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更新日:2020.01.08 / 掲載日:2017.09.11
【トヨタ】空気抵抗を減らし燃費を向上させるグリルシャッターとは

goo-net編集チーム
車にとって空気抵抗の減少は低燃費や走行性能に繋がるため、
自動車メーカーが取り組むテーマの中でも重要な命題と言えるでしょう。
トヨタの空気抵抗減らす空力テクノロジーに、グリルシャッターがあります。
車両のフロントグリルに工夫を凝らして空気抵抗を減らし、低燃費を実現させるものです。
グリルシャッターの特徴
グリルシャッターは、フロントバンパー下部に取付けられている自動開閉する装置です。
走行速度やエンジンの水温に応じてシャッターが開閉する仕組みです。
空気抵抗の減少におおいに役立つ一方で、
エンジンの暖機・冷却にも役立つ仕組みで、エアコンの負荷軽減にも寄与し、
シンプルな発想ながらも高い効果の得られる実用的なシステムです。
その効果は次の2つです。
グリルシャッター閉
・前面で受ける空気を床下に導き、床下の整流効果を向上
・エンジン温度が低ければ、シャッターを閉じで暖機効率を高める
グリルシャッター開
・エンジン温度が高ければ、シャッターを開けて冷却効果を高める
グリルシャッターが閉じた状態では、この部分に当たる風を床下へうまく導く設計になっています。
効果的に整流をコントロールすることで空力抵抗の減少や走行性能の向上に大きく役立っています。
グリルシャッターの背景
トヨタのグリルシャッターは、2012年発売の「レクサスGSハイブリッドモデル」に続き、
4代目プリウス、クラウンシリーズの現行クラウンマジェスタにも採用されました。
プリウスへのグリルシャッターの搭載は4代目が初めてで、
パワーユニットの最適化や車自体の軽量化と並んで空気抵抗の減少をはかることで、
優れた燃費性能を達成しました。
開発にあたっては、世界最高性能を誇る新型の風洞実験施設で空力性能を実験してきました。
この結果を基に世界トップレベルのCd値(空気抵抗係数)を可能とし、
先代の0.25から0.24へ減少することに成功しました。
空気抵抗を減らすことはエコロジー性能と切っても切れない重要なテーマです。
単に空気抵抗を減らすだけでは、タイヤの接地感が乏しく、
車の安全走行面ではデメリットも生じるためです。
効率的な整流を行うことで、燃費性能と走行性能のバランスを両立させました。
グリルシャッターの開発は、エンジンの暖機・冷却効果も向上させた、
「一石三鳥」とも言える実用的なアイディアです。
トヨタが世界に誇るハイブリッドカーである、
プリウスやプレミアムカーに欠かせない、燃費性能や走行性能を高める空力技術として、
「グリルシャッター」は今後も進化し続けることでしょう。