中古車購入
更新日:2025.03.28 / 掲載日:2020.10.09
日産 マーチの狙い目グレードや特徴と価格相場を紹介

日産 マーチの歴史
日産 マーチは1982年に誕生しました。英語で「行進」や「行進曲」を意味する車名は、公募によって決められました。初代のデザインはイタリアを代表するデザイナーのジョルジェット・ジウジアーロが手がけ、ヨーロッパ流の合理的なパッケージングは広大なキャビン容積を持ち、使い勝手のよいコンパクトカーに仕上がりました。日本国内はもとよりヨーロッパでも高い評価を受け、約10年という長いモデルライフを誇る国産コンパクトカーの代表格となる存在です。
派生車種が多いこともマーチの特徴で、エンジンを強化したマーチ ターボ、電動キャンバストップなどが追加されました。また、Be-1、パオ、フィガロといった一連のパイクカーシリーズも生み出しています。
1992年のフルモデルチェンジで2代目K11型がデビューしました。直線基調だった初代とはイメージを変えて、曲面を巧みに利用したエクステリアデザインが特徴です。初代同様にヨーロッパ市場を強く意識し、優れた性能と快適な室内空間を両立しています。
この2代目は国内外で非常に高い評価を受け、日本車として初めての欧州カー・オブ・ザ・イヤーを始め、日本カー・オブ・ザ・イヤー、RJCカー・オブ・ザ・イヤーをトリプル受賞するという快挙を成し遂げました。
2002年に登場した3代目K12型は、「ユーザーフレンドリーを追求した、おしゃれな新世代コンパクトカー」を目標に開発されます。この世代は、曲面を大胆に使ったキュートなデザインが特徴です。また、国産車としては珍しく、鮮やかで個性的なパステルカラーを多数ラインナップし、オートカラーアウォードのグランプリを受賞するなど、国内外でデザインが高く評価されました。
2010年には、国内市場では4代目のK13型が発売されます。日産が新開発した高剛性軽量プラットフォームとHR12DEエンジンを採用し、JC08モードにおいてクラストップとなる23.0km/Lという優れた燃費性能を誇っているのが特徴です。
2016年、海外にて5代目マーチ(海外名はマイクラ)という名称で発売。マイクラは、従来のモデルと比べてボディが大幅に大型化されました。エンジンにはターボ付きガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、そして通常のガソリンエンジンの3種類をラインアップ。しかし、これは欧州専用仕様として発売され、国内では販売されませんでした。
日本では引き続き4代目マーチが販売されていましたが、2022年には生産を終了。次のモデルが発表されることなく、マーチの歴史は一旦幕を閉じました。
マーチ NISMO

爽快なスポーツドライビングが楽しめる「マーチ NISMO」
優れた空力効果を発揮するエアロパーツをはじめとする専用のインテリア・エクステリアは、キュートなマーチに精悍な印象をもたらし、ドライバーの気分を高めます。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:予算目安>
2013年式:流通量希少により算出不可
2014年式:38万円~115万円
2015年式:49万円~107万円
2016年式:54万円~116万円
2017年式:44万円~116万円
2018年式:60万円~144万円
2019年式:100万円~130万円
2020年式:126万円~143万円
2021年式:流通量希少により算出不可
2022年式:流通量希少により算出不可
マーチ NISMOは比較的中古車市場での流通数は多く、予算に応じた柔軟な選び方が可能です。
先代モデルとの比較
現行のK13型に追加設定されたマーチ NISMOは、街中で楽しめる気持ちのいい走りを日常的に味わえることを目指して開発されました。SUPER GTを戦うGT-Rの空力ノウハウといったレースフィールドからのフィードバックにより、ゼロリフトを実現したエアロパーツの数々は安定感のある優れた高速走行性能をもたらしています。
足回りの装備はすべてが車種専用となり、16インチアルミホイールとブリヂストンRE-11ハイグリップタイヤを組み合わせました。入念なチューニングの施されたサスペンションと電動パワーステアリングが正確な操舵感を作り上げています。
エクステリア、インテリア共にレッドの差し色を効果的に使用することでスポーティーな印象を演出。また、各部に掲げられたNISMOのエンブレムが本物のチューニングカーであることを主張しています。
