中古車購入
更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.30

4月25日発表! 全車ハイブリッドで登場 日産シーマ復活!!

日産初のハイブリッド専用モデルとして再デビュー

日産シーマ復活!!

日産シーマ復活!!

【本記事は2012年5月にベストカーに掲載された記事となります。】シーマは、バブル真っ盛りの1988年1月、それまでの日産の一般オーナー向け乗用車の最上級モデルだったセドリック/グロリアの上位モデルとしてデビューした。セドリック/グロリアのプラットフォームを流用しながら、大型ボディを組み合わせて全車3ナンバーとし、高級路線をアピールした戦略車。ターボモデルをラインアップし、外観とは裏腹な強烈な加速が印象的で、発売直後から爆発的な人気を博し、「シーマ現象」という流行語を生むヒット車になった。しかしバブル崩壊後の経済停滞のなか、販売台数はジリ貧となり、’09年の年間販売台数は約300台、ピーク時の120分の1まで落ち込んだ。日産は、「車種構成の見直し」を理由に、’10年8月で生産を打ち切る。シーマの生産中止により、日産車のフラッグシップは、セドリック/グロリアの後継車フーガに“逆戻り”していた。しかし、世界を代表する自動車メーカーの最上位としては物足りなさを感じていたところで、「車種見直し」を進めた日産の結論も1年9カ月ぶりのシーマ復活。しかも全車ハイブリッドという思い切った戦略をぶつけてきた。バブルとともにデビュー&幕引きをし、バブルの象徴といわれたシーマ。次は環境対策真っ盛りの日本のクルマ社会で日産初のハイブリッド専用モデルとして再デビューを果たした。再び時代の寵児となり「シーマ現象」を引き起こせるか。

ハイブリッド専用モデル

■ハイブリッド専用モデル新型シーマの話題は、なんといってもハイブリッドにつきる。この分野ではトヨタに大きく後れを取っている日産。最近になってFF用の2Lクラスのハイブリッドシステムを開発するなど力を入れつつあるが、まだまだは差は大きい。そんな折、シーマ復活のシナリオとして選んだのがハイブリッド専用モデルだ(現在、日産は大型マルチシリンダーエンジンを開発していないらしいので、結果として、そうせざるを得なかったわけだ)。いまさら感はあるものの、最上級モデルをハイブリッド専用としたことで市場にインパクトを与える画策をしたわけだ。

このクラストップクラスの燃費

フーガHVと共通の3.5L、DOHCエンジンに高性能モーターを組み合わせたパワフルなユニット。スタートから高速走行まで、さまざまな状況で充分な走行性能と省燃費を実現している

フーガHVと共通の3.5L、DOHCエンジンに高性能モーターを組み合わせたパワフルなユニット。スタートから高速走行まで、さまざまな状況で充分な走行性能と省燃費を実現している

ハイブリッドは、フーガに搭載されているシステム。3.5Lの「VQ35HR」エンジンに、日産独自の1モーター2クラッチのパラレル方式を組み合わせ。さらに、高性能のリチウムイオンバッテリーを搭載する。エンジン出力306ps、モーター出力68psでシステム出力364psの強力ユニットだ。フーガハイブリッドで定評のあるシステムといえば聞こえもいいが、逆にいえば変わり映えしない。専用モデルと謳うからには、もうひと工夫ほしかった。燃費も、このクラスではトップクラスとはいえ、10・15モードでフーガの19.0km/L(JC08未計測)に対し、18.8km/L(JC08は16.6km/L)。重くなったぶん燃費も悪くなっている。これも、後発なんだから、エンジンのフリクション低減や、空力特性の見直し、ハイブリッドシステムの進化などなど他社が当たり前のように展開している対策が必要だったのではないか。ただ、トヨタの上級ハイブリッドに比べると燃費はかなりいい。

後席重視のクルマ作り

前席ヘッドレストには7インチディスプレイを搭載。クリアな映像でDVDなどを視聴できる

前席ヘッドレストには7インチディスプレイを搭載。クリアな映像でDVDなどを視聴できる

■後席重視のクルマ作り新型シーマのボディサイズは、全長5120mm、全幅1845mm。実はこのサイズ、生産中止前の先代シーマとまったく同寸法。違うのはホイールベース。先代より180mm延びて3050mmとなった。室内スペースの拡大を狙ったパッケージングだが、新型シーマでは後席の居住性を徹底的に重視しているのも特徴のひとつだろう。後席の膝元のスペースを表わすニールームは、新型シーマは825mmを確保している。先代シーマの638mmに比べると+187mm。そう、ホイールベースを延ばしたぶんより、リアのニールーム拡大のほうが大きくなっている。

後席はパワーリクライニング&ヒーター付きシートを採用。リア重視の新型シーマらしいシートといえる

後席はパワーリクライニング&ヒーター付きシートを採用。リア重視の新型シーマらしいシートといえる

また、新型ではノイズの低減など静粛性向上に力を入れており、特にエンジン回転数に同期して発生する不快なこもり音に対し、逆位相の制御音を出力するアクティブノイズコントロールを採用しているが、このノイズ制御でも後席を重視したチューニングが施された。このほか、後席はパワーリクライニングシート、プライベートシアターシステム、照明付きバニティミラーが装備される。スタイリングは、グラマラスなボディラインのフーガのデザインを踏襲、ひと回り大きいサイズ。フロントグリルも共通のデザインだ。後席重視やフーガデザインとの共通化から判断すると、新型シーマの日産での位置付けは、ハイヤーや社有車としての利用を強く意識しているようだ。一昨年、シーマとともにプレジデントも生産を中止しており、新型シーマはその役割も担う。グレード展開は3タイプ。価格は廉価バージョンが735万円で、装備充実のVIP Gが840万円。先代シーマに比べると高めだが、ハイブリッド専用と考えれば比較的リーズナブルな設定といえる。

トヨタvs日産高級HV性能比べ

バッテリーは日産独自開発のリチウムイオンを採用。放充電を切り替えるレスポンスに優れた軽量コンパクトタイプで、容量は1.3kWh。バッテリー量産化によるコスト削減も進めている

バッテリーは日産独自開発のリチウムイオンを採用。放充電を切り替えるレスポンスに優れた軽量コンパクトタイプで、容量は1.3kWh。バッテリー量産化によるコスト削減も進めている

トヨタvs日産高級HV性能比べハイブリットカーはトヨタが先行している印象が強いが、高級車クラスとなると日産も大健闘。パフォーマンスではトヨタ、レクサス勢に譲るものの、燃費では日産が優位に立つ。とくに同じ3.5L搭載、クラウンに対してはシーマの好燃費が目立つ。リチウムイオンバッテリーも搭載。やるな、日産!

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