中古車購入
更新日:2025.02.27 / 掲載日:2020.07.15
シビックの狙い目グレードや特徴と価格相場を紹介

スポーティーなイメージで愛され続けているホンダのシビックに関して、今回はグレード別に紹介していきます。「それぞれどのような特徴があるの?」「中古で購入する場合に目安となる予算はどれくらい?」といった実際に購入を検討されている方に必要な情報を掲載していますので確認してみてください。
ホンダ シビックの歴史
ホンダのシビックは、同社の世界戦略を支える重要なモデルであり、代表的な車種のひとつとして広く知られています。その誕生は意外に古く、初代モデルは1972年に登場。以来、モデルチェンジを重ねながら進化を続けていますが、前輪駆動を基本とした駆動方式や直列4気筒エンジンの採用は、歴代モデルに共通しています。
シビックには、その時代ごとの最新技術が導入されており、排ガス浄化技術として名高いCVCCエンジン、ATの先駆けとなるホンダマチック、高性能エンジンとして知られるVTECなどが採用されてきました。ボディタイプは、3ドアや5ドアのハッチバックが主流ですが、世代によっては4ドアセダンも設定。また、クーペやワゴンなどの派生モデルも展開され、豊富なバリエーションを誇ります。
2代目から7代目までのシビックには、それぞれ「○○シビック」という愛称が付けられており、多くの人々に親しまれてきました。特に3代目の「ワンダーシビック」や4代目の「グランドシビック」は、中古車市場でも根強い人気を誇ります。
また、シビックは歴代モデルにさまざまなスポーツグレードが設定されているのも特徴。現在ではホンダの高性能スポーツモデルの代名詞となった「タイプR」をはじめ、「Si」や「SiR・SiR2」などが特に有名です。
これらのモデルには、高回転域まで気持ちよく吹け上がるエンジンが搭載されており、ホンダ車のスポーティーなイメージを確立しました。さらに、エンジン性能だけでなく、ドライバーに「クルマを操る楽しさ」を提供するサスペンションセッティングなど、ホンダならではの技術が随所に盛り込まれています。
初代シビックは5ナンバーサイズの小型車として誕生しましたが、モデルチェンジのたびにボディサイズが拡大。他メーカーの車種と同様に成長を続け、現行モデルでは全長4500mm、全幅1800mmを超えるビッグサイズへと進化しました。
歴代モデルに採用されていた自然吸気(NA)エンジンは、スムーズな加速感が魅力でしたが、現行モデルではターボエンジンを採用。これにより、低回転域から豊かなトルクを発揮し、日常での扱いやすさが大幅に向上しています。
2010年に8代目シビックの販売が終了すると、9代目モデルは日本市場では販売されず、海外専用車となりました。これにより、日本国内ではしばらくシビックの新車販売が途絶えることになります。
しかし、2017年に国内販売が再開され、10代目シビックが登場。このモデルではハッチバックとセダンの2種類のボディタイプが設定され、それぞれ1グレードのみのシンプルな構成が採用されました。
2021年には11代目シビックの販売が開始されます。このフルモデルチェンジでは「爽快シビック」というコンセプトを掲げており、スポーツ走行だけでなく、日常のあらゆるシーンで軽快な走行感を楽しめるシビックに仕上げています。
シビック EX
装備を充実させた上級仕様「シビック EX」
特にシートの仕様をはじめとする内装の仕上げが異なり、より充実した装備が備わっているのが特徴です。これにより、シビック本来の運転の楽しさに加え、快適なドライブを実現しています。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:予算目安>
2021年式:259万円〜350万円
2022年式:239万円〜366万円
2023年式:289万円〜390万円
2024年式:327万円〜372万円
2025年式:374万円
シビック EXは近年登場したグレードであるため、まだまだ価格はこなれてきているとはいえません。しかし高年式ゆえに基本的に極上車が多い傾向となるため、新車より極上の中古車を選ぶのもひとつの選択肢です。
先代モデルとの比較
2021年に登場した11代目シビックのグレードのひとつであるシビック EXは、「爽快シビック」をコンセプトに掲げ、運転の楽しさを重視したモデルです。特に、現代の車では設定が少なくなったマニュアルトランスミッションを選択できる点からも、そのこだわりが感じられます。
同時期に発売されたLXとの主な違いは装備面にあり、エクステリアでは切削加工が施されたアルミホイールを採用。インテリアでは、運転席だけでなく助手席にもパワーシートを装備し、快適性を向上させています。さらに、BOSEプレミアムサウンドシステムやワイヤレス充電器、プラズマクラスター搭載フルオートエアコンなど、上質な装備が充実しているのも特徴です。
エンジンは、1.5L水冷直列4気筒DOHC16バルブターボ、最高出力182ps。ボディサイズは全長4560mm×全1800mm×全高1415mmです。
