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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.02
STIマジックにより走りはどう変わった?レガシィツーリングワゴン
楽しいクルマを作っていきたい

ts専用のシートはSTIロゴ黒刺繍、赤ステッチ入りの本革+アルカンターラの専用シートのほか専用トリムなどがおごられ、内装もプレミアム感が漂う
【本記事は2010年8月にベストカーに掲載された記事となります。】『tS』というブランドを立ち上げるにあたり、STIのWebサイトでは決意表明をしてます。まず「走りの気持ちよさをひたむきに追求する私たちの姿勢は古くさく見えるかもしれない」と明言。確かに世の中の流れを読めば「走りのよさより教養の高さ」だ。されど依然として走りのよさを重視する人だって少なくない。そんな人のために楽しいクルマを作っていきたいということなのだろう。
動物の柔軟性を
STI車両実験部長である辰己英治さんは「今までひたすら剛性を追求してきましたが、動物を見るとしなやか。そこでボディを固めるだけでなく、柔軟性も考えました」。スカイラインの桜井眞一郎氏も現役卒業を迎える頃、盛んに動物の運動力学をたとえに出していたけれど、技術者は熟成の機を迎えると動物の偉大さを考えるらしい。悲しいかな私はこの域に達していないので、話を聞くのみ。
コーナーを意のままに走ってくれる

ピロボールでフリクションを低減させ、フレキシブルサポートリアはリアの追従性、応答性を向上
具体的なモディファイの内容は、STIの定番であるフレキシブルタワーバーと、同じく柔軟性のあるボディ補強、リアのピロボール製リンク、そしてSTIチューニングのビルシュタイン製ショックアブソーバーのセット。大いに期待してWRブルーのツーリングワゴンで走り出すと、あらら? 聞けば試乗会の前に酷使されたため、コンディションがあまりよくないのだという。ということでB4に乗り換える。なるほど乗り心地の質感はノーマル車よりワンランク上がってます。道路のコンディションがよくなった感じ、と表現すればわかっていただけるだろうか。高速道路の路面の継ぎ目など通過する時の入力も18インチタイヤを履いているわりにマイルド。それでいてテストコースでキッチリとコーナーを攻めたなら、意のままに走ってくれるのだから嬉しい。こら楽しいクルマでございます。
しなやかでありながら確かな応答性

しなやかでありながら確かな応答性のあるSTIチューニングのビルシュタイン製倒立式フロントストラット&スプリング。リアはSTIチューニングのダンパー&スプリングを装
ただ普通の路面を走っていれば快適なのだけれど、荒れた道にだって出くわすだろう。こんな場合、サスペンションの「受け持ち範囲」を超えてしまい、標準車のレガシィB4と同じ乗り味となる。むしろエクシーガの『チューンド・バイSTI』のほうが上質。大きな入力を受けたなら、しなやかさと同じくらいボディの絶対的な「硬さ」も重要か? と感じるのは、STIに対する期待値の高い私だけかもしれません。
「楽しいクルマを作っていく」コンセプト

STI製8J×18インチアルミホイール
いずれにしろ600台の限定生産。STI(辰己さん)のファンの数を考えれば余裕で売れると思う。少数でいいから楽しいクルマを作っていく、というコンセプトは今後も大いに「アリ!」かと。こうなれば次回作にも期待したい。多少高くなってもいいから、私のようなヒネたクルマ好きですら「まいりました!」と脱帽した『インプレッサS204』のようなダイナマイトをお願いします。