中古車購入
更新日:2025.01.28 / 掲載日:2020.09.03
スズキ ワゴンRの狙い目グレードや特徴と価格相場を紹介

背を高くして室内空間を優先し、抜群の低燃費性と安全性能に優れた軽ハイトワゴン。スズキのワゴンRに関して、今回はグレード別に紹介していきます。
「それぞれどのような特徴があるのか」「中古で購入する場合に目安となる予算はどれくらいなのか」といった実際に購入を検討されている方に必要な情報を掲載していますので確認してみてください。
スズキ ワゴンRの歴史
スズキ ワゴンRは、トールワゴンという現代の軽自動車におけるスタンダードなジャンルを確立したパイオニア的存在です。のちにダイハツ タントをはじめ、各社から同じコンセプトの軽自動車が次々と発売されていますが、1993年の登場以来5回のモデルチェンジを繰り返しながらも、今なお高い人気を誇ります。軽自動車規格で全長や全幅が制限されるなか、より広いスペースを確保するため、車室を上方向に伸ばすという発想で登場時は周りの度肝を抜きました。上に空間を広げたことでヒップポイントも高くなり、乗車時の快適性が高まるとともに乗降性も向上。同時にラゲッジルームの容量も増えているので、より多くの荷物を積めるようになっています。
ワゴンRはその特徴から多用途で幅広く使用され、駆動方式やエンジン・トランスミッションは多岐にわたるのが特徴です。FFと4WDから選択できるのは各世代に共通しており、トランスミッションは実用性に優れたATや伝達効率の高いCVTに加え、操る楽しさをもったMTモデルを選べる世代もあります。
また、実用性向上のためのパワーアップを図ったターボエンジンや燃費性能を追求したハイブリッドシステムなど、そのときどきにおける最新の開発技術を投入しました。ワゴンRはもちろん、安全性能も高い次元で実現させています。安全装備自体は世代により異なるものの、近年のモデルではレーダーブレーキサポートやスズキセーフティーサポートなどの技術を積極的に採用することで、事故の軽減や安全運転をサポート。
そんなワゴンRには、エアロパーツなどを装着したスポーティータイプの設定もあります。RRやスティングレーなどは、グレードのひとつというより別の車種として確固たる地位を築いており、カスタムモデルの先駆けともいえる存在です。
ワゴンRは軽自動車のスタンダードとしての地位を確かなものにしており、長年にわたって「最も売れた軽自動車」の座を独占していました。また、他の自動車メーカーにもOEM供給されており、より多くの台数を生産することで生産コストの削減にもつながっています。そのため、中古車の流通量も豊富で、数は少ないものの30年近く前の初代モデルを購入できるというのもワゴンRならではでしょう。
ワゴンR FX
お買い得感があって人気も高い「ワゴンR FX」
また、インテリアも決して華美ではありませんが、肝心なところにはしっかりとコストをかけることで、買い得感をさらに高めています。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:グレード名:予算目安>
2010年式:ワゴンR FX:5.8万円~59.7万円
2015年式:ワゴンR FX:15万円~89.5万円
2018年式:ワゴンR ハイブリッドFX:37.5万円~132万円
ワゴンR FXは売れ筋グレードのひとつだったため、中古車も豊富に流通しています。各世代のモデルが幅広い価格帯で販売されていますが、コンディションの違いがそのまま価格の違いに反映されているのが特徴です。また、高年式のものは走行距離も少なく、新車にこだわらなければ大変お得に購入ができます。
先代モデルとの比較
この世代のワゴンR FXは売れ筋グレードとして、CDプレーヤーやキーレスエントリー・スモークガラスなどを標準で採用していました。そのため、普段使いには不自由しない、十分な装備が用意されています。駆動方式はFFと4WDがありましたが、トランスミッションはCVTモデルのみを用意。
この世代は最終型でも10年近く経過していますが、中古車はまだ数多く残っています。
エンジンは0.6L直列3気筒ターボ最高出力54ps。ボディサイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1660mmです。
第5世代:2012年~2017年
この世代も売れ筋グレードとして、装備が充実しています。なかでも先進的な低燃費技術としてエネチャージ・新アイドリングストップ機能・エコクールが採用されるのが特筆すべき点です。トランスミッションはCVTに加え、5速MTモデルも選べました。
中古車は、1000台以上から選べます。10万km以上走行したものも多いですが、予算や装備に応じた多くの選択肢があるのが特徴です。
エンジンは0.6L直列3気筒ターボ最高出力52ps。ボディサイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1640mmです。
第6世代(現行モデル):2017年~
