中古車購入
更新日:2022.04.08 / 掲載日:2022.04.08

日産 フェアレディZ/08年~21年 【ONE MAKE MARKET RESEARCH】

日産 フェアレディZ/2008年~2021年

文●工藤貴宏 写真●ユニット・コンパス、日産
※中古車参考価格はすべてグーネット2022年3月調べ。
(掲載されている内容はグー本誌 2022年4月発売号掲載の内容です)

初代「S30」のデビューが1969年と、50年以上の歴史を誇るフェアレディZ。新型がデビューした今、あえて先代を選ぶ理由について探ってみよう。

2008年式 日産 フェアレディZ バージョンST(6速MT) ●全長×全幅×全高:4250×1845×1315mm ●ホイールベース:2550mm ●トレッド前/後:1540/1565mm ●車両重量:1520kg ●排気量:3696cc ●エンジン:V6 DOHC ●最高出力:336ps/7000rpm ●最大トルク:37.2kgm/5200rpm ●サスペンション前:ダブルウィッシュボーン 後:マルチリンク ●ブレーキ前後:Vディスク ●タイヤ前:245/40R19 後:275/35R19 ●中古車参考価格帯:150万円~470万円(08年~21年 ※NISMOを除く)

半世紀以上の歴史を誇る伝統的スポーツカー

Z34型の特徴は、先代よりも全長の短いプロポーション。ホイールベースは100mmも短くなっていて、理由は運動性能を高めるためだ。車体をひとまわり小さくしたことで軽量化も実現している。

今どきのスポーツカーはモデルライフが長い

編集部●今回紹介するのは“Z34型”のフェアレディZ。デビューは2008年冬なので、もう13年も経つんですね。
工藤●まさかこんなに息の長いモデルになるとは。でも、現行型デビューから7年も経つマツダ「ロードスター」、そしてフルモデルチェンジまで9年を要したトヨタ「86」やスバル「BRZ」などを見てもわかるように、昨今はスポーツカーのモデルライフは長いのが一般的だ。その理由は昔と違ってスポーツカーがバンバン売れる状況ではないから。作り続けて開発費を回収するんだ。
編集部●そんなフェアレディZも、ついに新型が発表されてバトンタッチとなりました。中古車として、価格以外であえて先代を選ぶ理由以外はあるのでしょうか?
工藤●あるよね。
編集部●やっぱりありますか?
工藤●でもその前に説明しておきたいのは、新型について。型式は「Z34」でこれは先代と同じだ。
編集部●なぜですか?
工藤●新型といっても車体構造の基本などは従来モデルを受け継いでいる。そのうえで「フルモデルチェンジ扱いにもできるけれど型式認定などのコストを抑えるために型式を変えない」という選択にしたようだ。
編集部●なるほど。
工藤●とはいえ、プラットフォームなどもまったく同じではなく設計的には全面設計変更とのことだけどね。つまり、先代を土台としつつ大きく進化したという感じかな。
編集部●そんななか、先代を買いたくなる理由とは?
工藤●最大のポイントはエンジン。
編集部●……といいますと?
工藤●新型はターボエンジンだけど、従来型は自然吸気エンジン。そこに大きな意味があるんだ。

Profile 工藤貴宏:学生時代のアルバイトから数えると、自動車メディア歴が四半世紀を超えるスポーツカー好きの自動車ライター。2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

FAIRLADY Z Roadster[ロードスターという選択もあり!?]

 2014年まで販売されていた「ロードスター」は電動式のソフトトップを組み合わせたオープンモデル。風を感じながらのドライブは、クローズドボディとは異なる心地よさが魅力だ。

中古車参考価格帯:240万円~380万円(09年~15年 ※ロードスターのみ)

[モデルヒストリー]

2008年12月:フルモデルチェンジ

 約6年ぶりのフルモデルチェンジでZ33からバトンタッチを受けたZ34が登場。エンジン排気量は従来モデルに対して200cc増しの3.7Lとし最高出力は従来の313馬力から336馬力へ向上した。

2010年11月:一部改良

 新色「ダークメタルグレー」を採用。操作時の視認性を高めるためエアコンのダイヤルスイッチ文字位置を変更し、AT車にシフトアップインジケーターを採用。バックビューモニターも設定。

