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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.02
ハイエースバン マイチェン 商用車未来予想図
ハイエースマイチェンで俄然気になる商用車の「今」と「未来」

リアまわりに変更点はなし
【本記事は2010年9月にベストカーに掲載された記事となります。】機能をなによりも優先することで独特の魅力を備えるといえば、なんといっても商用車。過去に比べればはるかに快適性も考慮されるようになったとはいえ、それでも現在のクルマがなくしてしまったスパルタンさをいまなお残すさまに、プリミティブな喜びを見いだすファンも少なくない。その商用車、モデルライフが通常の乗用モデルよりはるかに長いというのも特徴なのだが、7月26日に人気商用バンのハイエースがマイチェンを受けたことで、急に現行モデルの次の動きが気になりだしたという読者も多いことだろう。そこでベストカーが商用車に関し現在つかんでいる情報を、出し惜しみなくすべて大放出。商用車マニアなアナタなら感涙ものの情報連発のはずだ。ぜひお楽しみあれ!
Q&A形式で教える 新型ハイエース ココが変った

新型ハイエースに搭載される3L、直4ディーゼル
ハイエース、マイチェンの一番大きな変更点はディーゼルエンジンのポスト新長期規制対応だ。従来型のガソリン車とディーゼル車の構成比は意外にも半々ということだが今回の主役はあくまでディーゼル。なんといっても対応しないと販売できなくなってしまうのだから。どうクリアしたかも含めて、ひとつひとつ解説していく。
Q1 内外装の変更点は実際どこが変わったの?

内装はダークで落ちついた印象になった
A フロント周りは変わってます変わってない? 失礼な! ちゃんと変わってますよ。外装はフロントバンパー、ヘッドランプ、フロントグリルなどフロント回りのデザイン、よく見ると大きく変わっているでしょ。バンパー形状はマイチェン前よりフラットになり、ランプも大型化され男気あふれる感じが強くなった印象でしょ? 上級グレードにはディスチャージヘッドランプをオプションで選べるようになり、ボディ色にはホワイトパールクリスタルシャインとゴールドメタリックが追加されて8色も選べるゾ。内装の変更はドアトリムやシート表皮がダークグレーに変更され、落ち着いた雰囲気に。働くオトコのかっこよさをより演出するデザインに変更されている。装備面での変更点は上級グレードにオートエアコンを、「DX」グレードにはパワーウィンドウを標準装備した(さすが商用車)。そのほか荷室などは変更なし、と割りきっている。
Q2 ポスト新長期規制にはどうやって対応したの?
A 最新技術をさらに進化させたひと言でいうと「やれることはすべてやりました」ということにつきる。技術的にはかなり複雑。少々難しい話だが、なんとか皆さんついてきて~。今回の最も大きい変更点はDPR触媒の大幅性能向上と精密な燃料噴射を可能にするピエゾインジェクターを採用したこと。なんのこっちゃわからん! という場合は用語解説参照。この貢献が大きく、ポスト新長期規制をクリアしつつ、燃費も向上し、平成27年度燃費基準を達成した。スゴい! これによってハイエースが規制クリアのために使っている技術は基本的に日産X-トレイルクリーンディーゼルと同様となった。トヨタの本気、おそるべし!システムの基本的な流れは、超高圧のコモンレールシステムで微細な霧状にした燃料をピエゾインジェクターから噴射、燃焼室に送り込む。排出ガスをEGR(排出ガス再循環システム)に回し、再燃焼させてNOX(窒素酸化物)を低減。最終的に残ったCO(一酸化炭素)とPM(粒子状物質=燃えカス)を高性能触媒DPRで捕獲し、燃焼処理する。という複雑すぎてめまいがしそうなもの。だが、従来型も基本的には同じ。実際にはDPRとピエゾインジェクター以外にもさまざまな改良を施し、その集積でポスト新長期規制をクリアしているのだ。NOX対策として、燃焼室の温度を下げるため圧縮比を落とし、EGRクーラーの効率を向上、EGRバルブの制御を負圧駆動からDCモーターにして効率アップ。コモンレール式噴射システムの噴射圧を1800気圧から2000気圧に向上。などまるでわからんが、改良点はまだまだあって、ようするにほとんどが既存の技術の徹底的な改良で、世界一厳しいポスト新長期規制をクリアしちゃったのだ。その地道さがトヨタらしい!ちなみに、ガソリン車にもエンジン、トランスミッションの制御と触媒の変更が施され、燃費を向上。こちらも平成27年度燃費基準を達成しているゾ。
Q3 価格は高くなった? 減税はある?

A 価格アップは6万1850~12万4000円気になる価格は、ハイエースバンで6万1850~12万4000円の上昇に抑えられ、186万~353万3250円。ディーゼル車はガソリン車に比べて、約50万円高の価格設定だ。エコカー減税は商用車の場合規定が違い、100%減税となるのは乗用車のみ。ハイエースの場合は、ポスト新長期規制をクリアして、かつ平成27年度燃費基準を達成しても75%減税となる(不満)。ガソリン車(2WD)は従来どおり50%減税だ。