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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.28
レクサスの最新モデルNXは二刀流SUV
レクサスNXも二刀流

2L直噴ターボ搭載のレクサスNX200t 2.5L+モーターのハイブリッド搭載のNX300h
【本記事は2014年9月にベストカーに掲載された記事となります。】レクサスのブランニュープレミアムSUVのNXの北米モデルのプロトタイプ試乗をBCでもすでに掲載したが、7月29日に日本で正式発表された。プロ野球界では、北海道日本ハムファイターズの大谷翔平選手がピッチャーとバッターの両方で出場するという二刀流にチャレンジして注目されているが、レクサスNXも伝家の宝刀であるハイブリッドに加え、トヨタ初のダウンサイジングターボという切れ味のいい刀を携えて、今激戦区のプレミアムコンパクトSUVマーケットでイニシアチブを握るべく二刀流に挑む。野球とクルマ、ジャンルは違えど、この二刀流がNXの大きな魅力なのは間違いない。
グレード

■2L直噴ターボ ■総排気量:1998cc ■最高出力:238ps/4800~5600rpm ■最大トルク:35.7kgm/1650~4000rpm ■JC08モード燃費/12.4~12.8km/L ■2.5Lハイブリッド ■総排気量:2493cc ■最高出力/最大トルク:152ps/21.0kgm ■システム出力:197ps ■JC08モード燃費/19.8~21.0km/L
■グレード2Lターボ搭載モデルがNX200t、2.5LハイブリッドがNX300hで、どちらも装備の違いにより標準、Iパッケージ、Fスポーツ、バージョンLが設定され全部で8グレードというラインアップ。
ボディサイズ

RX 兄貴分のRXはモデルが古くなっていることもあるが、NXの存在感が際立つ
■ボディサイズNXは全長4630×全幅1845×全高1645mm。全幅が1845mmもあってどこがコンパクトなんだ、とお叱りを受けそうだが、これはフルサイズSUVに比べてという話で決して小さいわけじゃない。しかし、前述のとおりこのクラスはメルセデスGLA、BMW X1/X3、アウディQ3/Q5、そして同門のトヨタハリアーハイブリッドなどなどそれぞれがキャラも豊富で百花繚乱。NXのサイズは、BMWX1、アウディQ3、メルセデスベンツGLAよりは大きく、X3、Q5よりはナローに仕上げられている。ハリアーは全車中全長が最も長いのが特徴だ。
エクステリアデザイン

片側にL型の高輝度のLEDを3個組み込んで特徴的な光り方を実現。細かなLEDを合わせると両方で78個配合!
■エクステリアデザインNXのベースは昨年のフランクフルトショーでワールドプレミアされたLFNX。これは仰々しいまでの非現実的なデザインだったが、シャープかつ特徴的なエッジなど、LF-NXのデザインテイストが随所に盛り込まれ、躍動感のあるものに仕上げている。ライバルに対して存在感は負けていない。実はエクステリアも二刀流となっていて、ヘッドライトは新開発のL型に光るLEDユニット(左右合計で78個のLEDを使用)とプロジェクタータイプのLEDの2タイプを用意。それからエキゾーストは、ターボのデュアルマフラーカッターに対し、ハイブリッドはマフラーは表に出ていないデュアルアンダーフィンをそれぞれ採用し、それが個性になっている。基本は横桟グリルとなるが、Fスポーツはお決まりのメッシュグリルで押し出し感が強調される。
パワートレーン

写真上がターボで下がハイブリッドのメーターパネル。ターボはスポーティ
■パワートレーンNXが二刀流と言われるゆえんは、新開発の2L直噴ターボ(8AR-FTS)と2.5L、直4ハイブリッド(2AR-FXE)の両方をラインアップしているから。ライバルではアウディQ3が同じ二刀流、BMWX3がターボとディーゼルターボとそれぞれ二刀流となっている。スペックはターボの8ARFTSが238ps/35.7kgm、ハイブリッドの2AR-FXEのシステム出力が197ps。気になるJC08モード燃費はハイブリッドが19.8~21.0km/L、ターボが12.4~12.8km/L。パワートレーンについて、ライバルと比較すると、ハイブリッドはハリアーハイブリッドには若干劣るものの欧州プレミアム勢を圧倒。しかしターボは標準的で可もなく不可もなく。最後発ゆえ、燃費面でもう少しインパクトが欲しかった、というのがスペックを見ての感想だ。トランスミッションは、ハイブリッドがおなじみの電気式無段変速装置(CVT)で、ターボは6ATとなる。
駆動方式

ターボとハイブリッドはマフラー形状が違う! リアコンビのデザイン、クーペを彷彿とさせる傾斜のきついCピラーなどデザインにかなりのこだわりを見せる。エキゾーストはハイブリッドとターボで差別化
■駆動方式ターボ、ハイブリッドともFFと4WDをラインアップ。ただし、ハイブリッドがトヨタハイブリッドAWDの伝統であるE-Four、ターボは車速、ステアリングアングル、ヨーレートに基づき前後100:0~50:50までのトルク配分を自動的にコントロールするダイナミックトルクコントロールAWDを採用しているため、同じAWDといってもキャラは違う。全グレードFF、4WDが選択可能。
インテリア

インテリアはNXの大きな魅力。特にクルマのセンターを貫通するかのようにデザインされた骨格を持つセンターコンソールのデザインが秀逸。素材は見た目だけでなく触感にもこだわりを見せているのが凄い
■インテリアインテリアはレクサスの得意とするところで、NXには新機軸を投入するチャレンジングさを盛り込みながらも、クラスを超えた質感を実現。特にセンターフレームを採用したセンターコンソール周りの大胆なデザイン、素材感は本物志向のユーザーをも満足させるハズで、欧州プレミアム勢に対してもアドバンテージは大きい。このセンターフレームをはじめ、金属部分には、ヤマハの最上級グランドピアノからヒントを得て、研磨仕上げに木材研磨の工程を取り入れ、光を反射しない独特の上質な光沢感を得ることに成功(縞杢インスピレーション)。インテリアカラーも豊富にラインアップ。
ユーティリティ

NXは見た目だけでなくSUVとしてのユーティリティ、使い勝手も研究し尽して魅力的に仕上げている
■ユーティリティ見た目だけでなくNXは実用面でも大きな進歩を見せていて、前後のカップルディスタンスはひとクラス上のRXとほぼ同等のスペースを確保。リアシートは世界初のパワーリクライニング&フォールディング機能付き6:4分割可倒シートを採用しているので快適性、利便性は最高レベル!いっぽうクラストップレベルの荷室長を確保し、ラゲッジの両サイドの張り出しが小さいので積載性に優れている。
■価格

■価格価格は200tが428万~518万円、300hが492万~582万円。同一グレードで比べるとターボはハイブリッドより64万円安、欧州プレミアム勢と比較しても買い得感はかなり高いといえそうだ。NXは700台の月販目標に対し、正式発表の時点でレクサス史上最多の4000台オーバーを受注。プレミアムコンパクトSUVマーケットはNXのデビューでさらに活性化する!