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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.01
BMW1シリーズ・ショック! なぜこんなクルマを日本車メーカーは作れないのか?
生まれ変わった新型1シリーズ

スポーツとスタイルもラインアップ! スポーツ(左)はグリルやサイドエアインテークがブラックでグリルやアルミがホワイトになるのがスタイル
【本記事は2011年11月にベストカーに掲載された記事となります。】7年ぶりに生まれ変わった新型1シリーズが早くも日本上陸を果たした。海外試乗会の印象を交えながら紹介しようと思う。
向上した環境性能

先代に比べ全長が95mm、全幅が15mm、全高が40mm拡大され、全長4335×全幅1765×全高1440mm
1シリーズの核にあるのは環境性能の向上。そのために選ばれたエンジンは、現行ミニのエンジンをベースとした新型1.6L直噴&バルブトロニックユニットで、ツインスクロールターボと高精度ダイレクトインジェクション、ダブルVANOS、バルブトロニックを組み合わせた“ツインパワーターボテクノロジー”を採用している。これに8速ATが組み合わされ、さらにアイドリングストップ機構やブレーキエネルギー回生システム、電動パワーステアリングなどの燃費技術などにより、10・15モード燃費は、136ps仕様の116iでは17.2km/L、170ps仕様の120iでも17.6km/Lを達成。全車、平成22年度燃費基準+25%、平成17年度排出ガス基準75%を達成し、エコカー減税対象車(75%減税)となった。
ラインアップは標準・スポーツ・スタイル

ラインアップは標準モデルに加えて、「スポーツ」と「スタイル」の異なる仕様(デザインラインと呼ばれる)を設定。価格は116iが308万円で、116iスポーツと116iスタイルがいずれも10万円高の318万円。120iはベースの367万円に対し、120iスポーツと120iスタイルが20万円高の387万円である。納車は今年10月以降を予定。
このBMW1シリーズはどこが凄いのか?

ドライビングパフォーマンスコントロールは全車標準。エンジン特性やDSC、8速ATのシフトプログラムなどが調整可能。モードはCOMFORT、SPORT、ECO PRO の3種類。ECO PRO モードではエンジンマネジメントを適切に調整するほか、エアコンなどの作動効率を最適化。ディスプレイには航続距離がどれだけ延びたかが表示される
いったいこのBMW1シリーズはどこが凄いのか? まず新開発の1.6L直噴ターボの後ろ支えになっている多様なエレクトロニクスと、クラスの常識を越えた8速AT。その一例がエコプロモード付きのドライビングパフォーマンスコントロールだ。スポーツドライブ寄りにも設定できるこのデバイスをエコプロ側に設定すると、エンジンや変速のマネジメントはもとより、エアコンの最適稼働なども制御。加えて、インジケーターのアドバイスに沿って低燃費走行をアシスト、さらなる省燃費に貢献している。新型エンジンと8速ATのコンビはバリバリといっていいほど快活に走る。半面、気になったのはエンジンの吹け上がり感やそれに伴うサウンドといったいわゆる官能的な特性において若干物足りなさを感じたこと。が、それを補って余りあるのがシャシーの出来映え。鮮やかな旋回性や濃密なステアリングフィールを維持しつつ、オプションの18インチタイヤを履いてなおヒタヒタと路面を舐めるようなライド感を実現している。
日本車メーカーがなぜ作れないのかと思うほどのすばらしさ

なぜこんなクルマを日本車メーカーは作れないのか?
エントリーモデルにして彼らの商品価値である走りを守りながら、ありったけのデバイスを突っ込んで燃費性能もギリギリまで高めたという1シリーズ。ここまでこだわったクルマを日本車メーカーがなぜ作れないのかと思うほどのすばらしさだ。