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更新日:2021.11.19 / 掲載日:2021.11.15

メルセデス・ベンツ SLクラスの燃費や税金など気になる維持費を紹介

ベンツの2シーターオープンスポーツカーの最高峰「SLクラス」

1954年に誕生し、ベンツ車の中でも長い歴史を持つメルセデス・ベンツ SLクラスの気になるポイントを紹介していきます。

「燃費やボディサイズは?」「税金や車検代などの維持費はいくらかかる?」といった実際に購入を検討されている方に必要な情報を掲載していますので確認してみてください。

SLクラスについて

メルセデス・ベンツ SLクラスは、1954年に誕生しました。SLクラスは日本での現行モデルが6代目にあたる、2シーターオープンスポーツの最高峰に位置づけられたクラスです。

車名のSLというのは、「Sport Leicht(シュポルト・ライヒト)」という軽量スポーツカーを意味するドイツ語に由来します。

初代は、1952年にル・マン24時間耐久レースを制覇した「300SL」をベースに市販モデルとして開発されたものです。この世代は、世界で初めてガソリン直噴エンジンを搭載した自動車として有名で、販売価格が高額であったにもかかわらず人気車種となりました。

その後、1963年のフルモデルチェンジにより2代目が誕生し、1971年には3代目が誕生しています。

そして、1989年、18年ぶりのフルモデルチェンジにより誕生した4代目には、TRC(トラクション・コントロール・システム)や電子制御式のアクティブ・サスペンションといった当時の最新装備が搭載されました。また、この4代目からデザインが丸みを帯びたエアロダイナミックなフォルムに変更されています。

5代目が誕生したのは、11年後の2001年です。5代目では、すでにSLKクラスで先行装備されていた「バリオルーフ(電動格納式ハードトップ)」が採用されました。これにより、ボタン操作のみで簡単にカブリオレとクーペという2種類のスタイルを楽しめるようになっています。

現行モデルとなる6代目は、それから10年後の2011年に誕生しました。そのスタイルは、先代モデルを受け継いでいますが、オールアルミボディを採用したことで先代から最大140kgの軽量化に成功し、燃費性能が大幅に向上しています。

2021年10月末には、SLクラスの新型となる7代目がまもなく販売されることを発表。この新型はバリオルーフではなく、4代目まで採用されていたソフトトップに戻ったことで非常に話題になりました。さらに、小さめの後席シートを備えているため、最大4人まで乗車できるようになります。

7代目は現時点での日本での導入時期は未定となっているので、早期の導入を期待したいところです。

SLクラスのボディサイズ

SLクラスのボディサイズは、一体どれくらいあるのでしょうか?

初代から3代目に関しては年式が古く情報がなかったため、ここでは4代目から6代目までのボディサイズを比較してみましょう。

<世代:グレード:ボディサイズ>
4代目
SL500
全長4500mm×全幅1810mm×全高1295mm

5代目
SL500
全長4535mm×全幅1830mm×全高1300mm

6代目
SL550
全長4615mm×全幅1875mm×全高1305mm

SLクラスは世代が上がるにつれて、すべてのボディサイズが少しずつ大きくなってきています。ただ、いずれの世代も全幅が1800mmを超えるサイズ感のため、狭い道で対向車とすれ違うときなどには少し気を遣わなければいけないかもしれません。

SLクラスを駐車する際に気になるのが、コインパーキングや立体駐車場に停められるかどうかでしょう。

日本のコインパーキングは、長さ4800mm~5000mm×幅2400mm~2500mmが一般的。そのためSLクラスは、いずれの世代も一般的なコインパーキングであれば、特に問題なく駐車できるはずです。

一方で、立体駐車場のサイズ制限は全長5000mm未満、全幅1850mm未満、全高1550mm未満となっています。この数字を見ると、4代目と5代目なら何とかギリギリ駐車できるサイズです。そうはいっても、かなりギリギリになってしまうことが予想されるので、立体駐車場に駐車するにはかなりの運転技術が必要となるでしょう。

