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更新日:2019.01.06 / 掲載日:2017.11.27
SACHSは86の切り札か!?
スペシャルコンプリートモデル

TOYOTA 86 GT“Yellow Limited エアロパッケージFT
【本記事は2015年9月にベストカーに掲載された記事となります。】86といえばすでにさまざまなモデルバリエーションがあるかと思いきや、何と! 今まで本家トヨタのスペシャルコンプリートモデルは存在しなかった。考えてみたらTRDやトムスでございますね。聞けば「とにかく納得の出来る仕上がりを目指しました」。もちろんTRDやトムスだって簡単な気持ちじゃ作っていない。ただ一段とプレッシャーを感じるということなんだと思う。はたして本家の味やいかに? 1台目のエアロキットなしモデル(イエローリミテッド)からコースイン。するとどうよ! よい!
ヨーロッパのダンパーみたいな動き

イエローリミテッド 中身はノーマルながらショーワのダンパーが進化し、初期モデルとは段違いのいい乗り味になった
86はショーワ製のダンパーを使っているのだけれど、改良型をドンドン提案してくるのだという。現在販売しているC型はB型と特性を変えているというが、今回早くも新しいスペックになっているそうな。開発担当者に聞いてみたら「ショーワが驚くほどよくなっています。ヨーロッパのダンパーみたいな動きをしてくれるようになりました」。確かにハンドル握ると「いいね!」。サスペンションがチャンと動いています。乗り心地も良好だ。また、ミシュランの17インチタイヤ(プライマシーHP)を組み合わせているため、86の持ち味であるパワースライドに持ち込める。私としては86にハイグリップタイヤを組み合わせることを好まない。チーフエンジニアの多田さんのスタイルである「自由自在にコントロールできるバランス」こそ、このクルマの魅力です。と思いつつエアロキット付きの86を見ると、やっぱしカッコイい。30歳代のなかには羽根嫌いがいるけれど、私の世代、どんなクルマにでも羽根が欲しくなる。
ザックスはさらに繊細でしなやか

ニュルブルクリンクサーキットでもテストしたザックスのダンパーを装着。スプリングは変わらず、ローダウンになってはいない
ザックスはさらに繊細でしなやか続いてエアロキット付きのエアロパッケージFTを試す。こちらはザックスのダンパーが付く。韓国工場の生産となるが、本国から技術者を呼んで最終仕上げまで行ったという意欲作。コースインすると、乗り味まったり! 微少の入力でしなやかに動くため18インチタイヤ(ポテンザS001)を履いていてもまったく乗り心地悪くない。ショーワの17インチも頑張っているが、ザックスは18インチで同等の乗り心地を実現している。やはり日本車の乗り心地悪いの、ダンパーのせいです。このことは自動車メーカーも充分知っているのだけれど、調達部門の意向は大きい。ちなみに韓国ザックスはコスト的にも国産上級ダンパーとほぼ変わらないというので、今後、拡大採用されるかもしれません。
絶対的なハンドリング

ステアリングホイールやメーターバイザー、シフトブーツにイエローステッチが入る
トヨタがザックスを使うようになると、ライバルメーカーも相当頑張らないとアカンです。絶対的なハンドリングは17インチ仕様の限界をそのまま引き上げた感じ。グリップ高いタイヤ履くのに、粗っぽいクルマに感じないあたりがすばらしい。絶対的なバランスは、若干パワーが足回りに負けている感じ。わかりやすく書くと、あと20馬力くらいあったらちょうどいいかもしれません。限界を引き上げただけだと、やっぱり「楽しさ」が足りなくなってしまう。とはいえエアロキット付きのザックスも何とか自由自在にテールスライドを楽しめるようになっている。さすが本家で仕上げたクルマだけあり、やんちゃスポーツモデルとひと味違う奥深さになっている。やっぱり86は乗って楽しいです。