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更新日:2020.01.08 / 掲載日:2017.08.27
【フォルクスワーゲン】高出力・省燃費のTDI(ターボディーゼルエンジン)とは

goo-net編集チーム
現在フォルクスワーゲン車に搭載される新世代エンジンにはガソリン車のTSIに対し、
ディーゼル車のTDI(ターボディーゼルエンジン)があります。
ディーゼル車の普及率が50%を超える欧州市場に続いて、
日本でもクリーンでパワフルな新世代のディーゼル車への関心が高まってきました。
中でも高効率な直噴型ディーゼルエンジンに過給機を組み合わせ、
ガソリンエンジンにも劣らない走りと低燃費を実現した、
TDI(Turbo Direct Injection)について説明します。
TDI技術の背景
1970年代半ば、ディーゼルエンジンといえば、トラックやバスなどのエンジンがメインで、
振動や騒音、乗用車として要求されるパワーの面で、
小型車に搭載されることは現実的でないとされていました。
その中で、フォルクスワーゲンは1.5Lディーゼルエンジンを実用化し、
1976年に初代ゴルフに初搭載しました。
その後、研究開発が進み、1980年代半ばには、
フォルクスワーゲンはディーゼルエンジンの分野で、
世界の中心メーカーとして数えられる存在となっていました。
燃費性能に優れ、ガソリンエンジン並みのドライバビリティを持つディーゼルエンジンは、
驚きを持って市場に迎えられました。
1989年にはターボチャージャーを組み合わせた、
ハイパワーディーゼルターボエンジンが市場投入され、これが現在のTDI技術の礎となりました。
TDI技術の機能
フォルクスワーゲンのTDIは、歴史に裏打ちされたディーゼルエンジン技術で、
幅広いラインナップが用意されています。
直噴型ディーゼルエンジンに、
スーパーチャージャーやターボチャージャーなどの過給機を組み合わせ、
ディーゼルエンジンならではのトルク豊かなエンジン特性と低燃費性能が特徴です。
現在1.2Lから4.2Lの6つのユニットがあり、パワーも70psから、
V型8気筒+ツインターボ+電動式コンプレッサー(世界初)を搭載する435psまであり、
ダウンサイジングのコンパクトで経済性の高いタイプから圧倒的なパワーをうむトップモデルまで、
さまざまなエンジンが用意されています。
ひと昔前であれば、考えられなかったディーゼルエンジンの技術の進歩です。
ディーゼルエンジンは、非常に高い燃料の噴射圧力が求められます。
噴射のタイミングと燃料の緻密な制御が非常に重要な要素です。
TDIは技術的に難関だった2000気圧という高圧噴射をコモンレールタイプの燃料噴射装置、
ピエゾエレクトリックインジェクターの採用で実現しました。
これにより、低燃費と高出力を得ることができたのです。
ドイツ車のフォルクスワーゲンは、環境問題の取り組みに敏感な欧州で育ちました。
さらに国内にはメルセデス・ベンツ、BMW、アウディなどのプレミアムブランドメーカーがいます。
この中で小型車がメインのフォルクスワーゲンが生き残るためには、
大衆に支持される経済性能、環境性能などの取り組みが必要でした。
このような背景もあり、フォルクスワーゲンのTDI技術が研ぎ澄まされていきました。
現在もアウディは積極的にTDIを搭載したレース車両を走らせ、
走る実験室といわれる過酷な環境下で得られた情報を市販車にフィードバックしています。
今後もアウディの高い性能を持つTDI技術は進化し続けることでしょう。