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更新日:2021.11.16 / 掲載日:2021.11.16

メルセデス・ベンツ SLRマクラーレンの燃費や税金など気になる維持費を紹介

マクラーレン社と共同開発したスーパースポーツカー「SLRマクラーレン」

イギリスにあるマクラーレン社との共同開発で誕生したスーパースポーツカーのメルセデス・ベンツ SLRマクラーレンについて、気になるポイントを紹介していきます。

「燃費やボディサイズは?」「税金や車検代などの維持費はいくらかかる?」といった実際に購入を検討されている方に必要な情報を掲載していますので確認してみてください。

SLRマクラーレンについて

メルセデス・ベンツ SLRマクラーレンは、当時F1でタッグを組んでいたメルセデス・ベンツとマクラーレンが共同で手がけたスーパーカーとして開発され、2004年にデビューしました。

SLRマクラーレンは、お互いの最新テクノロジーを最大限に活かして開発され、イギリスの専用工場でハンドメイドで生産されていました。少量生産だったこともあり、右ハンドル仕様は生産されていません。

当初SLRマクラーレンのボディは、優雅なフォルムのクーペが発売されていましたが、2007年にはオープンボディのロードスターも追加されています。

「SLR」はドイツ語のSport(スポーツ)、 Leicht(軽量)、 Rennwagen(レーシングカー)の頭文字をとったものです。また、1955年にスポーツカー世界選手権で活躍した、300SLRをオマージュして命名されたともいわれています。

SLRマクラーレンの外観上の特徴は、F1のノーズコーンをイメージさせるフロントノーズや、跳ね上げ式のバタフライウイングドアなどです。

また、個性的なデザインだけでなく、モノコックやボディシェル、外板に軽量と高剛性で衝撃吸収性に優れるカーボンコンポジット材を多用することで、極めて高いボディ剛性や衝突安全性を実現させています。この点も、メルセデス・ベンツとマクラーレンのコラボレーションならではといえるでしょう。

SLRマクラーレンはさまざまな特別仕様車も含め5年にわたり生産されましたが、2009年に生産を終了し、2012年には国内の新車販売も終了しています。

同時にメルセデス・ベンツとマクラーレンの共同プロジェクトも終了したため、後継モデルは誕生しませんでした。

SLRマクラーレンのボディサイズ

フルモデルチェンジが行われていない1世代のみのSLRマクラーレンのボディサイズは、比較する対象がありません。ここでは、グレード別のボディサイズを確認しておきましょう。

<世代:グレード:ボディサイズ>
初代
ベースグレード
全長4675mm×全幅1925mm×全高1275mm

初代
ロードスター
全長4675mm×全幅1925mm×全高1295mm

この車種には、2つのグレードしか設定しておらず、全長と全幅に関しては全く同じで、全高のみサイズが異なります。

SLRマクラーレンは2シーターのスポーツカーとして、ワイド&ローのボディサイズが特徴です。1300mmに満たない全高は乗り降りに不自由するのに加え、1925mmという全幅は決して日常的な用途に向いているとはいえません。

その大柄なボディは、駐車場を探すにも苦労するでしょう。多くのコインパーキングは、長さ4800mm~5000mm×幅2400mm~2500mmほどなのですが、全長と全高はともかく、1900mm以上のワイドな全幅は駐車できても乗降は非常に困難なサイズです。

また、SLRマクラーレンは一見、立体駐車場に停められそうにも思われますが、多くの立体駐車場は全幅1850mmまでしか対応していないところがほとんど。そのため、全幅が1900mm以上あるSLRマクラーレンを立体駐車場に停めることはできません。

SLRマクラーレンの安全装備

SLRマクラーレンが生産終了になったのは2007年のため、現在では当たり前の自動ブレーキはまだ採用されていませんでした。

それでも、衝突時の衝撃や被害を軽減するサイドエアバッグが運転席や助手席に標準装備されています。エアバッグと並ぶ安全装備としてABSが採用されたことはもちろん、ESP(エレクトロニック・スタビリティ・プログラム)の機能も安定した挙動を可能にしました。

