NEWフィアット 500　右ハンドルを用意して準備万端！　イタリアからやってきたかわいい新型バンビーナ！　チンクェチェント発表会REPORT

【本記事は2008年4月にベストカーに掲載された記事となります。】“チンクェチェント”の名で世界中から愛された2代目フィアット500の登場から、ちょうど50年目となる昨年に発表された新型フィアット500。その日本発売日である3月15日がいよいよ迫ってきた。フィアットはその発売に先んじて、2月22日に東京は九段のイタリア文化会館にて記者発表会を行なったのだが、その内容はかなりハデ。フィアットのCEOであるロレンツォ・システィーノ氏が来日して発表演説を行なったほか、“チンクェチェント”に乗った姿が印象深い怪盗、『ルパンIII世』の生みの親、モンキー・パンチ氏までが登場し、まるでお祭り騒ぎのような楽しいイベントとなった。多くの参加者の笑顔に迎えられて発表された新型フィアット500。その概要を発表会場で新たに判明したことを含め紹介したい。

新型フィアット500の基本グレード構成は、ベーシックグレードの「ポップ」、スポーティな「スポーツ」、最上級グレードの「ラウンジ」の3種類。3月15日の発売開始時には69ps／10.4kgmを発生する1.2L、SOHCエンジンを搭載した「ラウンジ（225万円）」と、ラウンジをベースにフロントフォグランプやフルオートエアコンなどの装備が追加された200台限定の「ラウンジSS（233万円）」が発売される。その後、5月頃にベーシックグレードの「ポップ（190万円）」が。夏頃にルーフスポイラーやスポーツシートなどを含む“スポーツキット”が装着された「スポーツ」と、100psを発生する1.4Lエンジン搭載モデルが登場する。MT車の導入も噂されているが、これは検討中の段階だそうだ。

さて、その新型フィアット500の最大のウリはなんだろう。1.2Lはもちろん、100psを発生する1.4Lエンジンでも圧倒的にパワフルというわけではない（ハナからそちらを目指してないが）。また室内も、ボディサイズから想像できるように前席こそ余裕があるものの、後席のサイズは同クラスの日本車と比較しても、決して広いとはいえない。それでは……？発表会場で強調されていたのは“安全性”だ。確かにこのクラスのクルマで、車両姿勢制御装置であるESPと運転席のニーエアバッグを含む7つのエアバッグをすべてのグレードで標準装備しているクルマは、日本車にもない。ユーロNCAPでクラス最高レベルの5つ★を獲得したというのはダテではないのだ。シャレたデザインに高い安全性、これこそが今度の新型フィアット500の最大の武器であろう。軽自動車でも、なんだかんだと装着すれば、すぐに200万円近くいくこのご時世。充実した基本装備と高い安全性を備えたフィアット500の競争力は、まったく侮れないといえる。最後にフィアットの、このモデル導入に対する意気込みをひとつ。記者発表会場でフィアットは、新型フィアット500発表に際し、世界で初となる「フィアット カフェ」を、この春に青山にオープンすると発表した。これは「イタリア社会では出会いと交流の最高の場はバールである。よって新型フィアット500との出会いの場はカフェがふさわしい」との考え方によるようなのだが、ニューモデル発表のために新たな娯楽施設を作るというのは前代未聞。このことからもいかにフィアットがこのクルマの日本導入に力を入れているかがよくわかる。今度のフィアットは本気だ。

サソリのエンブレムで有名なアバルト。昨年正式に復活したのだが、そのアバルトが手がけた新型フィアット500が、現在開催中のジュネーブショーに出展されている。135psを発生する1.4Lターボエンジンが魅力！

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