中古車購入
更新日:2025.01.28 / 掲載日:2021.01.20
プジョー 106の狙い目グレードや特徴と価格相場を紹介

フレンチ・ホットハッチの代表格であったプジョー 106に関して、今回はグレード別に紹介していきます。
「それぞれどのような特徴があるの?」「中古で購入する場合に目安となる予算はどれくらい?」といった実際に購入を検討されている方に必要な情報を掲載していますので確認してみてください。
プジョー 106の歴史
1991年にプジョー 106は新世代のコンパクト・ベーシックカーとして本国フランスにて販売が開始されました。それまで、長年に渡って生産・販売が継続されていた104を継承する形で登場し、車両骨格や主要コンポーネントを共有するシトロエン・サクソとは姉妹車の関係にあります。ヨーロッパでは非常に多数のバリエーション・モデルが発売されており、エンジン排気量も最小の1.0Lからトップグレードの1.6Lまで多彩に用意され、ディーゼルエンジン搭載車もラインナップしていました。
フランスでの販売開始から4年後である1995年に、ようやく日本への導入が開始されます。しかし、日本では1.6LのSOHC8バルブエンジンを搭載した「106 XSi」のみのしか販売されませんでした。
1996年には、エクステリアデザインの大掛かりな変更を含むマイナーチェンジが行われ、新型の1.6LのDOHC16バルブエンジンを搭載した「106 S16」が日本市場でも販売されるようになります。
軽量コンパクトな車体に高回転まで気持ちよく回るエンジンと、プジョー伝統のしなやかなサスペンションを組み合わせ、これぞフレンチ・ホットハッチというべき痛快な走りを見せるのが特徴です。これにより、106はレースやラリーなどのモータースポーツの舞台においても、その走行性能の高さからプライベーター・チームの戦力として大活躍し、数々の勝利を手にしています。
1998年には、「日本におけるフランス年」を記念したモデル「106 セリー・スペシャル1998」を250台限定で発売しました。このグレードには、サンルーフ付きのモデルも存在します。
2002年には、106最後の輸入車として「106 S16 リミテッド」が登場。このグレードには、MDデッキ+CDチェンジャーが装着されました。
2003年に、惜しまれながら106は生産を終了します。より小型のエコカーである107が後継車となりましたが、それまでのスポーツイメージは完全に消滅しています。
106 S16
106のスポーツグレード「106 S16」
新開発の1.6LのDOHC16バルブエンジンを搭載して走行性能を向上させて、106の持つスポーツイメージを一段と高めるのに成功しました。
日常での使い勝手に優れたコンパクト・ハッチバックのボディに、高出力のエンジンを搭載するというホットハッチの文脈に沿った構成で、多くのファンを魅了したグレードです。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:予算目安>
1998年式:23万円~149万円
1999年式:138万円~153万円
2000年式:84.9万円~198万円
2001年式:69万円~106万円
2002年式:135万円~198万円
2003年式:流通量希少により算出不可
106 S16は現在の中古車市場では、15台ほどしか流通していません。新車販売当時においても日本への導入数が少なかったために、現存している車両数も限られてきていますので、今後ますますこのグレードの中古車を見つけることは難しくなってくるでしょう。
先代モデルとの比較
1996年に106 S16は大掛かりなマイナーチェンジを受けて、エクステリアデザインがより洗練されたものへと生まれ変わりました。
また、新開発の1.6LのDOHC16バルブエンジンを搭載しており、高回転領域でのパンチ力を増したことから、従来にも増してスポーツ性が高まっています。1tを切る軽量コンパクトな車体に118psの出力は十分な運動性能を与え、そのキビキビとした走りは多くのドライバーにスポーツドライビングの楽しさを提供しました。
