中古車購入
更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.30
トヨタ アクア襲来!
燃費競争に決着!?

これで燃費競争に決着がつくのか!?10・15モードで初めて40.0km/Lにのせた話題を集めたトヨタHVの最終兵器アクアが12月26日いよいよ正式発表を迎える
【本記事は2012年1月にベストカーに掲載された記事となります。】これで燃費競争に決着がつくのか!? 10・15モードで初めて40.0km/Lにのせた話題を集めたトヨタHVの最終兵器アクアが12月26日いよいよ正式発表を迎える
スタイリッシュなデザインで低い重心による走行安定性

全長、ホイールベースを長くして前後方向の居住性を高めるが、最小回転半径が意外と小さく機動性もハイレベル
トヨタ全ディーラーで販売されるアクアは、10月下旬からすでに事前予約を受け付けており、都内の某ディーラーによると、予約殺到ぶりはプリウスαの時とよく似た状況だという。モーターショーで展示したとはいえ、まだ(正式に)発表していないクルマに人気が集まっているところにトヨタハイブリッドの底力を感じる。すでに本誌ではアクアの詳細情報を伝えてきたが、発表直前に再度チェックしておこう。ボディは、べースとなるヴィッツや直接ライバルのフィットHVより長い全長3995mm、全幅は5ナンバー枠いっぱいの1695mm。そして、アクアのスタイリングの最大の特徴が1445mmに抑えた全高だ。レクサスCT200hと並んで5ドアボディの日本車では最も背が低い部類に属し、スタイリッシュなデザインと低い重心による走行安定性の高さを物語る。ただ、乗降性や居住性が犠牲になってしまうのはしかたない。
パワートレーン

エンジンは1.5Lアトキンソンサイクルで74ps。小型化されたバッテリーをシート下に設置する
搭載されるパワートレーンは、2代目プリウスの1.5Lのエンジンに進化版のモーターが組み合わされ、システム出力100psのハイブリッドシステム。徹底的な軽量化が図られ、エンジンだけでもプリウスより16.5kg軽くなった。バッテリーは、期待されたリチウムイオンではなく、ニッケル水素が採用されたが、これも進化版でプリウスのバッテリーより11kg軽量化している。

エンジンは1.5Lアトキンソンサイクルで74ps。小型化されたバッテリーをシート下に設置する
グレードは、プリウスはじめトヨタのハイブリッドが展開しているL、S、Gの3タイプ。廉価版のLが10・15モード40.0km/Lを達成するが、これは低価格と燃費に特化した装備も貧弱なグレードで、実用的とはいえない。SとGは37.0km/Lだが、JC08モードが全グレード35.4km/Lとなる。アクアは燃費40km/Lが話題になっているが、実は37.0km/Lがアクアと思っていい。プリウスの一般的な仕様とは1.5km/L差しかない(JC08ではもっと差がつくが……)。
価格設定にはからくりが

NEWアクア
アクアの魅力は低価格と低燃費の両立だが、価格設定にはからくりがある。次ページのライバル対決で詳しく説明するが、基本仕様では装備を落とし気味にして価格を抑え、右ページのプライスリストにあるようにパッケージオプションを多く設定、いくつかのオプションを加えてライバル車と同レベルの装備となる。ちなみに、Lはパッケージオプションを選択できないので注意してほしい。前述のように、すでに受注が始まっており、この本が出る2日後の発表段階では半年待ちともいわれるアクア。新情報では4月までに生産されるS、Gグレードは、全車スマートエントリーパッケージ装着車となる。スマートエントリーは要らない、というと5月以降の生産ぶんになるので、納期はさらに遅れることになる。つまり、早くアクアが欲しければスマートエントリーパッケージが必須となり、本体価格に5万円強が上乗せになる。不可解ながら、これがトヨタ商法といえるのだろう。
燃費、価格、居住性使いやすさから総コストまで徹底比較人気HV三つ巴対決!

vsフィットハイブリッド:永遠のライバルHVでも好勝負
燃費、価格、居住性使いやすさから総コストまで徹底比較人気HV三つ巴対決!アクアの発表は12月26日。いま注文しても納車は5月頃だ。となれば1.5L 2カ月で納車できるフィットHV、プリウスの購入も検討したい。まずは動力性能だが、アクアは1.5Lエンジンに2個のモーターを組み合わせ、総合的なシステム最高出力は100ps。1.3Lに1個のモーターを組み合わせるフィットHVの98psよりも力強く、1.8Lを積むプリウスの136psにはおよばない。車両重量はアクアSが1080kgと最も軽く、フィットHVは非力ながら1130kg。プリウスSは1350kgだがパワフルだ。動力性能の順列は、プリウス、アクア、フィットHVになる。10・15モード燃費は、アクアLが40.0km/Lだが、廉価グレードで一般的な選択ではない。SとGは37.0km/Lだ。それでも最も優秀で、プリウスはSが35.5km/L、フィットHVは30.0km/Lとかなり下がる。居住性はプリウスがダントツで広い。全長が4480mmと長く、全高は1490mmと高く、ホイールベースも2700mmに達するからだ。後席の頭上は少し狭いが、大人4名が快適に乗車できる。
装備と価格で決戦

vsプリウス:身内のライバル実質20万円差!
装備と価格で決戦まずはアクアの価格だが、最廉価のLが169万円、中級のSが179万円、最上級のGが185万円になる。Lは前述のように10・15モード燃費が40.0km/Lに達するが、リア側のドアはパワーウィンドウが省かれて手回し式になり、運転席の上下リフターも付かず、遮音材まで省かれる。装備と価格のバランスを考えると、アクアは179万円のSが買い得。注意したいのは、プリウスSに標準装着されるスマートエントリー、サイド&カーテンエアバッグ、CDオーディオ、アルミホイールなどがアクアではオプション設定になること。これらをアクアSに加えると203万円くらいだ。アクアSはプリウスSより53万円安いが、装備のレベルを合わせれば、価格差が約30万円に縮まる。さらに値引き額も違う。アクアは頑張っても5万円程度だが、プリウスは拡大傾向で15万円前後。従ってアクアとプリウスの値引きを含めた実質的な価格差は、約20万円と判断できる。ただし、燃費を加味すると話が少し変わる。10・15モードは前述のようにアクアが37.0km/L、プリウスが35.5km/Lだが、JC08モードでは、アクアは全車が35.4km/Lでプリウスは30.4km/Lだ。アクアは約16%燃費が優れ、走行距離が伸びるほど選ぶ価値も高まる。比較検討した最新HV3台はキャラクターが違うクルマ。選ぶ基準は、走行距離が長くあくまで燃費を追求するならアクア。年間1.5万km以下の走行でリアシートやラゲッジのスペース優先ならフィットHV。そしてプリウスはサイズとパワーに余裕を見せる超お買い得HVとして最高峰に君臨している。