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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.05
レガシィB4/レガシィツーリングワゴンtuned by STIに乗ってわかった! これがSTIの進む道
上級感を演出

レガシィSTIはB4とワゴンを合わせて600台の限定販売となる
【本記事は2007年9月にベストカーに掲載された記事となります。】8月7日に発売されたレガシィtuned by STI(以下レガシィSTI)は今回が3作目。今回も含め、常に600台の限定発売だったが、1作目は93日、2作目は78日で完売。今回も早々の完売が予想される。レガシィB4とツーリングワゴンの2.0GTスペックBをベースにサスペンション、ブレーキをチューニングしたほか、新設計のフレキシブルタワーバーを新採用。また、内外装も新デザインの18インチアルミホイールやアルカンターラとレザーを組み合わせた低反発専用クッションのシートなどの特別装備を設定し、上級感を演出している。STIというと、エンジンや足回りを“強化した”クルマというイメージがあるが、今回のレガシィSTIはそうではなく、上質な走りを目指している。そして、それは走り出してすぐにわかる。路面の荒れをしなやかに吸収する、しっとりとした乗り心地を実現しているのだ。
「運転がうまくなったと感じるクルマを目指した」

レガシィtuned by STI
エンジンはコンピュータのマッピングを変更した程度だが、それも速さのためではなくトルクのコントロール性を向上させるためのもの。例えば、ノーマルでは10mmアクセルを踏み込んだ時に10kgmのトルクが出るとしたら、STIは15mmで10kgmというイメージ。そのぶん、ドライバーは細かなトルクコントロールができるというわけだ。もちろん、ただしなやかになっただけではない。「運転がうまくなったと感じるクルマを目指した」というだけあり、ワインディングで飛ばし気味に走っても、4輪の接地が安定していることを実感でき、安心して攻め込める。また、タイヤサイズが225/40R18にサイズアップしていることもあり、限界性能もノーマルよりも高くなっている。
作り手の熱意が伝わるクルマ

ありきたりの表現だが、よくできた欧州車のような乗り味。ハデなエアロもないし、チューニングカーということで身構えることなく、普通のユーザーが「いいクルマに乗っている」と実感できる仕上がりだ。価格はノーマルの約100万円高となるが、予算が許すならその価値はあると思える上質さを持ったクルマであった。作り手の熱意が伝わるクルマはやっぱりいいね!(本誌・飯干俊作)
開発責任者 辰己英治氏の思い

アルカンターラとレザーを組み合わせた専用シートは秀逸。これも魅力のひとつだ
開発責任者 辰己英治氏の思いクルマは作り手の思想が表われるから面白い。レガシィSTIはそれを実感させるクルマだ。今回開発の指揮を執ったのは辰己英治氏。スバルのトップガンとして、さまざまなクルマの開発をしてきた辰己氏は、昨年10月にスバルテクニカインターナショナル(STI)に移り、このレガシィSTIを仕上げた。以下は辰己氏の話。従来はチューニングカーというと足を固めてローダウンにして……というのが王道でしたが、そうではなく、お客さんが乗りやすい、気持ちいいと感じてもらえるクルマを追求しました。総額で500万円近くするクルマですから、上質さを提供しないと満足してもらえないでしょう。目指したのは「運転がうまくなるクルマ」。つまり、ドライバーと一体になれるクルマです。乗り心地がよく、思いどおりに操れるクルマということですね。また、ドライバーだけでなく、乗員も気持ちいいと感じられるクルマにしたかった。私は見た目のハデさよりも、そういうほうが大事だと考えています。ただし、ノーマルよりも遅くなってはいけない。実際、このクルマも富士重のハンドリングコースではノーマルよりもずいぶん速いタイムで走ります。今後のSTIのクルマはすべて、このクルマで表現した「しなやかで上質で、それでいて速い」という方向でいきたいと思っています。