【トヨタ】急発進による事故を抑制する技術・ドライブスタートコントロールシステムとは

goo-net編集チーム

トヨタの「ドライブスタートコントロールシステム」は、
駐車場内での衝突事故の被害軽減を目的に開発された技術です。
エンジンやモーターの出力制御によって車体の急な飛び出しを抑制し、
思わぬ衝突事故のリスクを防いでくれます。

今回は、トヨタの「統合安全コンセプト」に基づき開発・導入された、
ドライブスタートコントロールについて解説します。

シフト誤操作の被害を軽減するドライブスタートコントロールシステム

駐車時の前進・後退操作の時に、急に子供が飛び出してきたり、車が横切ったり、
何か想定外の障害物の接近による「思わぬアクシデント」が起こると、
通常とは異なる「シフトの誤操作」によって大きな事故を起こしてしまう可能性があります。

例えば、アクセルを踏んだ状態で、
シフトをリバース（R：後退）からドライブ（D：前進）にシフトチェンジすると、
車は前方に急発進し、人や壁などの障害物に接触してしまうといった、
大きな物損事故・人損事故に発展する事例が挙げられます。

ドライブスタートコントロールシステムは、
ディスプレイの警告表示によりドライバーへ注意を促すとともに、
万一の衝突事故の際もエンジンの出力を自動制御することによって、
大事故に至らぬよう被害を軽減させるシステムです。

ドライブスタートコントロールはどのように働いているのか

ドライブスタートコントロールシステムは、駐車場での事故防止に大きな力を発揮します。

例えば、駐車場でバックして駐車しようとして何かと衝突した時、
上記の例のように慌ててアクセルを踏んだままリバース（R：後退）からドライブ（D：前進）に、
シフトチェンジしてしまった場合、ドライブスタートコントロールが作動します。

システムが不意な操作と認識し、RからDにシフト操作した段階でディスプレイに警告が表示され、
自動でエンジンもしくはハイブリッドシステムの出力が抑えられ、
急発進・急加速が抑制され、衝突、被害の軽減に作用します。
あくまでも作動はアクセルを踏み込んだままでのシフト操作が対象になります。

ドライブスタートコントロールは以下のシフト操作を想定しています。

・「R」→「D」
・「D」→「R」
・「N」→「R」
・「P」→「D」
・「P」→「R」

ドライブスタートコントロールを開発したトヨタの想い「統合安全コンセプト」

ペダルの踏み間違いによる事故は毎年7,000件程度起こっており、決して少ない数とは言えません。
また、事故の特徴として他の操作ミスに比べて死亡率が高いことが問題視されています。

「統合安全コンセプト」は、全ての安全システムをさらに連携することで、
「事故を起こさない車」の実現することを目指したトヨタの安全への想いです。
トヨタは「モビリティ社会」の究極の目標でもある「交通死傷者ゼロ」を目指し、
車の安全性の追求に取り組んでいます。

ドライブスタートコントロールシステムは、この「交通死傷者ゼロ」の実現に向け、
インテリジェント・クリアランス・ソナー（障害物を認識したあとエンジン・モーターを抑制し、
衝突を防ぐシステム）とともに開発された、
操作ミスによる事故の減少、被害の軽減に寄与する技術です。

ドライブスタートコントロールシステムは、現在、アクアやプリウスをはじめ、
クラウンシリーズやアルファード、MIRAIなど、コンパクトカーから最新のハイブリッドカーまで、
さまざまな車種に導入されています（2017年8月現在）。

トヨタの目指すモビリティ社会の目標「交通死傷者ゼロ」の達成のため、
今後さらに導入が増えていくことでしょう。