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更新日:2021.10.13 / 掲載日:2021.10.13

メルセデス・ベンツ ミディアムクラスの燃費や税金など気になる維持費を紹介

標準サイズのセダンとして1986年に誕生した「ミディアムクラス」

1986年から1993年にかけて販売されていたメルセデス・ベンツ ミディアムクラスについて、気になるポイントを紹介していきます。

「燃費やボディサイズは?」「税金や車検代などの維持費はいくらかかる?」といった実際に購入を検討されている方に必要な情報を掲載していますので確認してみてください。

ミディアムクラスについて

ミディアムクラスは、1986年から1993年にかけて販売されていたメルセデス・ベンツの乗用車です。ドイツ本国では1985年に生産が開始され、翌1986年に日本への輸入が開始されました。

「W124」というコードネームで開発されたミディアムクラスは、190シリーズよりひとまわり大きなボディをもつスタンダードなセダンという特徴があります。派生モデルとして、ステーションワゴン、クーペ、カブリオレ、さらにはリムジンなど多くのボディが生産されました。

高いボディ剛性もミディアムクラスの特徴で、ドアの開閉音や感触から高級感を感じることができます。

ミディアムクラスのメカニズムは、基本的には「190クラス」のボディサイズを拡大したものとなっており、小ぶりな台形のテールランプなど、デザインの共通点も多いです。

90年代以降のメルセデス・ベンツのデザインが大きく方向性を変えるなかで、ミディアムクラスにはその後のメルセデス・ベンツ車とはまた違った重厚長大な質感と設計が随所に残っているという特徴もあります。

もちろん走行性能も追求しており、ステアリングには一般的なラックアンドピニオンではなく、リサーキュレーティングボール式を採用しました。そのため、他社とは異なる、絹のようになめらかなステアリングフィールを実現させています。

駆動方式としては、FRを標準としながら「4マチック」と呼ばれる四輪駆動を採用したグレードも存在しています。

エンジンからの動力を車軸に伝えるトランスミッションには、オーソドックスなステップ式ATが搭載されました。他のボディでは5速ATを組み合わせるグレードがありますが、セダンは全てのグレードが4速ATです。

エンジンには、排気量の異なる数種類のガソリンエンジンとディーゼルエンジンがありましたが、ターボはディーゼルにのみ組み合わされました。当時のターボはディーゼルとの相性はよかったものの、実用車に搭載するメリットはあまり得られなかったというのが理由として考えられます。

ミディアムクラスは1993年に「Eクラス」と名称変更され、モデル名が消滅します。しかし、1995年のフルモデルチェンジまでは中身は同じまま販売されていました。

ミディアムクラスのボディサイズ

ミディアムクラスのボディサイズは、一体どれくらいあるのでしょうか。ミディアムクラスは1代限りの車種なので、ここでは代表的なグレードのボディサイズを比較してみましょう。

<世代:グレード:ボディサイズ>
初代
230E
全長4740mm×全幅1740mm×全高1445mm

初代
220E
全長4740mm×全幅1740mm×全高1445mm

初代
300E 4マチック
全長4740mm×全幅1740mm×全高1455mm

ミディアムクラスのボディですが、4マチックモデルのみ全高が1455mmとわずかに大きいですが、それ以外の大きさはグレードによる違いはありません。

「ミディアムクラス」というモデル名ではありますが、登場から30年近く経った現在ではそれほどの大きさは感じず、特に1740mmという全幅はもはやコンパクトカー並みです。そのため、多くのユーザーは大きな違和感を感じることなく取り回しできるでしょう。

日本にある多くのコインパーキングは、長さ4800mm~5000mm×幅2400mm~2500mm程度といわれています。

全長4740mm超のミディアムクラスは、全長がギリギリではあるものの駐車することは可能です。また、1740mmという全幅は現在の同クラスセダンよりも扱いやすく、駐車する際の気遣いも最小限で済むでしょう。

全高も1445mm から1455mmと、1500mmに満たないため、高さ1550mmまでしか対応できない立体駐車場にも問題なく駐車することができます。もちろん、最近増加傾向にある2000mmの全高まで対応する立体駐車場には余裕で停めることが可能です。

ミディアムクラスの安全装備

ミディアムクラスは、生産を終了してから30年近く経つモデルです。そのため、現代で販売されているメルセデス・ベンツ車のような装備はありません。それでも当時の開発技術の結集として、より安全性を高めるための装備が搭載されていました。