現行モデルのFXにはマイルドハイブリッドシステムが搭載され、グレード名もハイブリッドFXに変更。スズキセーフティーサポートの搭載車と未搭載車で多少装備は異なりますが、マルチインフォメーションディスプレイや前席シートヒーター・オートエアコンなど、普段使いには十分な装備が備わっています。
登場から3年経過し、車検のタイミングで中古車も数多く流通しており、なかには6~7万kmほど走行したものながら、50万円以下で購入できる個体もありました。
エンジンは0.6L直列3気筒ターボ最高出力52ps。ボディサイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1650mmです。
人気のあるカラー
・ブルーイッシュブラックパール3
・ホワイト
・シルキーシルバーメタリック
・アーバンブラウンパールメタリック
・シフォンアイボリーメタリック
・ダスクブルーメタリック
・テラコッタピンクメタリック
・フォギーブルーパールメタリック
・フェニックスレッドパール
・ピュアホワイトパール
この中では、淡いシルバー色が落ち着いた印象を与える「シルキーシルバーメタリック」が人気です。
ワゴンR FA

最廉価モデルの「ワゴンR FA」
FAは価格が安い以外に目立った特徴がないグレードで、現代の自動車としては物足りない部分も少なくありません。それでも一定のニーズがあり、個人ユーザーに限らず幅広く乗られているモデルといえます。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:予算目安>
2010年式:流通量希少により算出不可
2015年式:19.8万円~75万円
2018年式:36.8万円~132.4万円
ベーシックなグレードとしての立ち位置のため、中古車数はそれほど多くありません。新車価格が安い分、中古車価格も抑えられていますが、装備はかなり省略されており、購入をおすすめできるのは割り切った使い方をする人に限られます。
先代モデルとの比較
2008年に発売されたワゴンR FAは、廉価グレードとして価格を抑えるため、装備はかなり省かれました。この世代のFAにはCVTに加え5速MTのモデルも用意されており、FFと4WDの駆動方式から選べます。
また、年式が古いこともあり、この世代のFAグレードの中古車は探すのが非常に困難です。
エンジンは0.6L直列3気筒ターボ最高出力54ps。ボディサイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1660mmです。
第5世代:2014~2017年
2014年にワゴンRがフルモデルチェンジをした際、FAグレードが復活。3代目同様、低価格を追求したグレードとして、上級グレードよりも装備が極端に簡略化されています。この頃のスズキ車にはエネチャージやS-エネチャージなどの省燃費機能が続々と採用され、ワゴンRにも取り入れられていますが、FAにはアイドリングストップ機能すらも付いていません。また、この世代からMTモデルが消え、CVT仕様のみに。
この世代は比較的年式が新しく、中古車もそれなりの台数が流通しています。
エンジンは0.6L直列3気筒最高出力ターボ52ps。ボディサイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1640mmです。
第6世代:2017年~2022年
この世代は他グレードがマイルドハイブリッドシステムを採用しているのに対し、ワゴンR FAはエンジンのみで駆動するという大きな違いがあります。
中古車の台数はそれなりにありますが、低価格を追求した車選びをする人に向けたグレードといえるでしょう。
エンジンは0.6L直列3気筒最高出力ターボ49ps。ボディサイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1650mmです。
人気のあるカラー
・ブルーイッシュブラックパール3
・ホワイト
・アーバンブラウンパールメタリック
・アクティブイエロー
・シフォンアイボリーメタリック
・ブリスクブルーメタリック
・フィズブルーパールメタリック
・シルキーシルバーメタリック
・フェニックスレッドパール
・ピュアホワイトパール
この中でもやはり淡いシルバーが特徴の「シルキーシルバーメタリック」とソリッド系ホワイトの「ホワイト」が人気です。
ワゴンR FZ

ワゴンR上級グレードの「ワゴンR FZ」
また、両システムに採用されているISG(モーター機能付発電機)は、走行のアシストと発電機を兼ねるだけでなく、アイドリングストップ時からの再始動にも使用されます。そのため、セルモーターの音がせず、静かに再始動することが可能です。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:グレード名:予算目安>
2015年式:ワゴンR FZ:15.5万円~97万円
2018年式:ワゴンR ハイブリッドFZ:45.8万円~123万円
