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更新日:2019.06.18 / 掲載日:2018.04.04
【日産】衝突事故時の双方の被害を最小化するゾーンボディ

グーネット編集チーム
ドライバー自身のみならず、事故相手の安全確保も目指して開発されたのが、日産のボディ技術であるゾーンボディです。
今回は、このゾーンボディがどのような仕組みで安全性を発揮し、その採用によってどのような効果が得られるかについて、詳しく解説をしていきます。
技術の日産自慢のゾーンボディとは
ゾーンボディとは、2002年に発売開始されたマーチに採用されて以降、日産が改良を続ける安全性の非常に高い、車体ボディ構造技術のことです。
車は常に他車両との衝突や、歩行者等との接触の危険を有していますが、単純に強固なだけでは、キャビンに乗る搭乗者と事故に遭遇した歩行者の安全を守ることはできません。
そして、技術や材質の違いこそあれどのメーカーの車体でも、以下のようにボディ構造が形成されています。
・柔軟性を保ち比較的破損しやすい、バンパーやボンネットなどといった部分。
・ハードな衝撃でも崩れにくい、剛性に優れたキャビンを包む部分。
日産ゾーンボディの場合、前者を「クラッシャブルゾーン」後者を「セーフティゾーン」と呼んでおり、詳細な仕組みや採用技術は以下の通りとなります。
クラッシャブルゾーン
ゾーンボディでは、大型のバンパーレインフォースが採用されており、衝突車両を押しながら潰れることで、キャビンへの衝撃を最大限少なくします。
さらに、ストレート構造に進化したフロントサイドメンバを支える三又構造が、残った衝撃をも3方向に分散し、キャビンへの伝達をブロックします。
セーフティゾーン
高強度材質をキャビンに採用したことに加え、クラッシャブルゾーンが潰れることで減少した衝撃を構成パーツ各所へ分散することで、乗員を守る高強度キャビンの変形を最低限にとどめます。
ゾーンボディがもたらす効果
ゾーンボディの採用は、衝撃の吸収と強固なキャビン構造との連携による、ドライバー自身の安全性が高まります。
加えて、クラッシャブルボディーの衝撃吸収能力は、相手車両に与えるダメージも併せて緩和してくれるため、加害者の立場にもなりえる車両同士の事故において、その心配を和らげてくれる効果が期待されます。
さらにこのゾーンボディでは、ドライバーが守るべき歩行者との接触も視野に入れ、クラッシャブルゾーンであるフロントバンパーに、衝撃緩和材を使用しています。
これにより、最初に接触する可能性が高い、脚部へのダメージの軽減が図られており、歩行者のみならず自転車やバイクとの接触時でも、事故相手の保護につながる効果が期待できます。
また、歩行者等との接触事故による頭部へのダメージについても、衝撃吸収率の高い素材をボンネットやフェンダーに採用しているため、死亡事故や後遺症を伴う重大事故を最小限に食い止めることが可能となっています。
こういった、ドライバー自身だけでなく相手車両運転者、及び歩行者等への加害性を低減させるための技術を有する車体は、「コンパティビリティ性能が高い車」と評価され、すべてのメーカーがその開発に尽力しています。
日産では、コンパティビリティ向上の根幹を担う、強さの中にやさしさを兼ね備えたこのゾーンボディを、様々なケースでの衝突実験を繰り返しながら、歩みを止めることなく進化させ続けているのです。