現行モデルであるため、中古車市場での流通量も多く、手ごろな値段でスポーツドライビングを楽しむことが可能です。
エンジンは1.2L直列3気筒ターボ最高出力79ps。ボディサイズは全長3870mm×全幅1690mm×全高1500mmです。
人気のあるカラー
・ピュアブラック
・ブリリアントホワイトパール
・ブリリアントシルバー
このなかでは、白色にパール塗装を施して上品な光沢感を放っている「ブリリアントホワイトパール」が人気です。
マーチ ボレロ

品質の高さと秀逸なデザインは折り紙付きの「マーチ ボレロ」
歴代のマーチ ボレロを手がけるのは、日産特装車を作り上げる専門集団として名高いオーテックジャパンですので、品質の高さと秀逸なデザインは折り紙付きといえるでしょう。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:予算目安>
1998年式:流通量希少により算出不可
1999年式:流通量希少により算出不可
2000年式:45万円
2001年式:59万円~121万円
2002年式:流通量希少により算出不可
2004年式:流通量希少により算出不可
2005年式:流通量希少により算出不可
2006年式:30万円
2007年式:30万円
2008年式:37万円~38万円
2009年式:流通量希少により算出不可
2010年式:44万円~59万円
2011年式:26万円~70万円
2012年式:33万円~62万円
2013年式:36万円~70万円
2014年式:40万円~80万円
2015年式:36万円~99万円
2016年式:41万円~80万円
2017年式:30万円~109万円
2018年式:64万円~101万円
2019年式:108万円
2020年式:111万円~157万円
2021年式:124万円
2022年式:109万円~119万円
中古車市場において、2~3代目は個体数が少なくなってきていますが、価格相場もかなり安くなっているのでお得に購入できます。4代目は流通している個体数は多くなっているため、選択の幅が広くなりました。
先代モデルとの比較
マーチ ボレロは1997年に追加グレードとして、音楽用語で舞曲の一種を表す「ボレロ」の名前を与えられ発売されました。2代目は「行進曲」を意味するマーチという車名から、グレード名を「A シャープ」のように音階名とし、イメージを統一。そのため、バリエーショングレードに対しても、タンゴ、ルンバ、ポルカと舞曲にちなんだ命名がなされました。
登場から20年以上経過しているため、わずかな台数しか流通しておらず、価格も安めです。
エンジンは1.0Lまたは1.3L直列4気筒ターボ最高出力58~60psまたは79~85ps。ボディサイズは全長3720mm×全幅1585mm×全高1425mmです。
第3世代:2004年~2010年
3代目でも、モデル途中の追加車種として2004年に設定されました。先代同様に、大型メッキグリルやウッド調のクラシカルなインテリア・エクステリアを与えられ人気を博しています。
販売から10年以上経過しているため、流通量も少なく、価格もこなれてきました。
エンジンは1.2L直列4気筒ターボ最高出力90ps。ボディサイズは全長3745mm×全幅1670mm×全高1525mmです。
第4世代:2010年~2022年
人気グレードであったため、4代目でも引き続き設定されました。専用のグリルやアルミホイールを与えられ、インテリアはライトグレーとパープルを上手に使ったナチュラルグレーと引き締まった印象のブラックの2つの仕様から選ぶことができます。
2~3代目よりも流通台数は多く、良質な車両も多いです。
エンジンは1.2L直列3気筒ターボ最高出力79ps。ボディサイズは全長3830mm×全幅1665mm×全高1515mmです。
人気のあるカラー
・ナイトベールパープル
・ブリリアントホワイトパール
・ナデシコピンク
・チタニウムカーキ
・ピュアブラック
一般的に人気カラーとされている白系や黒系ではなく、桜のように優しい淡いピンク色が特徴的な「ナデシコピンク」が人気です。
マーチ R
競技用として活躍した「マーチ R」
当時のラリー競技規則に適合させる目的で、マーチターボ用のエンジン排気量を小さくし、ターボチャージャーとスーパーチャージャーを直列に配置したツインチャージドシステムを備え、強力なパフォーマンスを発揮しました。
