エクステリアもインテリアもスペシャル感は伝わった　あとは……　走りに期待のヴォクシー

【本記事は2010年7月にベストカーに掲載された記事となります。】1月のオートサロンで話題を呼んだG’sシリーズの市販第一弾は、ノア／ヴォクシーとなった。これは、ベース車両が売れているクルマが最も量販が期待できるという判断。トヨタにとって、G’sという新ブランドはニッチ商品ではなく、大きく育ててメインストリームにするんだというメッセージが伝わってくる。現車を見た印象は、改造車特有のやりすぎ感はあまりなく、さりげない完成度の高さを感じさせる仕上がりだ。ノーマルからの変更内容は、外観では専用フロント＆リアバンパー、グリル、サイドストライプ。インテリアでは、ステアリング、シフトノブ、アルミペダル、専用シート表皮、各部のピアノブラック加飾など。基本的には、この種のメーカー純正コンプリートカーとしてはオーソドックスなモデファイが施されている。

さらに、機能部品として、18インチアルミホイール＆215／45R18タイヤ、ブレーキパッド、30mmローダウンサスキット、マフラーを装備。「G’sはルックスだけではなく、走りの実力も高めるブランドなんだ！」と主張している。ここまで手が入れられていて、価格はノーマルプラス31.5万円というのは、アフターマーケットのパーツを使って自分でいじるコトを考えると超お買い得。まさに、メーカーでなければできない総合力、コストパフォーマンスを感じさせる仕上がりとなっている。

さらに、今回のG’sノア／ヴォクシーで見逃せないのは、この標準モデルのほかに“バージョン・エッジ”というグレードが用意されていること。これが、前後サスメンバーの補強ブレースや、ヤマハのパフォーマンスダンパー、さらにはドア開口部などのスポット溶接増し打ちなど、えらくマニアックなスペックなのだ。聞けば、このへんの仕掛け人はMR-S最終モデルの足作りなどを担当した堀重之主査とのこと。ニコニコしながらやってきた堀さんに話を聞いて納得。あいかわらず、綿密な実験データに基づいてトヨタの人とは思えない（失礼！）凝った足作りをやってらっしゃる。

「ミニバンとは思えないハンドリングを実現してますから、ぜひ乗ってみてください！」堀さんがそういうなら、これまでの経験上たぶんハッタリはないハズ。6月30日の発売開始時の試乗会が楽しみな“撮影会”でした。

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