2012年7月:マイナーチェンジ

 縦型LEDデイライトを組み合わせた新形状のフロントバンパーを採用しエクステリアをリフレッシュ。サスペンションやブレーキの味付けを変更したほか、赤いブレーキキャリパーなども設定。

2015年7月:一部改良

 一部仕様に備える「BOSEサウンドシステム」にアクティブ・サウンド・コントロールなどを搭載するなど機能向上。車体色として「オーロラフレアブルーパール」を新設定した。

2016年8月:一部改良

 車体色としてデビュー時に用意されていた「プレミアムアルティメイトイエロー」を復刻。「バージョンS」以上にカーウイングスナビゲーションシステムを標準装備化した。

2017年7月:一部改良

 車体色に「カーマインレッド」を採用したほか、ヘッドランプやテールランプの輪郭をブラックで強調。車外からバックドアを開けるオープナースイッチを追加し、クラッチフィーリングも改良。

2022年1月:新型Zが登場

 ついに正式発表された新型フェアレディZ。フロントデザインは初代「S30」から、テールランプは「Z32」にインスパイアされたものだ。エンジンはターボ付きの405馬力。

[インテリア]伝統の3連メーターも組み込む

 室内は後席のない2シーターで、乗員は着座位置の低いシートに沈み込むとまるでバスタブに浸かったかのようにインパネやドアに包まれる感覚が強い。ハンドルを上下に調整すると連動してメーターが最適な位置へ角度が変化するのも運転環境を整えるための工夫だ。アクセルペダルはオルガン式で、ナビはタッチパネルとコマンドスイッチの2通りの操作方法がある。

シートは左右の盛り上がりを大きくすることで姿勢保持性を高めたバケットタイプ。「バージョンT」や「バージョンST」は前後スライドやリクライニングが電動で可能だ。トランスミッションはATとMTが選べる。
ラゲッジルームは床が浅いものの床面積は狭くない。機内持ち込みサイズのキャリーケースやゴルフバッグは2個積める。

[メカニズム]小型化した車体などすべては走りのために

 フェアレディZのボディには走行性能を高めるためのいろいろな工夫が盛り込まれている。たとえばエンジン搭載位置は、曲がるときの俊敏性を高めるために中心をフロントタイヤより後方としたフロントミッドシップ。短いホイールベースも旋回性を高めるため。加えてエンジンやサスペンションなど、走りのレベルアップがメカニズム設計の根底にある。

BODY

 プラットフォームは先代(Z33)の基本設計を踏襲しつつ、全長を65mm、ホイールベースを100mm短縮。その理由はコーナリング性能を高めるためだ。さらに車体剛性も向上し、“走りのボディ”としている。

SUSPENSION

 フロントサスペンションはダブルウィッシュボーン式、リアはマルチリンク式を採用。ブレーキは曙ブレーキ社製の4輪アルミキャリパー対向ピストンブレーキを組み合わせることで激しいスポーツ走行にも対応する。

ENGINE

 エンジンは従来同様にV型6気筒自然吸気としつつ、排気量を3.7Lにアップして高出力化。十分な速さに加え、アクセルを踏むときの、鼓動のようなビート感がドライバーに高揚感をもたらしてくれる。

大排気量自然吸気は今では貴重な存在

編集部●新型はターボエンジンだけど従来型は自然吸気エンジンで、そこに従来型を選ぶ意味があるというのはどういうことでしょう?
工藤●たしかに新型のターボエンジンは405馬力とハイパワーだ。
編集部●それが魅力です。
工藤●でも従来型の自然吸気エンジンはターボとはまた違う味で、それが好みだという人も少なくない。
編集部●同じ美味しいコーヒーでも“アメリカン”と“エスプレッソ”は違うという感じですかね。
工藤●よくわからない例えだけど(笑)、世の中には「コーヒーはやっぱりアメリカンがいい」という人も多くいるわけ。具体的にいえば、大排気量自然吸気ならではのトルク感とか、アクセルを踏んだときの鋭い反応とか、高回転の吹け上がりとか。
編集部●ああ、わかります。
工藤●そして今、世界を見まわしてもZ34のような大排気量自然吸気エンジンの新車スポーツモデルはほぼ存在しない。メルセデス・ベンツやBMWにもないし、メジャーなブランドだけは一部のアメ車とポルシェ、そしてレクサスくらいじゃないかな。
編集部●従来型Zはそんな貴重なエンジンフィーリングを味わえると。
工藤●そう。旧型ならではの魅力があるから、あえて買いたいのだ。
編集部●今後は価格が上がりそうな雰囲気だから、買い時は今かもしれません。