その他の装備としては、シートベルトプリテンショナーやシートベルトフォースリミッターなどの前方から強い衝撃を受けた際に、すぐさまシートベルトを巻き取って身体を固定してくれる機能を標準装備しています。

また、SLRマクラーレンはスピードを追求し、軽量化するためにカーボンモノコックを採用しました。この高いボディ剛性は、万が一の際にも乗員の安全性を確保することにつながっているのです。

SLRマクラーレンの走行性能

SLRマクラーレンは、カーボンモノコックだけでなく、随所にスーパーカーならではの走行性能を実現させる機能が満載です。

エンジンは5,438ccのV型8気筒ガソリンエンジンのみで、アクセルレスポンスに優れるスーパーチャージャーが組み合わされています。最大出力が460kW(626ps)を誇るこのエンジンがフロントミッドシップに搭載され、後輪を駆動させているのが特徴です。

スーパーカーでありながら、SLRマクラーレンのトランスミッションはスポーツカーで多用されるMTやセミATではなく、5速のステップ式ATという特徴があります。これは車の運転操作が容易になるという、スーパーカーに相反する要素にこだわったメルセデスのアイデンティティといえるかもしれません。

SLRマクラーレンは、足回りのつくりにもこだわりがあるのが特徴です。前後のサスペンション方式はスポーツカーで多用されるダブルウィッシュボーンで、アライメント調整が自在にできるというメリットがあります。

さらに、走るだけでなく高い減速、制動性能も求められるSLRマクラーレンのブレーキには、フロントにベンチレーテッドディスク、リヤにはディスクが使用されました。

トランクルーム・ラゲッジスペースの広さ

SLRマクラーレンのトランクルームの広さをご紹介したいところですが、SLRマクラーレンは2021年現在販売を終了しており、メルセデス・ベンツの公式サイトからも情報が削除されているため、詳細は不明です。

<世代:容量>
初代
不明

画像などを見る限りは、2人乗車時でも十分なトランクルームが確保されているようです。一方で、他の乗用車のような可倒式リヤシートなどは付いていないため、あくまで緊急時に使用するスペースだと考えるべきでしょう。

しかし、走行性能が重視されるスポーツカーのSLRマクラーレンにトランクルームの容量や機能性を求めるユーザーは多くないと思われます。実際多くのユーザーはSLRマクラーレンの他にも別の車も保有していると考えられるので、このモデルには実用的な使い方を求めないのが賢明でしょう。

SLRマクラーレンの燃費

SLRマクラーレンの燃費を見ていきましょう。

燃費データとしてSLRマクラーレン発売時に採用されていた10・15モードは、実燃費と大きな差がありますが、参考程度に公表データをご紹介していきます。

<世代:グレード:燃費>
初代
ベースグレード
5.5km/L(10・15モード)

初代
ロードスター
非公表

ベースグレードは5.5km/Lですが、ロードスターに関しては非公表のため不明です。

燃費の悪い車の代表ともいえる1994年モデルのユーノス コスモが6.4km/Lだったことを考えれば、SLRマクラーレンは極端に燃費が悪いとはいえません。

SLRマクラーレンの過給器としてはスーパーチャージャーが採用されていますが、近年のダウンサイジングターボのように低燃費に貢献するものではありませんでした。

さらにいえば、SLRマクラーレンのエンジンは5,438ccという大排気量です。ボディこそ約1.7tという軽量ですが、あくまでスーパーカーとして走行性能が重視されているという理由であり、燃費は度外視しているといえます。

SLRマクラーレンの税金

現在の日本での自動車に関する税金としては、購入時の消費税や自動車税環境性能割に加えて、毎年納める自動車税、車検の都度支払う自動車重量税などがあります。このうち自動車税は排気量ごとに額が決まっていますが、初回登録から13年経過すると、税額が15%程度割増になります。