人気のあるカラー
・クリスタルブラック・パール
・プラチナホワイト・パール
・シーベッドブルー・パール
・ソニックグレー・パール
・プレミアムクリスタルレッド・メタリック
この中では、上品な輝きを放つ白の「プラチナホワイト・パール」が人気です。
シビック LX
シンプル装備で価格を抑えた「シビック LX」
主な違いはシートやオーディオシステムなどの快適装備にあり、必要な装備を押さえつつコストパフォーマンスに優れたモデルとなっています。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:予算目安>
2021年式:259万円〜350万円
2022年式:239万円〜366万円
2023年式:285万円〜390万円
2024年式:297万円〜373万円
2025年式:374万円
シビック EXもLX同様に、発売よりそれほど期間がたっていないため、流通台数はそれほど多くありません。しかしながら状態のよい車両が多いため、こちらも新車購入に変わる選択肢のひとつとするのもよいでしょう。
先代モデルとの比較
シビック LXは、2021年にEXと同時に登場した11代目シビックのベースグレードです。エンジンやボディ、サスペンションはEXと共通のため、走行性能に大きな違いはなく、高い走りの質感を維持しています。
エクステリアはロングノーズのハッチバックスタイルを採用し、18インチの大口径ホイールを装着。シャープさと力強さが融合したデザインが、スポーティーな印象を与えます。インテリアはグレーのシートを基調とし、開放感のある明るい空間を演出。さらに、デジタルグラフィックメーターを採用することで、機能性と視認性が向上しています。
さらに、運転支援システム「Honda SENSING」を標準装備しており、安全性にも優れています。このようにシビック LXは、走行性能と機能性のバランスに優れた、新世代のシビックといえるでしょう。
エンジンは、1.5L水冷直列4気筒DOHC16バルブターボ、最高出力182ps。ボディサイズは全長4560mm×全1800mm×全高1415mmです。
人気のあるカラー
・クリスタルブラック・パール
・プラチナホワイト・パール
・シーベッドブルー・パール
・ソニックグレー・パール
・プレミアムクリスタルレッド・メタリック
この中では、艶のある深い黒の「クリスタルブラック・パール」と、上品な輝きを放つ白の「プラチナホワイト・パール」が人気です。
シビック タイプ R

高いスポーツ性を実現させた「シビック タイプR」
エンジンやサスペンションに専用のチューニングを施すことによって、高いスポーツ性を実現させています。また、タイプR専用装備の空力パーツやシート、ステアリングなどが、レーシーな雰囲気を醸し出しているのが特徴です。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:予算目安>
1997年式:235万円~325万円
1998年式:233万円~623万円
1999年式:263万円~506万円
2000年式:243万円~420万円
2001年式:流通量希少により算出不可
2002年式:118万円~236万円
2003年式:248万円~255万円
2004年式:155万円~303万円
2005年式:120万円~200万円
2006年式:流通量希少により算出不可
2007年式:175万円~490万円
2008年式:210万円~538万円
2009年式:96万円~520万円
2010年式:107万円~563万円
2011年式:189万円~316万円
2012年式:流通量希少により算出不可
2013年式:流通量希少により算出不可
2014年式:流通量希少により算出不可
2015年式:流通量希少により算出不可
2016年式:275万円~495万円
2017年式:398万円~477万円
2018年式:339万円~582万円
2019年式:365万円~584万円
2020年式:599万円
2021年式:459万円~652万円
2022年式:500万円~671万円
2023年式:564万円~680万円
2024年式:570万円~750万円
2025年式:609万円~656万円
純粋な中古車としての予算の目安は上記のとおりですが、なかには未走行のものや限定車などが流通することもあります。このような車両は、通常の中古車相場を大きく上回るでしょう。
先代モデルとの比較
シビック タイプRの初代が、EK9型とよばれるモデルです。年式としては20年以上前のモデルになるので、中古車も走行距離10万kmオーバーのものがほとんど。また、スポーツモデルとしてシートやサスペンションなどが交換されたものが多いため、ノーマル状態のものを探すのは難しいでしょう。
エンジンは1.6L直列4気筒最高出力185ps。ボディサイズは全長4180mm×全幅1695mm×全高1360mmです。
第2世代:2001年~2005年