競技用パーツの装備に応じた4段階のタイプが設定され、とりわけタイプ1はオーテックジャパンにより、4点式ロールケージやオイルクーラー、マッドガードなどのラリーパーツが装着され、そのまま競技に出場が可能な仕様となっています。
中古で購入する際の目安となる予算
全日本ラリー選手権で活躍していた時代からすでに30年が経過しており、現存する車両個体も非常に少数だと考えられます。現在、マーチ Rを入手するためには、ラリー競技やダートトライアル競技に参戦しているレーシングチームなど、専門分野のネットワークが必要かも知れません。
先代モデルとの比較
初代マーチK10型には、水冷式ターボチャージャー付きMA10ETエンジンを搭載したマーチ ターボが設定されていました。マーチ Rはこのエンジンをベースに、競技規則をクリアするために排気量を930ccへと減少させ、大型のターボチャージャーへ換装、さらに低速トルクを増強するためにルーツ式スーパーチャージャーを追加しています。
740kgという極限まで軽量化された車体に対して、110psの高出力は鋭い加速をもたらし、超クロースレシオの競技用トランスミッションを用いることで、一般的なスポーツグレードの車両とは異次元の性能です。
操縦が難しいビスカス式LSD、超スパルタンな乗り心地を実現するための競技用強化サスペンションを採用しました。さらにインテリアのアンダーコートに至るまですべて剥がされた車体、それらすべてにおいて競技に勝利するために一切の妥協はありません。
マーチ Rは競技用として設定されたグレードであるため、中古車市場に流通する可能性は低いでしょう。
エンジンは0.9L直列4気筒ターボ最高出力110ps。ボディサイズは全長3760mm×全幅1560mm×全高1405mmです。
人気のあるカラー
一部の車両では、日産ラリーチーム伝統のトリコロールカラーで塗装されていたようです。競技車両という性格上、それぞれの個体がスポンサーカラーに塗装されていたり、さまざまなステッカーが貼られていたりしたであろうと推測されます。
マーチ 12SR
正統派ドライビングを楽しめる「マーチ 12SR」
マーチ 12SRは全車5MTのみの設定であり、パワーを引き出してキビキビと走らせるというコンパクト・ホットハッチにおける正統派のドライビングを楽しめるグレードです。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:予算目安>
2003年式:59万円~64万円
2004年式:28万円~115万円
2005年式:29万円~68万円
2006年式:47万円~77万円
2007年式:29万円~85万円
2008年式:50万円~98万円
2009年式:39万円~59万円
2010年式:45万円~89万円
マーチ 12SRの中古車の価格相場はかなり安くなっており、手ごろにホットハッチを探そうと思った際には、うってつけのグレードでしょう。
先代モデルとの比較
2003年10月に発売されたマーチ 12SRは、メーカーコンプリートとなるチューンドカーです。搭載されたCR12DEエンジンは専用ピストンによる高圧縮化を始め、高回転型カムプロファイル、強化バルブスプリング、軽量フライホイールに専用ECUと本気のチューニングが施されました。
エキゾーストシステムにも、専用の低排圧キャタライザーを備えたセンターマフラーおよびメインマフラーが装備され、最高出力は実に2割増しの108psまで増強されています。個人でこのレベルまでエンジンをチューンすることは簡単ではありませんので、メーカー自らが手がけたこの内容を考えれば、まさに破格ともいえるでしょう。
足回りも専用のスポーツサスペンションと、185/55R15の大径タイヤを組み合わせ、シャシーにも車体剛性を高めるべくテールクロスバーが装着されています。
3代目のグレードではあるものの、中古車の相場はこなれてきました。また、スポーツグレードらしく、オーナーによってカスタマイズされた個体も多く目にすることができます。
エンジンは1.2L直列4気筒ターボ最高出力108ps。ボディサイズは全長3695 mm×全幅1670 mm×全高1505 mmです。
人気のあるカラー
・スーパーブラック
・ダイヤモンドシルバー
・パシフィックブルー
・ホワイトパール
このなかでは、ラメが施されたシルバーの「ダイヤモンドシルバー」が人気です。
※本記事は、2025年3月時点の情報になります。現在の相場価格と異なる可能性がございます。