サスペンションシステムはフロントにストラット式、リアにトレーリングアーム式の構成となり、プジョー特有の「ネコ脚」と称されるしなやかで操縦性に優れたセッティングが施されています。
106 S16は他の106のグレードと比べると、中古車の流通量はそれなりに多い部類に入るグレードです。実際に現時点の中古車市場では、10数台が流通していました。20年以上前に登場したグレードでありながら、わりと高値で取引されているので、車両状態をしっかりと確認してから購入を決めるようにしましょう。
エンジンは1.6L直列4気筒ターボ最高出力118ps。ボディサイズは全長3690mm×全幅1620mm×全高1370mmです。
人気のあるカラー
・プラチナ・グレー
・インディゴ・ブルー
・サンダイス・イエロー
この中では、明るい青色の「インディゴ・ブルー」と、黄色の「サンダイス・イエロー」が人気です。
106 S16 セリー・スペシャル1998
日本におけるフランス年を記念して発売された「106 S16 セリー・スペシャル1998」
ボディカラーには、フランス国旗にちなんだブルー・ホワイト・レッドの3色が設定されていました。インテリアでは、新たな柄となるフェニックス・ファブリックのシートが採用されており、シリアルナンバーを刻んだメタルプレートがダッシュボードに装着され、特別限定車であることを示しています。
中古で購入する際の目安となる予算
プジョーより250台限定で販売された106 S16 セリー・スペシャル1998は、現時点の中古車市場では大変稀少な存在となっており、2021年時点においても確認することができた流通台数はわずかに2台だけ。このときの車両はいずれも走行距離は10万kmを超えていました。運よく出会えたとしても購入をする前に車両コンディションをしっかりと確認するようにしましょう。
先代モデルとの比較
1998年、フランス政府および民間企業による日仏文化交流事業である「日本におけるフランス年」が開催されたことを記念して、プジョー 106に特別限定モデルが販売されました。これが250台限定販売の106 S16 セリー・スペシャル1998です。
1996年に登場した106 S16をベース車両としており、インテリアには新たに設定された柄であるフェニックス・ファブリックを採用しました。また、ダッシュボードにはシリアルナンバーを刻んだメタルプレートを装着したことにより、特別感を演出しています。
また、ボディカラーはフランス国旗に由来するビアンカ・ホワイト、インディゴ・ブルー、チェリー・レッドの3色を設定しました。
このグレードは特別限定車として登場したという背景がありますが、現時点での中古車市場では2台の流通を確認することができました。とはいえ、もともと台数限定で販売されていることもあり、かなり希少価値は高いです。流通しているのも20年以上前の年式の古い個体ですので、しっかりと車両状態を確認したほうがよいでしょう。
エンジンは1.6L直列4気筒ターボ最高出力118ps。ボディサイズは全長3690mm×全幅1620mm×全高1370mmです。
人気のあるカラー
・ビアンカ・ホワイト
・インディゴ・ブルー
・チェリー・レッド
この中では、明るい青色の「インディゴ・ブルー」が人気です。
106 XSi
左ハンドルのみが輸入された「106 XSi」
エクステリアデザインは、往年の名車であるプジョーの205を彷彿とさせるようなエッジの立ったフロントマスクが特徴的となっています。搭載されたエンジンは、1.6LのSOHC8バルブから100psを発揮。930kgという軽量な車体を元気よく走らせます。
106はイギリス向けなどに右ハンドル車も生産されていましたが、エアコンの装着が不可能だったこともあり、高温多湿の日本市場では左ハンドルのみが輸入されました。
中古で購入する際の目安となる予算
もともとプジョー 106の日本導入が1995年と本国から4年以上遅れた上に、翌年の1996年には大掛かりなマイナーチェンジを迎えています。そのため、106 XSiの新車販売台数も極めて少数となっていることもあり、中古車にも出回っていないのでしょう。
先代モデルとの比較
本国では「Phase I」と呼ばれる初期型の106において、106 XSiは上級のスポーツグレードとして誕生します。
