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更新日:2019.06.18 / 掲載日:2018.02.20
【日産】小さく燃費のいいターボとスーパーチャージャー技術について

グーネット編集チーム
1988年、小型大衆車として買いやすい価格帯が人気だったマーチに、2つの過給機を詰め込んだ上位グレード、マーチスーパーターボが追加・販売開始されると、車業界はそろって驚嘆の声を上げることになりました。
ここでは、日産が生み出したターボと、スーパーチャージャー技術についてお話しいたします。
ターボとスーパーチャージャーのいいとこどり!マーチスーパーターボの登場!
なぜ世間は、このマーチスーパーターボの登場にそれほど驚いたのかについては、まず過給機について説明をする必要があります。
エンジンに空気を多く送りその燃焼効率を上げ、パワーや燃費性能をアップさせる「過給機」には、以下の2つがあります。
・ターボ
排気ガスを排出する前にタービンに送り込み、コンプレッサーが回すことで空気を圧縮してエンジンへ送る。
・スーパーチャージャー
エンジンと連動し生まれた動力でコンプレッサー(圧縮機)を作動させ、高気圧を生み出しそれをエンジンに送る。
ただどちらも一長一短で、ターボは排気ガスがガンガン出始める高回転域では、燃焼効率がアップし出力が大幅にアップしたものの、低回転域では威力を発揮せず、低速走行時での燃費性能低下が課題でした。
一方のスーパーチャージャーは、ターボに比べると燃費性能に優れるものの、高回転域でのパワー不足が否めませんでした。
MA09ERTエンジンの登場
そんな中、登場したマーチスーパーターボに積み込まれたエンジン「MA09ERT」は、日本の自動車史上でも類を見ない、ダブルチャージを採用した量産エンジンだったのです。
このダブルチャージシステムは、ターボが働かない低回転域(スーパーチャージャーが活躍)、高回転域(ターボがパワーを発揮)というシステムであり、燃焼エネルギーを効率よく使用することで高い出力と、燃費性能の両立を図ることができました。
言葉にしてしまうと、簡単に聞こえてしまいますが、この両者を搭載するには高い技術力が必要であり、時代を常にリードしてきた、日産自動車だからこそ実現できたシステムです。
マーチスーパーターボの燃費性能とは
全回転域で高い出力を得られるうえ、燃焼効率が飛躍的にアップしたため、パワーの割に非常に高度な燃費性能を実現しました。
販売当時のカタログデータによると、10-15モードによる燃費性能は、12.2km/Lです。
110馬力という、現行マーチのノーマルグレードの79馬力を大幅に上回るパワーと、1980年代後半という販売時期から言えば、なかなかの高水準をキープしていたと言えます。
参考:
https://www.goo-net.com/catalog/NISSAN/MARCH/1502789/index.html
https://www.goo-net.com/catalog/NISSAN/MARCH/10110673/index.html