355馬力に高められた高性能版「NISMO」

 高性能仕様となる「NISMO」は355馬力まで出力を高めたエンジンやサーキット走行に対応するよう締め上げたサスペンションなどが魅力。専用デザインのエクステリアは、単に見た目のデザインが異なるだけでなく、車体が浮き上がるのを抑えてタイヤがしっかりと路面をとらえる設計だ。

中古車参考価格帯:220万円~600万円(09年~21年 ※NISMOのみ)

[インプレッション]世界最高峰の操縦性を楽しもう

 新型がデビューした今でも、フェアレディZはあえて先代を選ぶ理由がしっかり存在する。それはターボエンジン化された新型では楽しむことができない、自然吸気大排気量エンジンの味わいだ。具体的にいえば湧き出すようなトルク感やアクセルを踏み込んだ際のドラマチックなフィーリングで、それを味わえるスポーツカーは今では希少である。
 走りはピュアスポーツカーそのものだ。かつてフェアレディZは俊敏性よりも快適性を重視していた時代もあったが、Z34型は心機一転。世界最高峰の運動性能に挑んだ。

[マーケットデータ]

 国産スポーツカーは価格が下がりにくいイメージがあるが、先代Zはそこまで高騰していない。初期型なら200万円台の予算から探せるし物件数も十分流通している。ただ、今後は良質な物件が減り探しにくくなるかもしれない。買うなら早めに探しておきたいところだ。
年式
2012年にマイナーチェンジを受けているが、それ以前の前期型が7割近くを占める。2009年式が豊富。
グレード
最も多いのが上級グレード「バージョンST」で全体の4割弱を占める。「NISMO」は1割程度だ。
走行距離
低走行の物件は以前と比べてかなり減っている。とはいえ5万km未満が半数ほど流通している状況。

工藤貴宏が注目するフェアレディZの「ココが○」

その1:車体を小さくするなど、常識にとらわれない走行性能強化
その2:新型では楽しめない、大排気量自然吸気エンジンの味わい
その3:本格スポーツカーを気軽に楽しめる貴重な存在

