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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.28
BMW MINI国内初試乗!! 国産ライバルと大激戦
進化したMINI

【本記事は2014年9月にベストカーに掲載された記事となります。】出逢いは東京モーターショーin2001でした。BMWの初代のミニとなるR50にひと目惚れしまして。それを7年間で約9万km乗った後、悩みに悩んだ挙句、結局2世代目となるR56に乗り替えて、そして現在も所有中。たぶん、いや間違いなくワタクシ、業界中でいちばん長くBMWミニに乗っているのであります。ちなみにグレードは、R50がクーパーのCVT、そしてR56はワンの6MT。だからこそ、新型F56のミニワンの上陸が待ち遠しかったんですよ。だって、そりゃもうその進化っぷりが気になるじゃないですか。しかも私のワンは、マイナーチェンジ前のモデル。なので、エンジンは1.4Lです。ちなみにクーパーは1.6L、クーパーSは1.6Lターボ。ところがマイナーチェンジで、ワンまで1.6Lになっちゃって、そりゃもう驚いたのなんのって。エンジンの排気量まで変わっちゃうマイナーチェンジなんて、そうそう聞かないですからねぇ。
元気がイイエンジン

直噴1.2L DOHCターボ、102ps/18.4kgm
今回はフルモデルチェンジということで、そのあたりの覚悟はできてましたが、クーパーは1.5Lターボ、クーパーSは2Lターボなのに対し、ワンは驚きの1.2Lターボを搭載。またもやマイナーチェンジで、1.5Lターボにするなんていうことがなきゃいいけど……。まぁ今回はそんな心配、取り越し苦労に終わりそうです。というのもこのエンジン、かなり元気がイイんですよ。今回の試乗車は6ATモデルでしたが、80km/h時で2000rpm、100km/h時で2500rpmといった具合。低回転時からググッとパワーが出て、高回転域までキレイに回る扱いやすいエンジンに仕上がっていました。もともとミニのエンジンセッティングは、高回転重視なのですが、そのなかにあって低回転域もしっかりしているのが特徴といっていいでしょうね。ところが、たまに気になる症状が……。Dレンジに入れっぱなしで2速にシフトアップされた際、思った以上にグワッと力が出て、ドタバタしてしまうシーンがあるんです。実はクーパーSにも似たような症状が見受けられたので、ターボが効き始めるタイミングと、ATのシフトアップのタイミングが、絶妙に悪い出会いで重なっちゃう時があるのかも……。まぁほどなくECUの改良ですぐに直っちゃうと思うので、別段心配はしてないんですけどね。それよりも基本、エンジンのパワフルさに感動しておくのが正解です。
ミニドライビングモード

今回はオプションのミニドライビングモードが装着されていましたが、街中ならGREENで十二分。ガソリン価格高騰中のご時世、ミニマリズムに走れること請け合いでしたから。そうそう、オプションといえば、ダイナミック・ダンパー・コントロールも装着されていました。ところが最初は、本当に付いてるの? と疑っちゃったくらい変化ナシ。以前試乗したクーパーやクーパーSでは劇的に変化したんですけど、はてさてどうしたものか……?

試乗車はオプション設定の16インチのランフラットタイヤを装着。標準15インチとの違いが気になる
その原因は、どうやらタイヤにあったようです。今回オプションの16インチのランフラットタイヤが装着されてましたが、これが予想以上にガッチリしているおかげで、その差がわかりにくかったんですね。個人的にはワンには15インチのノーマルタイヤのマッチングのほうが、しっくりくると思います。素性のよい足回りが持つ、ビシッとした直進安定性、スッキリとしたリニアなハンドリング、後ろ足が粘るように曲がっていくコーナリング時のグリップ感がもっと生かせるようになり、わだち取られのようなステアフィールや、ステアリング振動なんかもスッパリ減るハズ。いま一度、ノーマルタイヤで乗ってみたいところですね。というのも、特にコーナー進入時などの微少舵角のパワステフィールなんかは、少々クイックさが際立ちすぎなクーパーよりも、リニアリティがあって扱いやすいし、あのガッチリタイヤのわりには乗り心地はよかったので。きっと、ノーマルタイヤならかなりバランスの取れた1台になっているんじゃないかと思うんですよね。私のミニ人生、この先も続くのかどうか、今後の動向を決めるためにも、改めて見極めたいと思います。
価格も手ごろなベーシックミニ

選ぶならどれ・・・・・・
価格も手ごろなベーシックミニTEXT/編集部新登場のミニワン。ボディサイズはクーパーと同じ全長3835×全幅1725mm。全長は多くの国産コンパクトカーより短いものの、全幅で3ナンバーとなる。クーパーSは全長が25mm長いが、トランク容量は3グレードとも211Lで同じ。ワンとクーパー系との大きな違いはエンジンとボディカラー。ともに基本色はホワイトかオレンジだが、オプションカラーがワンは6色、クーパー8色、クーパーSは9色が設定され、ワンはホワイトルーフ、ブラックルーフがオプションでも選べない。ボンネットのストライプもクーパー系だけにオプション設定となる。ワンは175/65R15タイヤにスチールホイールが標準装備で、15~18インチのタイヤ&アルミホイールがオプション設定される。ステアリングは、ワンが2本スポークでクーパー系は3本のスポーツタイプ(ワンはオプション)。オプション設定が多いのも新型ミニの特徴といえそうだ。
クーパー、クーパーSと走りはどう違うんだ!?

クーパー、クーパーSと走りはどう違うんだ!?
クーパー、クーパーSと走りはどう違うんだ!?さて、まず3代目ミニ全体としていえるのは、初代がとにかくゴーカートフィーリングでガチガチだったのに対し、2代目はそれを反省したかのように極端にコンフォートに振られ、今度はそれじゃパンチが足りないとでもいわれたのか、その中間よりもやや初代寄りの味付けになっているということですね。そのなかでも、やはりワンはいちばんソフトテイストな2代目寄り。前述したランフラットタイヤのことを差っ引いても、そのテイストが窺えます。続いてクーパーは、いちばん初代ミニ寄り。ミニらしさが好きという方には、このカタサこそしっくりくることでしょう。そしてクーパーS。これがガラリと性格付けが変わったんですよ。2代目までは、何もそんなに突っ張らなくても? というガチガチテイストでしたが、今回は上品さを目指したご様子。クーパーがカジュアルなら、クーパーSは極端にいえばエレガントといいたくなる、しなやか方向に振られているんです。これ、実はエンジンも然り。BMWはミニブランドとBMWブランドのエンジンやシャシーなどの共用化を進めていくと話していますが、クーパーSの2Lターボは、アクティブツアラーに搭載される予定があります。そのせいか、今までのクーパーSに見られたような突き抜け感がないんですよ。もしかしたらそこは(※)JCWに取ってあるのかもしれませんが、パワーの余剰ぶんをゆとり方向に持っていくという、プレミアムカー的な作り方がなされているんです。逆にBMWi8と基本共通のエンジンを積むクーパーは、はち切れんばかりの元気そのもの。ワンも然りです。結果として、いちばんミニらしいのがクーパー、街中メインのセッティングを持つのがワン、GTツアラー性能を強めたのがクーパーSといった感じ。これまでのスポーティ度の差とは違った棲み分けになってます。※ジョン・クーパー・ワークス