。特に電装機器の機能に注意したい。

走行機能のコンディションと整備状況を確認する

  • 1.エンジンをかけてみる

    日産 フェアレディZ クーペ コックピット

  • 1.エンジンをかけてみる

     エンジンをかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時には、表示灯・警告灯、インジケーターの表示・点灯・点滅、車両情報ディスプレイや計器類の表示も見る。インテリジェントキー&プッシュエンジンスターターの機能も確認。わからないことや疑問は、販売店スタッフに聞いてみよう。

2.走行機能の作動を確認

 MTは、引っかかりや緩みなどがないかシフト操作具合をチェック。可能なら試乗して、クラッチの断続具合も探りながらシフト具合をチェック。横滑り防止[VDC]や空転防止[TCS]の作動および[VDC OFF]スイッチによる停止機能も確認する。
 走行機能は、エンジン制御やブレーキ制御などとも関わっているが、いずれにしても異常を判断するのは難しいので、販売店で点検・整備してもらうほうがいい。

  • 日産 フェアレディZ クーペ MT

  • 日産 フェアレディZ クーペ クラッチ

  • 日産 フェアレディZ クーペ [VDC OFF]スイッチ

  • 3.タイヤとホイールをチェック

    日産 フェアレディZ クーペ タイヤとホイール

  • 3.タイヤとホイールをチェック

     タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷やひび割れ、欠けなどがないかチェック。接地面の一部が極端に減る偏摩耗など異常摩耗を起こしていれば、サスペンションの異常や車体の歪みにも要注意。アルミホイールは、傷や破損などがないかチェック。塗装の傷みや剥げ、リムの縁(タイヤと接している部分)の欠損や曲がり、過度な衝撃を受けると生じることがある歪み(変形)や割れなどにも注意しながらチェックする。

  • 4.床下の様子も覗いてみる

    日産 フェアレディZ クーペ 床下

  • 4.床下の様子も覗いてみる

     車体パネルや補強部材、カバー類、マフラーやサスペンションなどの部品類も、傷、曲がり、破損、修理/交換跡などがないかチェック。
     オイルやグリスなどの漏れ、樹脂やゴム部品の劣化などにも注意。錆があれば、広がり範囲と腐食の進行状態を調べる。

★正しく点検・整備してもらう

日産 フェアレディZ クーペ エンジン

 「Z34」は、V型6気筒3.7L[VVEL]エンジン。FRでリアビスカスLSD。制動力配分EBD+ABS+ブレーキアシスト、車速感応式パワーステアリング、車両安定制御[VDC]・[TCS]・[ブレーキLSD]などを標準搭載。「ベーシックモデルMT」車は、通常の6速MT(シンクロレブコントロールは非装備)となっている。
 とりあえずは点検整備記録を参照し、エンジンルーム内を見る。詳しい整備状況は、販売店に聞いて確認。車両の購入を決めるなら、エンジンから足まわりまで、販売店できちんと点検・整備してもらうようにしよう。

★足まわりの状態にも注意

 ブレーキは、パッドやディスク、ブレーキ液などを点検し、制動具合を確認。サスペンションも、ダンパーの抜けやオイル漏れ、ブッシュの劣化などにも注意し、正常に機能するか確認。「ベーシックモデル」は、前18x8J・後18x9Jホイール+前225/50・後245/45タイヤが標準サイズ。タイヤ、ブレーキ、サスペンションなどの摩耗や劣化のほか、足まわり関係や車体補強部品などを変更すると、VDCなどが正常に作動しないこともあるので注意したい。

最初に車両の現状を確かめる

 中古車両をチェックする際は、現物を見て、年式(登録年月日)・仕様・グレードを確認。標準装備のほかに、メーカーオプションや販売店オプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。

目利きはココを見る!

  • 書類

    「車両の情報」を見る
    ●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。

  • 書類

  • 日産 フェアレディZ クーペ 「立て付け」を見る

    「立て付け」を見る
    ●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。

  • 日産 フェアレディZ クーペ 「立て付け」を見る

「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。

  • 日産 フェアレディZ クーペ 「取り付け状態」を見る

    「取り付け状態」を見る
    ●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。

  • 日産 フェアレディZ クーペ 「取り付け状態」を見る

  • 日産 フェアレディZ クーペ 「接合部」を見る

    「接合部」を見る
    ●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。

  • 日産 フェアレディZ クーペ 「接合部」を見る

今回の車両のプロフィール

●フルモデルチェンジして2008年12月に発売したZ34型「フェアレディZ(クーペ)」。2009年10月には一部改良。あわせて「ロードスター」を発売。2010年11月に「クーペ/ロードスター」の装備を一部変更。
●2012年7月に「クーペ/ロードスター」をマイナーチェンジ。ハイパーデイライト付フロントバンパーを採用。ロードスター用18インチアルミホイールをクーペに設定。新デザインのダーククローム19インチアルミホイール、レッドブレーキキャリパー、ユーロチューンドサスペンション、新開発ブレーキパッドなどを設定(グレード別)している。
「クーペ」のグレードは、ベースグレードとも呼ぶ「ベーシックモデル・6MT/7AT-M」は、オーディオレス、18インチアルミホイール、応急用スペアタイヤを標準装備。「バージョンS・6MT」は、ベーシックモデルに、シンクロレブコントロール、ユーロチューンドサスペンション、レイズ製19インチアルミ鍛造ホイール、タイヤパンク応急修理キット・スペアタイヤレス、アルミキャリパー対向ピストンブレーキを追加。「バージョンT・7M-AT」には、本革スエード調ファブリックコンビシート・ヒーター付、運転席/助手席パワーシート、運転席ランバーサポート、Boseサウンドシステムを追加。「バージョンST・6MT/7AT-M」は、バージョンSとバージョンTの両装備を標準装備。
オーテック カスタムカーの「バージョンNISMO」は、ベーシックモデルの外装・内装に専用装備を装着。エンジンや足まわりをチューニングしているほか、ボディ強化パーツも組み込んでいる。

参考車両と同時期の仕様グレード設定

グレード型式シフト駆動
ベーシックモデルCBA-Z346MTFR
CBA-Z347AT-MFR
バージョンSCBA-Z346MTFR
バージョンTCBA-Z347AT-MFR
バージョンSTCBA-Z346MTFR
CBA-Z347AT-MFR
バージョンNISMOCBA-Z346MTFR
CBA-Z347AT-MFR

●その後、2013年12月にニスモ コンプリートカー「フェアレディZ NISMO(クーペ)」を発売。2014年7月に「クーペ/ロードスター」を一部改良。「NISMO」をマイナーチェンジ。2014年9月には「ロードスター」日本仕様車の生産を終了する。

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