SLRマクラーレンは、全てのグレードが初回登録から13年以上経過しているので、13年以上に該当。そのため、割増後の税額は、以下のとおりです。

<世代:グレード:年額(15%程度割増後)>
初代
全グレード
101,200円(5,438cc)

自動車税にはグリーン化特例の制度もあり、初回登録の翌年度のみ税額が75%減額されますが、SLRマクラーレンは対象外です。

続いて重量税ですが、日本に輸入されていたSLRマクラーレンは「ベースグレードが1,780kg」「ロードスターは1,710kg」になるので、2年分で32,800円課税されます。

税額は初回登録から13年を超えたときと18年以上経過したときに割増されますが、SLRマクラーレンはほとんどが13年超の年式で、2年分45,600円に。また初期モデルの一部は18年を超える年式なので、2年分50,400円と最も高額になります。

従来あった自動車取得税は2020年10月に廃止され、新たに自動車税環境割が導入されました。SLRマクラーレンは取得価額の3%が課税されますが、取得価額が50万円以下になれば課税されません。

自賠責保険や任意保険料

続いて、SLRマクラーレンの自賠責保険や任意保険料の額をご紹介します。

自賠責保険料は、車種による違いはなく、白ナンバーの登録車の場合24か月分20,010円を、車検時にまとめて支払うことになります。

任意保険料は、契約条件や保険会社、補償内容で差が出るものです。さらにドライバーの年齢や車種、用途も保険料を左右するため、正確な相場を出すことはできません。

保険料を算定する基準に「型式別料率クラス」があり、ここで算出される数字が低いほど保険料は安くなります。

ここでは、損害保険料算出機構のホームページで確認できた初代の料率クラスを確認しておきましょう。
※いずれも保険始期2021年1月1日~12月31日の場合です。

初代
ベースグレード
対人賠償責任保険11・対物賠償責任保険7・搭乗者傷害保険7・車両保険15

※料率クラスは損害保険料算出機構のサイトで算出しました。

SLRマクラーレンの車検代

SLRマクラーレンの車検時にかかる経費としては、大きく分けて法定費用と整備点検費用がありますが、法定費用は国産車と輸入車による違いはなく、排気量や車重で決まっています。

初代のベースグレード(※2008年以降登場のモデル)で見た場合、以下の費用がかかります。

・重量税・・・2年分で32,800円
・自賠責保険料・・・24か月分で20,010円
・印紙代・・・1,200円

工賃は整備や修理の内容により大きく異なりますが、一般的には法定費用も含め15万円ほどかかるといわれています。

しかし、SLRマクラーレンは高価なパーツを多用している車種なので、到底この枠にはおさまりません。整備をするにも熟練の技が求められるため、一般的な整備工場でみてもらうことは極めて難しいでしょう。

SLRマクラーレンの維持費

前述した項目を含め、SLRマクラーレンの中古車を購入した場合の維持費についてまとめてみましょう。

使用場所や目的による差もありますが、年額に換算したおおよその目安として、初代のベースグレード(※2008年以降登場のモデル)の年間維持費は以下のとおりです。

・自動車税・・・101,200円
・重量税・・・16,400円(2年分÷2)
・自賠責保険・・・10,005円(24か月分÷2)
・任意保険・・・約50,000円
・ガソリン代(年間1万km走行)・・・約280,000円
・駐車場代・・・約96,000円(全国平均)

上記以外では、オイル代やタイヤ代などの経費が突発的に発生するでしょう。さらに故障したときの修理費用も見込んでおかなければなりません。

SLRマクラーレン含めメルセデス・ベンツのパーツ代は国産車よりも高いので、その点も踏まえ維持費を算定しておきましょう。

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※本記事は、2021年11月時点の情報になります。現在の相場価格と異なる可能性がございます。
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