ミディアムクラスはモデル初期ですでに、ABSが標準で装備されていました。ABSはブレーキロックを防ぎ、ブレーキ中でもステアリング操作が可能なことから、いわゆるアクティブセーフティの役割を担います。

80年代から90年代の主要な安全装備としてはエアバッグやABSがありますが、1986年当時でABSを標準搭載していたモデルはほとんどありませんでした。これは、メルセデス・ベンツの安全性に対するこだわりが詰まっていたという証拠ともいえるでしょう。

基本となる安全装備としては、ABSよりもエアバッグを思いつくユーザーが多いのではないでしょうか。エアバッグは衝突時の衝撃や被害を軽減する、という役割を担う「パッシブセーフティ」機能の装備です。

ミディアムクラスでは、初期モデルこそエアバッグの設定がありませんでしたが、1990年に運転席側にオプション追加が可能となりました。

その後、販売終了まで助手席エアバッグが搭載されなかったのは残念な点でしたが、1991年からは運転席エアバッグが標準化されています。

トランクルーム・ラゲッジスペースの広さ

ミディアムクラスのトランクルームの広さをご紹介したいところですが、ミディアムクラスは2021年現在販売を終了しており、メルセデス・ベンツの公式サイトからも情報が削除されているため、詳細は不明です。

<世代:容量>
初代
不明

そのため、具体的な容量は確認できませんでしたが、ミディアムクラスには後部に独立したトランクルームがあります。ミディアムクラスの系譜を継ぐEクラスの最新モデルでは、540Lの容量を実現させているので、ミディアムクラスも同程度の用量を確保していたと考えられます。

ただ、トランクルームの利便性を高めるように分割可倒式のリヤシートは採用されていないため、トランクルームのアレンジはできません。しかし、遮音性やホコリ、臭いなどが侵入しない点など、独立していることによるメリットを考えたら、さほど気にはならないでしょう。

ミディアムクラスの燃費

ミディアムクラスの燃費性能を見ていきましょう。

測定モードは、時代が下がるごとに実走行に近い走行条件になっていくのが特徴です。この当時採用されていた10・15モードは実燃費と大きな乖離がありますが、参考程度に公表データをご紹介していきます。

<世代:グレード:燃費>
初代
230E
7.5km/L(10・15モード)

初代
220E
8.2km/L(10・15モード)

初代
300E 4マチック
6.6km/L(10・15モード)

現在よりも走行条件が甘い10・15モードでも、燃費データは一桁でした。

当時の同排気量エンジンより極端に悪かったわけではありませんが、後継モデルに相当する現在のEクラスと比較すると、燃費性能の大きな違いがあります。

ミディアムクラスが生産されていた当時は、現在ほど大気汚染を懸念し、燃費性能を追求する声は大きくなかったため、高出力を求めるためにはエンジン排気量のアップが一般的でした。

現在の主流であるダウンサイジングターボとは異なり、当時のターボチャージャーはピークパワーを追求していたため、高性能ゆえその扱いに手を焼いたという事情もあります。

大排気量のNA(自然吸気)エンジンは、アクセルレスポンスのよさが大きなメリットです。しかし、排気量が多い分エンジンの重量はかさんだため、決して燃費がいいモデルとは言えませんでした。

ミディアムクラスの税金

現在の日本での自動車に関する税金としては、購入時の消費税や自動車税環境性能割に加えて、毎年納める自動車税、車検の都度支払う自動車重量税などがあります。このうち自動車税は排気量ごとに額が決まっていますが、初回登録から13年経過すると、税額が15%程度割増になります。

ミディアムクラスは生産されてから30年近く経過しているので、13年以上に該当。そのため、割増後の税額は、以下のとおりです。

<世代:グレード:年額(5%程度割増後)>
初代
220E
51,750円(2,198cc)

初代
300E 4マチック
58,600円(2,960cc)

初代
300Dターボ
58,600円(2,996cc)

自動車税にはグリーン化特例の制度もあり, 初回登録の翌年度のみ税額が75%減額されますが、ミディアムクラスでは対象になるグレードはありません。

続いて重量税ですが、日本に輸入されているミディアムクラスの場合、220Eなどのベーシックグレードでは車重が1,001kgから1,500kgの間に収まりますが、初回登録から18年以上経っているため税額は本来より割増され、2年分で37,800円となります。

また、ディーゼルエンジンを搭載した300Dターボや四輪駆動の300E 4マチックでは車重が1,500kgから2,000kg以下になるため、こちらも割増後で2年分の税額は50,400円です。