フルモデルチェンジで登場したEP3型は、エンジンの排気量が上がりパワーアップされています。年式や走行距離によって価格は異なりますが、100万円を切る価格で購入できるものもあるようです。
エンジンは2L直列4気筒最高出力215ps。ボディサイズは全長4135mm×全幅1695mm×全高1430mmです。
第3世代:2007年~2010年
先代から期間をおいて登場した第3世代のFD2型は、初めて3ナンバー化されたのが大きな特徴です。このモデルも人気が高く、年式や走行距離の割に中古車価格は高め。
エンジンは2L直列4気筒最高出力225ps。ボディサイズは全長4540mm×全幅1770mm×全高1430mmとなっています。
第4世代:2015年~2016年
FK2型と呼ばれる4代目は、これまでのモデルと違い初めてターボエンジンが搭載されています。中古車価格には多少ばらつきがありますが、走行距離や年式に相応した価格です。
エンジンは2L直列4気筒最高出力ターボ最高出力310ps。ボディサイズは全長4390mm×全幅1880mm×全高1460mmです。
第5世代:2017年~2022年
FK8型という形式の現行モデルです。プラットフォームの開発時からタイプRを意識して設計されているので、高い走行性能を誇ります。現行モデルなので価格は高めですが、年式相応といえるでしょう。
エンジンは2L直列4気筒ターボ最高出力320ps。ボディサイズは全長4560mm×全幅1875mm×全高1435mmです。
第6世代(現行モデル):2022年~
現行モデルのシビック タイプR(FL5型)は、さらなる速さと運転の楽しさを追求した一台です。
エンジンは先代FK8型と基本構造を共有しながらも、ターボチャージャーの刷新により出力向上と扱いやすさを両立。さらに、ラジエーターの効率化によって冷却性能を向上させ、耐久性も強化されています。ボディは軽量化と高剛性化が施され、タイプRにふさわしい強固なベースが確立されました。
サスペンションはフロントにストラット、リアにマルチリンクを採用し、路面追従性を高めることで安定性を確保。さらに、ミシュランと共同開発した265/30ZR19サイズの専用タイヤを装着し、ホイールは先代から約3kgの軽量化を実現しました。
これらの改良により、シビック タイプRは究極のFFスポーツへと進化を遂げたといえるでしょう。
エンジンは2.0L水冷直列4気筒DOHC16バルブターボ、最高出力330ps。ボディサイズは全長4595mm×全幅1890mm×全高1405mmです。
人気のあるカラー
・クリスタルブラック・パール
・ソニックグレー・パール
・フレームレッド
・レーシングブルー・パール
・チャンピオンシップホワイト
シビック タイプRでは、「チャンピオンシップホワイト」の人気が圧倒的に高いです。ホワイトはどんな車種でも無難な選択として人気の高い色ですが、タイプRではホワイトがイメージカラーとして定着しています。次に人気があるのは、レーシーな雰囲気をもつ「クリスタルブラック・パール」です。
シビック タイプR ユーロ
イギリスから輸入された台数限定の「シビック タイプR ユーロ」
また、質感を高めるエクステリアの加飾がなされています。アウトバーンやワインディングロードなど、ヨーロッパのさまざまな道路環境の下でも一体感と安心感をもち、洗練された速さを追求するという想いが「ユーロ」の名前に込められているのです。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:予算目安>
2009年式:96万円~234万円
2010年式:107万円~284万円
2011年式:133万円〜325万円
2012年式:流通量希少により算出不可
タイプR ユーロは、2009年モデルと2010年モデルのみの展開ですが、一部2011年以降に新規登録されたものもあります。販売される中古車は5万km~10万km以上走行した車両が多いですが、走行距離が2万km~3万km程度のものは比較的高値で取引されているようです。
先代モデルとの比較
2009年~2010年にイギリスから台数限定で輸入されたタイプR ユーロはその名のとおり、ヨーロッパ仕様のシビックをベースに走行性能を高めるチューニングがなされています。ヨーロッパのワインディングロードを走りきるためにボディ剛性がアップ、特にねじれ剛性が徹底的に強化されていたのが特徴です。また、ザックス製ショックアブソーバーの採用をはじめ、サスペンションも専用にセットアップされており、さらに空力性能も向上されているため高い操縦安定性を誇ります。
同年代のタイプRと比較するとより低回転域で最大トルクを発生するエンジンは、実用回転域での使い勝手が高いものになりました。走りへの情熱を募らせる車内空間も充実しており、ブラックを基調としたインテリアに施される赤のアクセントは、ドライビングに対する愛情を高めドライバーを心地よく包み込んでいます。また、専用開発されたシートは高いホールド性能をもつとともにアルカンタラ素材の高い質感も特徴的です。
