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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.27
Xアーバン追加で魅力アップのアクア 燃費もアップしたのか?
箱根駅伝と同じコースを新型アクアのXアーバンで走った。

【本記事は2015年2月にベストカーに掲載された記事となります。】今年も激戦が繰り広げられた箱根駅伝。その同じコースを新型アクアのXアーバンで走った。実はこのコース、昨年もMC前のアクアGで走っており、参考データとしてアクアG(オプション装着で車重1090kgを超えたためJC08モード燃費は33.8km/L)があり、同じJC08モード燃費のXアーバンがどの程度の燃費を達成するか気になるところだ。号砲一発、大手町の読売新聞社前をスタート!
視界が開け運転がしやすくなった印象

Xアーバンのインテリアは写真のシルバー(上)かオレンジ(下)のどちらかがアクセントとして入る
さてテストしたのは’14 年も押し迫った12月17日。冬晴れのなか、国道1号(日比谷通り)を西に向かう。アクアに新たに設定されたXアーバンは33パターンのボディカラーを持ち、目立つ色はとにかく目立つ。駅伝のユニフォームも目立つところは目立つが、今回試乗したオレンジパールクリスタルシャイン×ブロンズマイカメタリックの組み合わせも、はっとするほど明るいカラーだ。アクアはたくさんのカラーから選べることが魅力だが、Xアーバンが加わったことでさらにバリエーションが広がった。Xアーバンは16インチの専用アルミホイール&タイヤに加え、フロントグリル、フロントバンパースポイラー、サイドマッドガード、リアバンパースポイラー、ルーフモールが装着される。大径タイヤにあわせてサスペンションもチューニングされ、重心高や乗り心地の悪化はまったく感じない。むしろ最低地上高が20mm上がったことで、視界が開け運転がしやすくなった印象だ。
大健闘

三菱自動車本社前を曲がって国道15号に入る。師走とあって道路は混んでいるが、アクアXアーバンの燃費計は20km/Lオーバーの燃費を稼ぎ出す。特に燃費にこだわっているわけではなく、急発進や急加速はせず、流れに任せて走っていく。途中、大森から蒲田間が信号が多く渋滞もひどいが、その後はスムーズに走り鶴見中継所に到着。この間21.3kmで24.3km/Lを記録。昨年のアクアGが24.8km/Lだったから少し悪い。しかし勝負はまだまだこれからと気を取り直し、戸塚中継所を目指す。ここは往路のエース区間といわれ、細かなアップダウンがあるうえ、長い上りとなる権太坂がある。クルマにとってもきつく、また渋滞も多発する難所だが、この区間23.1kmを23.7km/Lでまとめた。前回は25.9km/Lだったから、かなり悪いが、保土ヶ谷駅付近が事故渋滞もあって混んでいたことを考えれば大健闘といえる。

国道1号線の最高地点は標高874m。5区の中継地点の小田原市の標高は10mだから、上りがいかにきついかがわかる。アクアはエンジン&モーターのパワーで駆け上がりながら、モーターにしっかりと蓄電していく
第3区は戸塚~平塚間でやや下り。交通量も少なくなり、信号も少なくなって快走できる。燃費計は30.7km/Lと驚く数字だが、昨年は32.5km/Lとその上を行っているから唖然。第4区もフラットな海沿いを走るコースだが、今回は爆弾低気圧の影響で、10m近い風が吹き、しかも向かい風。これは車高の高いXアーバンには不利な結果となることが予想されたが案の定、25.3km/Lと昨年の29.6km/Lをかなり下回ってしまった。それでも最大のポイントである箱根の山登りで勝てばいいやと意気込んで、第5区の小田原中継所をスタートした。さすがに標高10mから最高地点の874mまでつづら折りを上っていくのは運転するほうもきつい。途中燃費計は12.8km/Lと苦しい数字を計測するが、下りになって持ち直し、この区間15.8km/Lでフィニッシュ! 残念、昨年は16.4km/Lだから、この区間も負けてしまった。総合結果として往路は108.5km走り、22.1km/Lという結果だった。昨年のアクアGは23.8km/Lだったから1.7km/L引き離されてしまった。JC08モード燃費は同じ33.8km/Lながら、Gに負けた原因は、タイヤが175/60R16となり、若干転がり抵抗が増したことや車高が上がったことで空気抵抗が悪くなったことなどが挙げられるが、JC08モード燃費の達成率で見れば70.4%と65.4%と5%の違いになり、大差ないともいえる。むしろ、ノーマルのアクアよりもアイポイントが高く、注目度が高かったXアーバンのほうが、運転していてずっと楽しく、気持ちよかったという印象だ。
走りは進化したのか?

箱根駅伝往路総合成績アクアX アーバン 22.1km/LアクアG 23.8km/LフィットS 21.7km/L(2台は昨年のテスト時のもの)
走りは進化したのか?(Text/鈴木直也)不動のベストセラーカーとして、アクアの販売状況に不安はないが、売れているがゆえに飽きられるってこともある。今回のマイチェンで追加されたXアーバンは、そんな「ひと味ちがうアクアに乗りたい」というニーズに応えたバリエーション。流行りのクロスオーバーSUVテイストでドレスアップしたことで、見た目の“鮮度”はかなりリフレッシュしている。ただし、出で立ちは一見クロスオーバー風だが、機能的には20mm地上高を上げてワイドなタイヤを履かせただけ。もちろん、4WDも用意されないから、走りの面では標準車とほとんど変わりはない。そんなわけで、走りにはあんまり期待しないで試乗してみたのだが……。実際に走り出してみると、コレが予想に反してイイ!印象的だったのは、長年にわたってトヨタ車の欠点ともいえるヒョコヒョコ落ち着きのない乗り心地が、「何コレ? ずいぶんしなやかになったじゃん!」と、驚きの声がつい口をつくほど改良されていること。ここ1~2年、トヨタ車のマイチェンモデルに乗るたびに、この辺の質感アップはジワジワ進んできてはいたが、アクアXアーバンについては、ワンランク車格アップしたかのような進歩。それだけで顔がほころぶ。聞けば、今回の改良はダンパーやブッシュ類など足まわりだけにとどまらず、ボディのスポット増しなど、さらに一歩踏み込んだ作業を行っているとのこと。これと、やや踏面のソフトな16インチダンロップ・スポーツの特性が上手くマッチして、走りのクォリティがググッとアップしたようだ。欠点としては、大径タイヤを履いたことで、最小回転半径がかなり大きくなったこと(標準4.8mに対して、Xアーバンの175/60R16仕様は5.4m)。撮影中狭いラウンドアバウトでUターンする際、ちょっと難儀させられた。しかしまぁ、デザイン優先ならソレもよし。カッコよくグレードアップしたバリエーションとして、Xアーバンは人気を集めるんじゃないかと思います。