もちろん個々のコンディションにより中古車価格は異なるわけですが、FZの流通量は豊富で、その価格帯も幅広いです。それぞれの予算に応じた最適な中古車選びができます。
先代モデルとの比較
この世代は、メッキのフロントグリルやアルミホイールが標準装備されています。まだヘッドライトにハロゲンランプが多く採用されていた時代において、ディスチャージヘッドランプ装着車を選べました。また、衝突被害軽減ブレーキやスマートキーなどの装備も充実。
この世代の中古車は、走行距離が数千km~数万kmと幅広いですが比較的年式が新しいので、程度のいいものを探しやすいです。
エンジンは0.6L直列3気筒最高出力ターボ52ps。ボディサイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1660mmです。
第6世代(現行モデル):2017年~
現行型のFZにはマイルドハイブリッドシステムが搭載され、グレード名もハイブリッドFZに改められました。スズキセーフティーサポートが標準で装備され、衝突被害軽減ブレーキや誤発進抑制機能などの装置が安全運転をサポートします。また、オートエアコンや革巻きステアリングなどの快適装備も充実しました。
現行型ハイブリッドFZの登場は2017年で、初回車検のタイミングで市場に出る中古車も増えています。装備や走行距離によって付けられる価格もさまざまですが、しっかりした車選びができるでしょう。
エンジンは0.6L直列3気筒ターボ最高出力52ps。ボディサイズは全長2450mm×全幅1355mm×全高1265mmです。
人気のあるカラー
・ブルーイッシュブラックパール3
・ムーンライトバイオレットパールメタリック
・アーバンブラウンパールメタリック
・フィズブルーパールメタリック
・イノセントピンクパールメタリック
・シルキーシルバーメタリック
・クリスタルホワイトパール
この中では、ブラック系の「ブルーイッシュブラックパール3」が人気です。
ワゴンR リミテッド
特別仕様車として登場した「ワゴンR リミテッド」
特別仕様にふさわしく、外観上のアクセントや他グレードとはひと味違ったインテリアなどの装備が施され、一般グレードとの差別化を図りました。
なお、このほかにも、グレード名にリミテッドの名が冠せられた「○○リミテッド」仕様のモデルも多く存在しています。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:予算目安>
2008年式:17.8万円~50万円
2011年式:24.8万円~36万円
2012年式:流通量希少のため算出不可
ワゴンR リミテッドが発売されたのは2008年及び2010年ですが、中古車市場では2008年式のものがわりと多く出回っているという状況です。また、20万円台の価格となる個体が比較的多く流通していました。
先代モデルとの比較
この世代のリミテッドは、2003年度~2007年度の国内軽自動車車名別新車新規届出台数ナンバーワン・国内累計販売台数300万台達成を記念して、フルモデルチェンジを間近に控えた2008年に発売されます。エクステリアには、上級グレードのフロントグリルやアルミホイールを採用し、インテリアでは、アルカンタラを使ったシートやドアトリム、メッシュ調インパネセンターガーニッシュなどを装備しました。
発売から10年以上が経過していますが、わずかながら中古車は流通しているものの、手に入れる場合は根気強く探す必要があります。
エンジンは0.6L直列3気筒ターボ最高出力54ps。ボディサイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1675mmです。
第4世代:2010年
この世代はFXリミテッドをベースとして、ガンメタリックで塗装された専用の14インチアルミホイール・オートライトシステム付ディスチャージヘッドランプなどが外観上の装備として施されています。また、インテリアは専用のブラック内装を採用しており、シックな車内空間を演出。さらにメーカーオプションながら、バックモニター付のCDプレーヤーが用意されており、後退時の高い安心感につながっています。
リミテッドの中古車は、発売から10年近く経っている・特別仕様車であることを差し引いても、それほど多くの台数が出回っているわけではないため、探し出すのは少し難しいかもしれません。
エンジンは0.6L直列3気筒最高出力ターボ54ps。ボディサイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1675mmです。
人気のあるカラー
・ブルーイッシュブラックパール3
・パールホワイト
・ミステリアスバイオレットパール
・ルナグレーパールメタリック
・シルキーシルバーメタリック
・パールメタリックカシミールブルー
この中では、白にパールを交えた「パールホワイト」が人気です。
※本記事は、2025年1月時点の情報になります。現在の相場価格と異なる可能性がございます。