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更新日:2020.01.08 / 掲載日:2017.08.22
【トヨタ】スーパーストラットサスペンションのメリット・デメリットとは

goo-net編集チーム
トヨタが90年代に開発したスポーティモデル用「スーパーストラットサスペンション」は、高い性能から大変話題になりました。
1991年にカローラレビンと兄弟車のスプリンタートレノに初採用され、操縦安定性とグリップの限界性能を大幅に高めた画期的なサスペンションと言われました。
スーパーストラットサスペンションの開発の背景やメリット・デメリットについて説明します。
スーパーストラットサスペンションの特徴
スーパーストラットサスペンションは、従来のマクファーソンストラット式サスペンションの改良版です。
サスペンション下部にロアアーム部分を追加し、車の動きでサスペンションが上下する際のキャンバー角に対し、その変化を抑制させる働きを持たせました。
その結果、足回りの剛性や安定感が大幅に向上し、スポーティな特性から、スーパーストラットサスペンションを搭載する車種は、車好きの若者を中心に「SSサス」の愛称とともに多くの支持を得ました。
スーパーストラットサスペンションの開発背景
スーパーストラットサスペンションは、当時、高級車を中心に搭載していた、コストの高いダブルウィッシュボーン式に対抗するため、開発されました。
当時のレビン/トレノは、比較的若年層をターゲットにリリースされた車種です。
そのため、コストを抑えて操縦安定性・グリップ性能が大幅に向上する、スーパーストラットサスペンションは大変魅力的な技術でした。
採用車種の拡大とともに人気が高まり、一大ブームを巻き起こしました。
スーパーストラットサスペンションのメリット・デメリット
スーパーストラットサスペンションのメリット・デメリットを見てみます。
【メリット】
1.剛性の確保と摩擦低減を実現
人間の関節のような役割を果たすボールジョイントを積極的に採用し、足回りの剛性の確保とタイヤの摩擦低減を実現。
2.走行安定性能やグリップ性能の向上
路面の凹凸に対するキャンバーの変化量が少ないため、走行安定性能やタイヤのグリップ性能が向上。
【デメリット】
1.バネ下重量の増加
マクファーソンストラット式に比べると、ロアアームが追加され、剛性の高いパーツが使用されているため、バネ下重量が増加する。
構造上、サスペンションストロークがやや不足になり若干最小回転半径の面で不利となる。
2.交換作業が複雑で対応できない業者もある
特殊な構造から、パーツ価格も割高であり、セッティングが難しい点もあり、交換作業は熟知した業者でないと対応できないケースもありました。
スーパーストラットサスペンションは、シンプルな構造ながら高い性能が得られ、カローラレビン、スプリンタートレノ、セリカなど、スポーティなモデルに採用されました。
車両価格を抑えて走行性能を高めるという、相反する問題点を解決した画期的なサスペンションとして注目を集めました。
旋回性能の高さは目を見張るものがあり、今でも語り継がれるエポックメイキングな技術と言えるでしょう。