日産 フェアレディZの中古車を探す
  • 支払総額:557.2万円
  • 車両本体価格:535万円
  • 車種 : フェアレディZ
  • 年式 : 2024年
  • 走行距離 : 0.5万km
  • 車検: 検9.6
  • 支払総額:319.9万円
  • 車両本体価格:304.8万円
  • 車種 : フェアレディZ
  • 年式 : 2019年
  • 走行距離 : 1.7万km
  • 車検: 検8.3
  • 支払総額:260万円
  • 車両本体価格:241.8万円
  • 車種 : フェアレディZ
  • 年式 : 2008年
  • 走行距離 : 5.1万km
  • 車検: 検7.12
  • 支払総額:153万円
  • 車両本体価格:128.8万円
  • 車種 : フェアレディZ
  • 年式 : 2010年
  • 走行距離 : 6.1万km
  • 車検: 車検整備付
  • 支払総額:285.5万円
  • 車両本体価格:268万円
  • 車種 : フェアレディZ
  • 年式 : 2012年
  • 走行距離 : 2.6万km
  • 車検: 検7.9
  • 支払総額:463.8万円
  • 車両本体価格:439.9万円
  • 車種 : フェアレディZ
  • 年式 : 2020後
  • 走行距離 : 1.7万km
  • 車検: 車検整備付
  • 支払総額:289.9万円
  • 車両本体価格:275.1万円
  • 車種 : フェアレディZ
  • 年式 : 2016年
  • 走行距離 : 3.0万km
  • 車検: 検7.10
  • 支払総額:229万円
  • 車両本体価格:208.8万円
  • 車種 : フェアレディZ
  • 年式 : 2009年
  • 走行距離 : 9.7万km
  • 車検: 検8.1
  • 支払総額:260万円
  • 車両本体価格:241.8万円
  • 車種 : フェアレディZ
  • 年式 : 2010年
  • 走行距離 : 7.3万km
  • 車検: 検7.11
  • 支払総額:254万円
  • 車両本体価格:233.8万円
  • 車種 : フェアレディZ
  • 年式 : 2010年
  • 走行距離 : 5.3万km
  • 車検: 検7.12
  • 支払総額:242万円
  • 車両本体価格:223.8万円
  • 車種 : フェアレディZ
  • 年式 : 2009年
  • 走行距離 : 6.9万km
  • 車検: 検8.3
  • 支払総額:288万円
  • 車両本体価格:268.8万円
  • 車種 : フェアレディZ
  • 年式 : 2011年
  • 走行距離 : 4.2万km
  • 車検: 検8.11
  • 支払総額:360万円
  • 車両本体価格:339.8万円
  • 車種 : フェアレディZ
  • 年式 : 2019後
  • 走行距離 : 5.1万km
  • 車検: 検8.2
  • 支払総額:415万円
  • 車両本体価格:393.8万円
  • 車種 : フェアレディZ
  • 年式 : 2020後
  • 走行距離 : 0.9万km
  • 車検: 車検整備付
  • 支払総額:225万円
  • 車両本体価格:205.8万円
  • 車種 : フェアレディZ
  • 年式 : 2009年
  • 走行距離 : 8.7万km
  • 車検: 検8.2
  • 支払総額:550万円
  • 車両本体価格:533.8万円
  • 車種 : フェアレディZ
  • 年式 : 2023年
  • 走行距離 : 312km
  • 車検: 検8.7
  • 支払総額:254万円
  • 車両本体価格:236.4万円
  • 車種 : フェアレディZ
  • 年式 : 2012後
  • 走行距離 : 7.2万km
  • 車検: 検7.6
  • 支払総額:228万円
  • 車両本体価格:204.5万円
  • 車種 : フェアレディZ
  • 年式 : 2018年
  • 走行距離 : 4.0万km
  • 車検: 車検整備付
  • 支払総額:290万円
  • 車両本体価格:272.8万円
  • 車種 : フェアレディZ
  • 年式 : 2018後
  • 走行距離 : 5.3万km
  • 車検: 検8.3
  • 支払総額:698万円
  • 車両本体価格:678万円
  • 車種 : フェアレディZ
  • 年式 : 2025年
  • 走行距離 : 12km
  • 車検: 新車未登録
  • 支払総額:469.9万円
  • 車両本体価格:448.2万円
  • 車種 : フェアレディZ
  • 年式 : 2020年
  • 走行距離 : 1.0万km
  • 車検: 車検整備付
  • 支払総額:556.9万円
  • 車両本体価格:534.7万円
  • 車種 : フェアレディZ
  • 年式 : 2024年
  • 走行距離 : 0.1万km
  • 車検: 検9.8
  • 支払総額:140.5万円
  • 車両本体価格:119.8万円
  • 車種 : フェアレディZ
  • 年式 : 2013年
  • 走行距離 : 8.5万km
  • 車検: 車検整備付
  • 支払総額:189.9万円
  • 車両本体価格:173.6万円
  • 車種 : フェアレディZ
  • 年式 : 2008年
  • 走行距離 : 4.2万km
  • 車検: 検8.3
  • 支払総額:283万円
  • 車両本体価格:265.8万円
  • 車種 : フェアレディZ
  • 年式 : 2012年
  • 走行距離 : 9.6万km
  • 車検: 検7.10
  • 支払総額:425万円
  • 車両本体価格:405.8万円
  • 車種 : フェアレディZ
  • 年式 : 2013年
  • 走行距離 : 5.1万km
  • 車検: 検8.7
  • 支払総額:254.4万円
  • 車両本体価格:244.5万円
  • 車種 : フェアレディZ
  • 年式 : 2018後
  • 走行距離 : 4.5万km
  • 車検: 検7.11
  • 支払総額:267.9万円
  • 車両本体価格:251.9万円
  • 車種 : フェアレディZ
  • 年式 : 2011年
  • 走行距離 : 3.4万km
  • 車検: 検8.1
  • 支払総額:290万円
  • 車両本体価格:264.8万円
  • 車種 : フェアレディZ
  • 年式 : 2018後
  • 走行距離 : 6.2万km
  • 車検: 車検整備付
  • 支払総額:332万円
  • 車両本体価格:312.8万円
  • 車種 : フェアレディZ
  • 年式 : 2017年
  • 走行距離 : 2.9万km
  • 車検: 検7.10
この記事の画像を見る

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