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更新日:2020.01.08 / 掲載日:2017.08.26
【いすゞ】世界に先駆け量産型電子制御式自動5段変速機「NAVi 5」とは

goo-net編集チーム
「NAVI-5」とは、いすゞが1984年に実用化した、電子制御式5段セミオートマチックトランスミッションのことです。
マニュアルトランスミッションをベースに電子制御で自動変速を行うシステムであり、「他にはない画期的なシステム」として注目を浴びました。
今回は、いすゞが世界に先駆け開発した自動変速システム「NAVI-5」について解説します。
世界初のMT完全自動化でさまざまな業界から賞賛
1984年、ロックアップ機能付きAT(3速)と5速MTの2種類のミッションを採用していた、FFミドルセダン「アスカ」に「NAVI-5」が搭載されました。
乾式クラッチを持つマニュアルトランスミッション(MT)をベースに、すべて自動でシフトチェンジ&クラッチ操作するセミオートマチックトランスミッションは、「NAVI-5」が世界初です。
シフトチェンジやクラッチ操作のタイミングは、ベテランドライバーの操作や感覚を人間工学的分析し、そのデータを基に、ECU(コントロールユニット)により電気信号を機械操作へ置き換えることで、誰でも高度で安定したシフトチェンジ&クラッチ操作が可能になりました。
完全自動シフトとマニュアルシフトが選択でき、マニュアル操作の場合は、ダブルクラッチ操作を自動化してくれる高度なマニュアルチェンジが可能となり、積極的なスポーティドライブが愉しめる、画期的なトランスミッション(セミオートマチックトランスミッション)です。
誰でも最適化したクラッチ・シフト操作ができるため燃費性能も良く、ダイレクトで高度なプロドライバー並みの走りも愉しめる点が、「NAVI-5」最大のメリットと言えるでしょう。
また、トルクコンバータ式自動変速機を使った通常のAT車と違い、クラッチにより動力を完全に遮断することができるため、クリープ現象(アイドリング状態でブレーキを開放すると車がゆっくり動く現象)が起きません。
そのため、AT車にありがちな「不意な発進」による事故を防ぐことができます。
その他、ベースがMTのため、バッテリートラブルの緊急時でもエンジンを押しがけできるメリットもあります。
「NAVI-5」の評判は自動車業界だけにとどまらず、マニュアルトランスミッション(MT)を全自動5段変速機として電子制御・完全自動化した、世界初の事例として、建設機械メーカーやエレクトロニクスメーカーなど、様々な業界から高い評価を得ることになりました。
「NAVI-5」の遺伝子は各方面に受け継がれる
いすゞが電子制御式自動5段変速機を世界で初めて実用化してから、30年以上の年月が流れました。
「NAVI-5」は当時の実用レベルのATとはかけ離れた発想のもとに誕生した、エポックメイキングなトランスミッションです。
今ではMTをベースにした自動変速機(セミオートマチックトランスミッション)は、建設機械から大型商用車、レーシングカーなど幅広く活躍していますが、その活躍・発展も、いすゞの「NAVI-5」が礎と言えるでしょう。