初回登録から13年を超えたときにも重量税の額が割増されますが、ミディアムクラスは最終モデルでも販売終了から30年近く経過しているため、最も税率が高くなります。

従来あった自動車取得税は2020年10月に廃止され、新たに自動車税環境割が導入されました。これは燃費基準や環境性能に応じて税額が変わるものですが、この対象に入らないミディアムクラスの場合は取得価額の3%が課税されます。しかし、取得価額は販売額と必ずしも一致せず、取得価額が50万円以下になれば課税されません。

自賠責保険や任意保険料

続いて、ミディアムクラスの自賠責保険や任意保険料の額をご紹介します。

自賠責保険料は、車種による違いはなく、白ナンバーの登録車の場合24か月分20,010円で、車検時に2年分まとめて支払うことになります。

任意保険料は、契約条件や保険会社、補償内容で大きく差が出ます。その保険料を算定するには、型式ごとの事故実績に基づいた「型式別料率クラス」があります。この料率クラスの数字が低いほど保険料は安くなります。

ここでは、損害保険料算出機構のホームページで確認できた初代の料率クラスを確認しておきましょう。
※いずれも保険始期2021年1月1日~12月31日の場合です。

初代
220E
対人賠償責任保険5・対物賠償責任保険7・搭乗者傷害保険7・車両保険9

初代
300E 4マチック
対人賠償責任保険13・対物賠償責任保険9・搭乗者傷害保険12・車両保険13

初代
300Dターボ
対人賠償責任保険13・対物賠償責任保険12・搭乗者傷害保険11・車両保険17

※料率クラスは損害保険料算出機構のサイトで算出しました。

ミディアムクラスの車検代

ミディアムクラスの車検時にかかる経費としては、大きく分けて法定費用と整備点検費用がありますが、法定費用は国産車と輸入車による違いはなく、排気量や車重で決まっています。

初代の「220E」で見た場合、以下の費用がかかります。

・重量税・・・2年分で37,800円
・自賠責保険料・・・24か月分で20,010円
・印紙代・・・1,200円

ミディアムクラスは、すでに初回登録から18年以上経っているため、重量税は大幅に割増されています。

また、多くのユーザーは車検整備を一括してディーラーや整備工場に依頼するため、このほかに整備点検費用が必要になるでしょう。整備や修理内容により工賃は大きく異なりますが、年式が古いミディアムクラスの場合一般的な相場よりも多額の費用がかさむ可能性があります。

一般的な相場である15万円プラスアルファともいわれる車検費用の目安は、あまり当てにならないかもしれません。

ミディアムクラスの維持費

前述した項目を含め、ミディアムクラスの中古車を購入した場合の維持費についてまとめてみましょう。

使用場所や目的による差もありますが、年額に換算したおおよその目安として、初代の「220E」の年間維持費は以下のとおりです。

・自動車税・・・51,750円
・重量税・・・18,900円(2年分÷2)
・自賠責保険・・・10,005円(24か月分÷2)
・任意保険・・・約50,000円
・ガソリン代(年間1万km走行)・・・約206,000円
・駐車場代・・・約96,000円(全国平均)

メルセデス・ベンツ車は、パーツさえ交換すれば新車時の走りが蘇るともいわれていますが、パーツ代は他のメルセデスと同様、他の自動車メーカーよりも高額です。

さらに生産終了から四半世紀以上経過しているミディアムクラスは、場合によっては国内でのパーツ調達ができず、個人輸入や海外オークションなどを利用することもあるかもしれません。費用以上にパーツ調達の手間がかかるという点は特に注意が必要です。

ディーゼルエンジンの特徴

ミディアムクラスのディーゼル車としては「300Dターボ」がありました。

燃費性能の公表データは確認できませんでしたが、2,996ccのディーゼルエンジンにターボチャージャーが組み合わされており、燃費性能と使いやすいエンジン特性の両立を図っています。

振動やノイズといったディーゼル特有のデメリットはあるものの、混合気を作らず燃料を圧縮してそのまま爆発させるため、エンジンブロックは頑丈につくられているのが特徴です。

燃料タンクの容量は、ガソリン車と同じ70Lのため、1回の給油でより長距離を走行することができるので、普段から長い距離を走行するドライバーにはおすすめのモデルでしょう。

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※本記事は、2021年10月時点の情報になります。現在の相場価格と異なる可能性がございます。

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