中古車購入
更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.30
対決2/最強燃費の兄弟対決 プリウスPHVvsプリウス
購入時の価格差

両車ともエコカー補助金対象車
【本記事は2012年2月にベストカーに掲載された記事となります。】JC08モード燃費61.0km/L(複合燃費)を誇るプリウスPHVとプリウスを損得勘定で対決させる。この両車、乗り心地や内装などはほとんど同じ。違うのは外装が少しと、燃費と価格だ。■購入時の価格差まずは購入時から考える。車両本体価格は、プリウスが217万~334万円。プリウスPHVが320万~420万円。同じSグレードだと、プリウスが232万円、プリウスPHVが320万円で差額は88万円だ。PHV車は、いまのところ国から補助金が出る。金額はベース車との差額の2分の1で、プリウスPHVの場合、上限額45万円。差額は43万円まで縮まる。がしかし、PHVには充電設備の工事が必要だ。トヨタが標準としているもので最安は工事費込みで9万5000円(税抜き)。これを加えてプリウスとの差額は52万9750円となる。以上が購入時の違いだ。これを燃費の差で埋められるかが対決のポイントとなる。
ランニングコスト
■ランニングコストプリウスPHVのガソリン使用量は使い方によってまったく違ってくる。61.0km/Lでそのまま計算していくと、実際の使用状況とかけ離れてしまう。そこで、左下の表が登場する。毎日何km走るかを状況別に計算する。プリウスPHVのEV走行距離は満充電で26.4km。国沢氏によると、この数字は電池容量に対して余裕を持たせてあるので、概ねギリギリまで走りきれるという。つまり毎日26.4km以下しか使わないユーザーはガソリンをほぼ使わないということだ(100km/h以上はエンジン始動)。プリウスPHVのハイブリッド走行時の燃費は31.6km/L。プリウスSのJC08モードは30.4km/Lで、それぞれ7割の達成率で計算。結果、どの使用距離で計算してもプリウスとの差額を埋めるのは難しい。1日300km走ったとしても10年かかってしまうという結果が出た。通常1回の充電で69円かかっている電気代を、28円にできる夜間電力を使ったとしても厳しい。しかし、まだ方法がないわけではない。EV走行の距離を伸ばしてやればいいのだ。しかもタダで。つまり、いきは自宅で充電した電力を使い、会社についたら会社で充電するという方法。これで1日のEV走行距離はいっきに52.8kmまで延びて、差額は約6年で埋まる。
結論

現在の電池価格ではPHVの普及は難しい。トヨタが安い電池を手に入れられるかがカギだ
■結論ということで国沢氏に結論づけていただいた。「いま現在プリウスPHVを買う理由はまったくないでしょう。アメリカではEV、PHV、CNG車が優先して走れる道があり、これを使える権利は年間で4000ドル(約30万円)の価値があるといわれているが、日本にはない。だとすると経済的メリットはかぎりなくゼロに近い。電池の価格が下がってきて、差額が20万円程度になってくればすぐにでも購入します。現状でPHVを購入すべきユーザーは、自宅に太陽光発電があって、会社でタダで充電できる、しかも1日の走行距離が50km程度の人ってことになります。この条件にもし合うならすぐにでも買うべきです!」