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更新日:2020.01.08 / 掲載日:2017.08.07
【ホンダ】SRSエアバックシステムの特徴と開発秘話とは

goo-net編集チーム
万が一の事故の場合に、乗員・乗客を衝撃から守ってくれる乗客保護を目的とするのが、エアバッグシステムです。
正式には「SRSエアバッグシステム」と言います。
ホンダは1971年よりその研究を始め、16年の歳月をかけて、日本で初の国産車向けSRSエアバッグシステムを完成させました。
16年の歳月に何があったのか、開発秘話を含め見ていきましょう。
SRSエアバッグシステムとは
そもそもSRSエアバッグの「SRS」とは何の意味でしょう。
これは「Supplemental Restraint System」の頭文字をとったもので、直訳すると「補助拘束装置」ということになります。
つまり、SRSエアバッグはシートベルトの装着を前提にシートベルトの効果を補助し、乗員を保護するための装置です。
エアバッグの歴史は1960年代まで遡り、1970年代以降ゼネラルモーターズやダイムラーベンツの高級車に採用されていましたが、故障率が高かったり、高価だったりと、なかなか一般車には普及までには至りませんでした。
ではホンダが16年という長い年月を開発にかけた理由は何でしょう。
途中、開発中止命令が下されるなど開発が暗礁に乗り上げることもありました。
それは、絶対に完成させるという固い信念と、「ドライバーの身を守る安全システムに誤作動は許されない」という、揺るがない決意があったためです。
そのため、家一軒分にも相当するほどの実験用車両を何台も壊し、最終的に工学的には設計できない故障率が「ゼロ」に近い99.9999%という究極の信頼性を達成し、1987年にようやく同社の旗艦モデルであるレジェンドに初めて搭載されました。
ホンダのエアバッグシステムの搭載により、国産自動車メーカーも積極的に開発を進め、今では義務化される前にほとんどの車種に標準装備されるほど普及しています。
SRSエアバッグシステムの基本はシートベルト
前述の通り、SRSエアバッグシステムは、シートベルトを補助し乗員を保護するための装置です。
シートベルトの着用がなくては、SRSエアバッグが作動しても乗員へのダメージを減らすという本来の効果は得られません。
この車はエアバッグがついているから大丈夫などと言わずに、SRSエアバッグ装備車に乗る時も、必ずシートベルトを締めるようにしましょう。
ホンダSRSエアバッグシステムの進化
ホンダのエアバッグ開発は1987年以降も確実に進化し続けています。
現在は世界初の体型に配慮した「i-SRSエアバッグシステム」へと進化し、運転席用は「連続容量変化タイプ」となり、圧力は一定のまま、小柄でステアリングに近いドライバーには早く膨らみ、大柄でステアリングから遠いドライバーには「より長く膨らむ」ように改良を加えていきました。
さらに衝突する速度で膨らむ速さを変えるなど、安全への追求は常に進化を続けています。
当初のエアバッグシステムは運転席と助手席の正面からの衝撃緩和を目的としたタイプでしたが、現在では側面からの衝撃を緩和する「サイドカーテンエアバッグシステム」、前席の乗員のひざの保護を目的とする「ニーエアバッグシステム」など、さまざまなタイプのエアバッグシステムが開発されています。
今後もエアバッグシステムは重要な乗員・乗客保護システムとして進化し続けるでしょう。