また、現行モデルである6代目に関しては、全幅のサイズがオーバーしているため、立体駐車場には駐車することはできません。

SLクラスの安全装備

SLクラスの安全装備に関しても、やはり世代が上がるごとに進化しています。ここでは、5代目と6代目に搭載されている安全装備をご紹介します。

まず、5代目の主な安全装備は以下のとおりです。

・SBC(センソロニックブレーキコントロール)
これは、ペダル操作を電子信号に変換する電子制御ブレーキシステムのことで、横転した際瞬時に起動するオートマチックロールバーや機械式ブレーキに代わるものです。

・ESP(エレクトロニック・スタビリティ・プログラム)
これは車両の横滑りやアンダーステア、オーバーステアが生じた際にブレーキを自動的に制御する安全装置のことです。

続いては、6代目の安全装備をご紹介します。6代目の安全装備は、レーダーセーフティパッケージに集約されています。

・レーダーセーフティパッケージ
安全性と快適性を高次元で融合させた安全運転支援システムのことで、メルセデス・ベンツでは「インテリジェントドライブ」と総称しています。

このインテリジェントドライブの土台となっているのが、フロントやリアバンパー、ラジエーターグリルなど6か所に搭載されたレーダーと2か所に設置したカメラで構成される、車の周囲360°をカバーする複合的なセンサーシステム。

これらから得られたデータをコントロールユニットで融合させてデータを作成し、そのデータを高度なアルゴリズムで解析することにより、車両や歩行者の位置を特定します。

そして、その状況を判断したうえでアクセルやブレーキ、ステアリングを自動でアシストするというのがこのシステムの特徴です。

SLクラスの走行性能

SLクラスの現行モデルとなる6代目の走行性能ですが、この世代では以下のエンジンが搭載されています。

・306馬力3.5L V型6気筒直噴エンジン
・435馬力4.7L V型8気筒直噴ツインターボエンジン
・537馬力5.5L V型8気筒直噴ツインターボエンジン
・630馬力6.0L V型12気筒ツインターボエンジン

トランスミッションは、6代目誕生当初の2012年から2016年前半までのモデルには、すべて電子制御7速オートマティックトランスミッションの「7G-TRONIC」が組み合わせられています。

その他、アクティブ・ボディ・コントロールサスペンションにダイナミックカーブ機能を搭載しているため、走行時の安定性を向上させているのが特徴です。

2016年後半以降のモデルでは、トランスミッションが9速オートマティックトランスミッション「9G‐TRONIC」に変更となったため、エンジンの回転数が大幅に低減され、走行時の快適性を実現しています。

トランクルーム・ラゲッジスペースの広さ

SLクラスの5代目から6代目までの、歴代のトランクルームの広さをご紹介します。なお、初代から4代目に関しては情報がなかったため、不明です。

<世代:容量>
初代~4代目
不明

5代目
310L

6代目
504L

5代目の場合は、ルーフをオープンにした状態でも、ルーフを閉じた状態でも、ゴルフバッグは1個積むのが精一杯のようです。

一方で、6代目の場合は、ルーフをオープンにした状態ではゴルフバッグを1個、ルーフを閉じた状態であればゴルフバッグ2個積載できます。

6代目はボディサイズが5代目よりも大きくなっており、トランクに横幅と深さがあって開口部も大きいため、ゴルフバッグ2個積んだうえに旅行バッグなどの積載も可能な広さが特徴です。

SLクラスの燃費

SLクラスの燃費を見ていきましょう。

ここでは、4代目から6代目の燃費をご紹介します。4代目と5代目は10・15モードと同じですが、6代目はJC08モードに変更されているため、世代によって測定モードが異なるのが特徴。そのため、世代による燃費の比較は難しいです。

この測定モードというのは、時代が下がるごとに実走行に近い走行条件になるものの、同じ条件になることはありません。カタログデータと実燃費には差があるので、あくまでも参考値として見ておくことが大切です。

<世代:グレード:燃費>
4代目
SL500
6.4km/L(10・15モード)

5代目
SL500
6.9km/L(10・15モード)

6代目
SL550
9.6km/L(JC08モード)

こうして比較してみると、やはり世代が上がるにつれて燃費性能も向上しています。

特に5代目から6代目にかけては、ECOスタートストップ機能を採用したこともあって、大幅に向上しているようです。

SLクラスの税金

現在の日本での自動車に関する税金としては、購入時の消費税や自動車税環境性能割に加えて、毎年納める自動車税、車検の都度支払う自動車重量税などがあります。このうち自動車税は排気量ごとに額が決まっていますが、初回登録から13年経過すると、税額が15%程度割増になります。