この初期型のエクステリアデザインには、1980年代から1990年代初頭にかけて、ピニンファリーナが手掛けた一連のプジョー車のデザイン潮流が濃厚に反映されました。1996年のマイナーチェンジでは、曲面を多用した洗練されたデザインにアップデートされましたが、205を彷彿とさせる無骨な初期型のデザインも根強いファンが存在します。
106 XSiは、非常にコンパクトで軽量に設計されたシャシーに、100psを発揮する1.6Lエンジンを組み合わせ、フレンチ・ホットハッチらしいキビキビとした痛快な走りを見せているのが特徴です。プジョー独特の「ネコ脚」と称されるサスペンションシステムは、しなやかな乗り心地と優れた旋回性能を両立しており、その走行性能の高さからラリー競技車両のベースとしても人気を博しました。
このグレードは現時点の中古車市場には1台も流通していないことに加えて、かなり古い年式の車種であるため、106 XSiを中古車で購入することはかなり難しいでしょう。
エンジンは1.6L直列4気筒ターボ最高出力118ps。ボディサイズは全長3565mm×全幅1615mm×全高1365mmです。
人気のあるカラー
・ブラック
・ルシファー・レッド
・マイアミ・ブルー
この中では、青色の「マイアミ・ブルー」が人気です。
なお、フランス本国ではメタリック・グリーンやメタリック・ブルーなど多くのカラーバリエーションが販売展開されていましたが、日本導入の際に上記の3色に絞られています。
106 S16 リミテッド
106の最終モデルとして販売された「106 S16 リミテッド」
レザーとアルカンタラの豪華なコンビネーションシートが装備され、ブラック基調のインテリアはスポーティーな印象のものに仕上がっているのが特徴です。また、MDデッキとCDチェンジャーが新たに装着されるなど、最終モデルにふさわしいグレード内容になっています。
翌2003年をもって106の販売は終了したため、106 S16 リミテッドも、販売期間は1年に満たない短さでした。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:予算目安>
2002年式:86.9万円~225万円
2003年式:110万円~250万円
106 S16 リミテッドの現時点の中古車の流通数は、かなり稀少になっています。販売が確認することができたのは、わずかに6台だけでした。
20年近い車齢からも、メンテナンス面ではとりわけパーツ供給が心配になってきてしまいますので、信頼のおけるショップに出会うことが重要となるかもしれません。
先代モデルとの比較
106 S16 リミテッドは、2002年に106の最後を飾るモデルとして登場しています。
日本市場においては珍しく、左ハンドルとマニュアル・トランスミッションの組み合わせのみで販売されてきた106は、フレンチ・ホットハッチの本流として、スポーツドライビングを好むドライバーから人気を博していました。
1tを切る軽量でコンパクトな車体に、118psの出力を発生させる高回転型のDOHCエンジンを搭載しており、クロースしたレシオを持つマニュアル・トランスミッションが組み合わされます。絶対的な動力性能では本格的なスポーツカーには敵わないものの、106の痛快な操縦感覚はスポーツドライビングにおいては、必ずしも大馬力は必要条件ではないことを教えてくれました。
ヨーロッパでは各国の国内ラリー選手権において、競技車両のベースとして多用されて活躍した事実からも、106が持つ運動性能の素性のよさがうかがえます。
このグレードの中古車は現時点で6台の流通が確認できました。とはいえ、登場してから20年以上経過しているので、しっかりと車両状態を見比べた上で購入を決めるようにしましょう。
エンジンは1.6L直列4気筒ターボ最高出力118ps。ボディサイズは全長3690mm×全幅1620mm×全高1370mmです。
人気のあるカラー
・インディゴ・ブルー
・プラチナ・グレー
・ビアンカ・ホワイト
・サンダイス・イエロー
この中では、明るい青色の「インディゴ・ブルー」と、黄色の「サンダイス・イエロー」が人気です。
※本記事は、2025年1月時点の情報になります。現在の相場価格と異なる可能性がございます。