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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.02
レクサスIS250 Fスポーツ試乗! 「Fの魂」を注入されたISのFスポーツに試乗&チェック
デビューから丸5年 レクサスISシリーズ
【本記事は2010年11月にベストカーに掲載された記事となります。】早いものでデビューから丸5年をへたレクサスISシリーズだが、粘り強い年次改良のおかげで乗るたびにジワリと走りが改良されてきている。初期モデルはスポーツを意識しすぎたトヨタ車がハマるパターン(低速域でビシッときつい突き上げが気になるわりに、スピードを上げていってもフルフルと微小な揺れが消えない)で、走りのスイートスポットがどこにあるのかハッキリしない足だったが、’09年にISのオープンモデル、「250C」が登場したあたりからようやくセッティングに一貫性が出てきた印象。
「バージョンF」の発展型

内装の変更点は、専用スポーツシート(ヌバック調ファブリック/本革)と専用色オーナメントパネル、ロゴ入りの本革ステアリング
この時のエンジニアの話では、「オープンのIS250C開発にあたって必要となったボディ補強の一部(ステアリング支持剛性のアップなど)を全車に応用した結果、予想以上の効果を得た」とのことだが、まぁマークXとプラットフォームを共用しながら高級車ならではの「味」を出すには、やっぱりそれなりの手当てが必要だったということのようだ。で、今回乗ったのは8月のマイチェンでISシリーズに追加されたFスポーツだが、これは’09年に登場した「バージョンF」の発展型といっていい。
完成度の高いサス

コイルスプリング、ショックアブソーバーに加え、リアのスタビライザーやブッシュなどを含めたトータルチューンのサスを新設定
バージョンFはIS Fの外観イメージだけを盛り込んだ雰囲気スポーツ仕様だったが、実はこの時点でISの標準サスとスポーツサスは初期モデルとはもはや別物。それぞれの仕様別にかなり完成度を高めていた。その成果に自信を得て、今度のFスポーツはバネ/ダンパーはもちろん、ブッシュのチューニングまで実施。スポーツ仕様としての性格をこれまで以上にハッキリ打ち出したグレードに進化している。

今回試乗したのはIS250のFスポーツだったから、パワーという点では若干物足りなかったが、足回りは「ようやくここまできたか」と納得の仕上がりだ。もちろん、低速域では足はそれなりに固めだが、それは路面アンジュレーションを忠実にトレースしていくたぐいの固さ。ドシン/ブルブルといった不快なボディのわななきは、これまでよりずっと巧みに抑えられている。速度レンジと旋回スピードを上げてゆくと、これはもう「頭の軽いIS F」と表現したいほどの重厚感がある。ステアリングは重めだがノーズの入りは軽快で、フロントタイヤの接地感にズシッとした手応えがあるのが特徴的。ドライバーに「イメージどおりクルマの姿勢が作れる!」という自信を抱かせるハンドリングが表現されている。

誕生から5年。レクサスISはスポーツセダンとしてようやく円熟期を迎えたといってもいいと思ったね。このFスポーツはこの先、CT200hやGSなどに拡大採用されるとのこと。セッティングには時間も手間もかかるだろうけど、とても楽しみだ。