SLクラスの自動車税ですが、4代目は全てのモデル、5代目もモデルの大半が初回登録から13年以上経過に該当。そのため、SLKの税額は以下のとおりです。

<世代:グレード:年額(4代目と5代目は15%程度割増後)>
4代目
SL500
101,500円(4,973cc)

5代目
SL500
101,500円(4,965cc)

6代目
SL550
88,000円(4,663cc)

自動車税にはグリーン化特例の制度もあり、初回登録の翌年度のみ税額が75%減額されますが、SLクラスでは対象になるグレードはありません。

続いて重量税ですが、こちらも初回登録から13年を超えたときと18年以上経過したときに税額が割増される仕組みです。SLクラスの場合、4代目と5代目の2003年以前に登場したモデルは18年、5代目の2008年以前に登場したモデルは13年以上に該当します。

SLクラスの場合、「SL500は1,850kg」「SL550は1,880kg」の車重です。そのため、13年経過している「SL500は45,400円」まだ13年経過していない「SL550は39,500円」となります。

従来あった自動車取得税は2019年10月に廃止され、新たに「自動車税環境性能割」が導入されました。これは燃費基準や環境性能に応じて税額が変わりますが、SLクラスの場合は軽減税率の対象外なので取得価額の3%が課税されます。

自賠責保険や任意保険料

続いて、SLクラスの自賠責保険や任意保険料の額をご紹介します。

自賠責保険料は、車種による違いはなく、白ナンバーの登録車の場合24か月分20,010円で、車検時に2年分まとめて支払うことになります。

任意保険料は、車種や型式の料率クラス、運転者の年齢などによって変わるのが特徴です。ここでは、損害保険料算出機構のホームページで確認できた4代目以降の料率クラスを確認しておきましょう。ここで算出された数字が低いほど、保険料は安くなります。

※いずれも保険始期2021年1月1日~12月31日の場合です。

4代目
SL500
対人賠償責任保険9・対物賠償責任保険8・搭乗者傷害保険5・車両保険15

5代目
SL500
対人賠償責任保険10・対物賠償責任保険9・搭乗者傷害保険7・車両保険17

6代目
SL550
対人賠償責任保険11・対物賠償責任保険7・搭乗者傷害保険7・車両保険17

※料率クラスは損害保険料算出機構のサイトで算出しました。

SLクラスの車検代

SLクラスの車検時にかかる経費としては、大きく分けて法定費用と整備点検費用がありますが、法定費用は国産車と輸入車による違いはなく、排気量や車重で決まっています。

6代目の「SL550」の場合、以下の費用がかかります。

・重量税・・・2年分で39,500円
・自賠責保険料・・・24か月分で20,010円
・印紙代・・・1,200円

整備や修理の内容で費用は変わりますが、SLクラスは1954年から販売されている非常に歴史の長い車種のひとつです。

現行モデルにあたる 6代目ではそれほど心配はないかもしれませんが、5代目以前のモデルはかなりの年数が経過しているため、思わぬ不調に見舞われる恐れもあります。

交換時期が推奨されるパーツも増える可能性があるので、それらの費用を踏まえた上で準備しておくことをおすすめします。

SLクラスの維持費

前述した項目を含め、SLクラスの中古車を購入した場合の維持費についてまとめてみましょう。

使用場所や目的による差もありますが、年額に換算したおおよその目安として、現行モデルの「SL550」の年間維持費は以下のとおりです。

・自動車税・・・88,000円
・重量税・・・19,750円(2年分÷2)
・自賠責保険・・・10,005円(24か月分÷2)
・任意保険・・・約90,570円
・ガソリン代(年間1万km走行)・・・約100,000円
・駐車場代・・・約96,000円(全国平均)

今回ご紹介したのは現行モデルとなるSL550なので他のベンツ車と変わらない維持費で済みますが、SLクラスの場合は半世紀以上の歴史があります。

特に初代から4代目までは年式的にも非常に古い部類にあたるため、パーツなどを手に入れるにも苦労するなど、維持するだけで非常に高額な出費になってしまうかもしれません。

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※本記事は、2021年11月時点の情報になります。現在の相場価格と異なる可能性がございます。
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