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更新日:2019.01.27 / 掲載日:2017.12.02

エルグランドが約8年ぶりにフルモデルチェンジ!

この堂々としたフォルムを見よ! 新型エルグランドのエクステリアデザインは辛口の前澤義雄氏も高い評価を与えている。両車似ているが、面構成などもヴェルファイアよりも新しい。

この堂々としたフォルムを見よ! 新型エルグランドのエクステリアデザインは辛口の前澤義雄氏も高い評価を与えている。両車似ているが、面構成などもヴェルファイアよりも新しい。

【本記事は2010年9月にベストカーに掲載された記事となります。】8月4日、日産のフラッグシップミニバンのエルグランドが約8年ぶりにフルモデルチェンジ。新型が出る、出るといわれ続けて3年あまり、トライ&エラー(一時は開発中止説も流れた)を繰り返し、ここにようやく結実。

悔しさが新型誕生のバネ

発表日が1日違いと、先代エルグランドとほぼ同時デビューしたトヨタ アルファードは、’08年5月に予定どおりフルモデルチェンジ。そしてヴェルファイアという兄弟車をラインアップし、ミニバンの頂点に君臨。ヴェルファイアはアルファードが高級感をひたすら追求しているのに対し、高級感にワルな感じをプラスして若者にも人気。アルファードではなくヴェルファイアを購入する決断をした理由はここ、と証言するオーナーが多い。その結果、今では本家アルファードを凌ぐ販売台数をマーク。それに対し旧型時代のエルグランドは凋落……。「このマーケットはエルグランドが種をまいたんだ!」という日産サイドの悔しさが新型誕生のバネになっているのは間違いない。

実際にこの2台“似て非なる”という表現がピッタリ

発売開始の8月18日に日産からその新型エルグランドの受注状況に関するデータが公開された。8月4日の発表後1週間で月販目標の1900台の3倍超となる6386台を受注。ギリギリのタイミングともいえるエコカー購入補助金の駆け込み需要、ディーラーのお盆休み期間などいろいろな要素を考えてもこの数字は驚異的といえる。データをザッと見ると、一番の売れ筋グレードは250ハイウェイスターで全体の45%。ボディカラーではファントムブラックが一番人気で、ブリリアントホワイトパールが続く。

エンジン別では、2.5Lが55%、3.5Lが45%(すごい比率だ!!)とほぼ半々といった感じ。乗車定員は7人乗りが74%で圧倒的人気。そして注目すべき点は、カーウィングスナビゲーションシステムを購入者の84%が装着。リアエンターテイメントシステムが64%、BOSEプライベートシアターシステムが18%。これらは全車オプションなのだが、驚くのはその価格。ナビを装着するには最低でも47万2500円、BOSEに至っては97万6500円(マーチの最廉価グレードの価格に匹敵!)もするのにこの装着率。新型エルグランドをより魅力的にするためには、購入者はお金に糸目はつけていないのがよくわかる。エコカー減税などで国内販売は見た目上は回復しているが、久々に本当のパワーを持ったクルマが誕生した感じ。新型エルグランドは打倒アルファード/ヴェルファイアであることは日産の開発陣も社長も認め、No.1の座の奪回必達を目指す。特に誰が見てもライバルと感じるヴェルファイアに対し、新型アルファードはリベンジできるのか?

ボディサイズ

新型エルグランドは全長4915×全幅1850×全高1815mm。これは旧型に比べて全長で80mm、全幅で35mm大型化されているが、全高に関しては95mm大幅ダウン。ライバルのヴェルファイアとの最大の違いはこの全高で、ヴェルファイアは1900mm。両車を並べてみると新型エルグランドのほうがスッキリしたイメージ。

エクステリアデザイン

エルグランド:旧型のデザインを踏襲しているが、素材感、質感は大きく高められている。シートは色遣い、素材にこだわりが感じられ、それが満足感につながる

エルグランド:旧型のデザインを踏襲しているが、素材感、質感は大きく高められている。シートは色遣い、素材にこだわりが感じられ、それが満足感につながる

大型のフロントグリルに前後2分割されたシャープなヘッドライト、というデザインテイストは似ている2台。ともに強く個性を主張。ヴェルファイアの顔はすでに認知されているが、新型エルグランドも誰が見てもエルグランドの新型とわかる旧型からのアイデンティティを持っていてそれを進化させている。このワル顔はお好みでどうぞ。新型エルグランドには窓枠部分にシルバーメッキのパーツがあしらわれているが、この手のクルマ好きのツボをしっかりと押さえている。

エンジン

新型エルグランド、ヴェルファイアともに、直4とV6の設定は同じ。V6はどちらも3.5Lだが、直4はヴェルファイアの2.4Lに対し新型エルグランドは2.5L。スペックでは3.5Lは発生回転数こそ違えどパワー/トルクはまったく同じ。いっぽう、直4はパワーは同じだが、プラス100ccの余裕から、エルグランドのトルクの太さが際立っている。まだ乗り比べていないが、タダでさえ重いこのクラスで、2.7kgmのトルク差は大きい。乗り比べが楽しみ。燃費はどうか? これまたカタログデータでの比較だが、直4、V6とも新型エルグランドが新しいぶん、進化させている。ただし、トヨタ車の実燃費がいいのは折り紙付きだから、実燃費対決でどうなるかお楽しみに。環境性能に関しては、直4は75%減税、V6は50%減税と同じ。燃費は直4が11.4~11.6km/Lで両車同じ。V6はエルグランド(9.3~9.8km/L)がヴェルファイア(9.1~9.5km/L)をリード。

インテリア

エルグランド:旧型のデザインを踏襲しているが、素材感、質感は大きく高められている。シートは色遣い、素材にこだわりが感じられ、それが満足感につながる

エルグランド:旧型のデザインを踏襲しているが、素材感、質感は大きく高められている。シートは色遣い、素材にこだわりが感じられ、それが満足感につながる

デザインに関しては日本を代表する最高級ミニバンの名に恥じず、両車贅を尽くしている。分厚いシート、視認性とデザインを両立させたインパネ、助手席&2列目に装備される電動オットマンなどなど、快適性も甲乙つけがたい。ただし、後発の強み、それから日産が国産メーカーで最もインテリアにこだわりをもっていることもあり、色遣い、素材感、質感は新型エルグランドのがんばりが目立つ。両車とも7人乗り、8人乗りをラインアップしているが、販売データからもわかるとおり、人気は圧倒的に7人乗り。8人乗りより1人乗車定員が少ないぶんゴージャス感がある。海外のVIPが来日した時に、超高額サルーンのLS600hよりもヴェルファイアのほうが喜ばれる、ということからもわかるとおり、このクラスの2列目の快適性は想像を絶するレベル。旧型エルグランドは、FRゆえに2列目以降の狭さが指摘されていたが、新型はFF化によってヴェルファイアと戦えるだけの武器を手に入れた。

両車甲乙つけがたい

渡辺陽一郎氏がP.33囲みの買い得感のところでも触れているが、両車甲乙つけがたい。販売面ではそれぞれがトヨタ党、日産党以外をどれだけ取り込むかにかかっているが、熾烈な争いは必至。新型エルグランドはエコカー購入補助金の最末期に登場したためその恩恵に預かれるのはごくわずかだが、クルマ自体にパワーをもっているので楽しみ!

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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