2万km程度の走行距離のものから15万kmを超えて走行しているものまで、タイプRユーロの流通している中古車のコンディションは様々なので、価格も走行距離に比例して上下しています。
エンジンは2L直列4気筒最高出力201ps。ボディサイズは全長4270mm×全幅1785mm×全高1445mmです。
人気のあるカラー
・クリスタルブラック・パール
・ミラノレッド
・チャンピオンシップホワイト
特に「チャンピオンシップホワイト」は、タイプRのイメージカラーともいえる色であり、どんな車種にでも合う無難な選択として人気が高い傾向にあるようです。また、タイプR ユーロについては「ミラノレッド」の中古車も比較的多く流通しています。
シビック SI
「シビック SI」は高い走行性能を誇るグレード
名機と謳われた1.6L直列4気筒DOHCのZC型エンジンが搭載され、そこに電子制御式燃料噴射システムのPGM-FIが組み合わされることで、高い走行性能を誇りました。また、全日本ツーリングカー選手権でも用いられた車種として、若者や走りを追求するドライバーなどに人気の高かったモデルです。
中古で購入する際の目安となる予算
先代モデルとの比較
SIの第1世代モデルに用意されたインテリアは実にシンプルなデザイン。当時のホンダ車に多く採用されたトレー上のインパネは、現代の車種と比べると質素な印象を受けますが、それがかえってスパルタンでスポーティーな雰囲気を醸し出しています。
昭和時代に新車販売されていた車種のため、現在流通している中古車ほとんどありません。その分、状態の悪い車両は淘汰されていますが、こまめにメンテナンスをしながら乗るという前提で購入する必要があります。
エンジンは1.6L直列4気筒最高出力135ps。ボディサイズは全長3810mm×全幅1630mm×全高1340mmです。
第2世代:1987年~1989年
4代目の「グランドシビック」にも、スポーツモデルであるSIグレードが用意されていました。低めのドライビングポジションがもたらすスポーティーな運転スタイルが特徴です。また、ダブルウィッシュボーン式のサスペンションが採用され、高いコーナリング性能を誇ります。
1989年にシビックがマイナーチェンジを受けた際、搭載エンジンの変更とともにグレード名も「SiR」に変わったため、SIの名称は消滅しました。
30年以上前のモデルのため、中古車の走行距離は10万kmを大きく超えているものが多いです。旧車ならではのトラブル・部品の入手性も考え、購入の際は十分な車両チェックが求められます。
エンジンは1.6L直列4気筒最高出力120ps。ボディサイズは全長3965mm×全幅1680mm×全高1335mmです。
人気のあるカラー
・ホワイト
・ブラック
・USブラウン
中古車市場でもほとんど流通しておらず、人気色の傾向はつかめない状況です。
シビック 25X
どっしりとした印象と安定感を与えるデザインの「シビック 25X」
25Xのボディタイプは、当時のスタンダードだった3ドアハッチバックです。ワイド&ローを基調とするスタイリッシュなデザインは、どっしりとした印象と安定感を与えるものでした。グランドシビックの売れ筋グレードとして、当時は高い人気を誇っています。
中古で購入する際の目安となる予算
シビック SI同様、世代が古いグレードのため、中古車市場で条件に合う25Xを見つけるのはなかなか難しいでしょう。
先代モデルとの比較
シビック 25Xは、通称「グランドシビック」と呼ばれていた4台目シビックにのみ用意されていたグレードです。純粋なスポーティーグレードとは一線を画しますが、グランドシビックの特徴である薄型のヘッドランプが、スポーティーかつ知的な印象を醸し出しています。
搭載されるエンジンは、1.5L直列4気筒SOHCのD15B型。同時期に発売されていたSIグレードと比べるとおとなしい印象ですが、それでもその最高出力は100psを誇ります。また、新採用のダブルウィッシュボーン式サスペンションや910kgの軽量ボディとあいまって、その走行性能はなかなかあなどれません。組み合わされるトランスミッションは5速MTに加え、電子制御ロックアップ機能付4速ATの2種類が用意されていました。
装備は可倒式リモコンドアミラーやパワーウィンドウなど、当時販売されていた車種と同程度のものでしたが、当時は画期的だったサンルーフやパワーステアリングをオプションで装着できました。
新車が販売されていた当時は売れ筋グレードとされていましたが、生産終了から30年以上経った現在、その中古車はほとんどありません。見つけることができても、ボディのサビやエンジンのコンディションなど、通常の中古車以上にチェックすべきポイントは多いです。
エンジンは1.5L直列34気筒最高出力100ps(AT)~105ps(MT)。ボディサイズは全長3995mm×全幅1680mm×全高1335mmです。
人気のあるカラー
※本記事は、2025年2月時点の情報になります。現在の相場価格と異なる可能性がございます。