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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.27
ベストカーの秘密兵器あのガンさん74歳がメルセデスベンツAMG GTに乗る!
嫌みがない
【本記事は2015年6月にベストカーに掲載された記事となります。】意外に思う読者も多いかもしれないが、黒澤元治氏、愛称ガンさんはメルセデスベンツの走りのパフォーマンスについて詳しく知る、日本でも有数の評論家である。過去、ブリヂストンがポルシェ社から承認タイヤの認証を受ける時の開発はもちろん、その後日本仕様のメルセデスベンツ車のセッティングに関してもアドバイザー的役割を果たしてきた。なにより昨年までメルセデスベンツのジャパンワークスともいうべきSLS AMGでスーパーGTのチーム監督を務め、今でも深くかかわっている。そのガンさんに今回の新しいAMG GTSについて語ってもらおう。「今回のAMG GTは写真では見ていて、実車は初めて見たけど、ロードバージョンだからちょっと大人しいように見えた。でも嫌みがなくてかえって好感が持てる。
剛性と軽量化

エンジンは最強だったSLS用V8、6.2Lから新開発の4Lターボへと変更。パワーはGTが462ps、GTSが510ps
このAMG GT/GTSについてひと言でポイントを指摘すると、剛性と軽量化だと思うそのためにいろいろな進化があった。まず軽くしなければならないが、高額なフルカーボンのクルマを作るわけではない。アルミを中心とした素材を使っていかに剛性と軽量化を達成するかが課題だった。結果としてGTが1580万円。その価格で同じようなスポーツカーを日本のメーカーが作ろうとしても無理。その価格でこの性能を得たのは凄いことだといっていい。新開発V8、4Lエンジンはブロックの作り方から変えて重さは209kgしかない。砂型鋳造技術を使ったアルミクランクケースで剛性と性能を両立しているのもあるし、ターボもVバンクの上に2個のせて、エンジン高を下げるなど、いろんな手を使っている。

ミッション/デフはトランスアクスルで重量バランスもいい。フロントが47でリアが53。よく50対50がいいというけれど、フロントが軽いほうがいい。このあたりをよくわかっている。今は昔と違って減速Gが大きいからリアに荷重がある程度あったほうがいいのだ。実際に走って感じるのは2つのポイントだった。ひとつはレスポンス。そしてもうひとつはプレシジョン(正確性)。このあたりは量産スポーツとしては世界一といってもいいと思う。アクセルペダルの動き、ブレーキペダルの動きにクルマが思うように反応し、その反応がきわめて正確。これがメルセデスAMGの本物の実力だと思った」