中古車購入
更新日:2026.06.03 / 掲載日:2026.06.02
自動車鑑定のプロに聞く、第三者機関による鑑定の重要性とは|業界人インタビュー

2005年のスタート初年度の鑑定台数は342台。「消費者目線」で自動車流通の「健全化」に貢献し続ける日本自動車鑑定協会。
スタートから21年目の25年には、累計鑑定台数800万台を突破、中古車市場の活性化、業界の健全化を常に求め続けてきた。プロトコーポレーション(白木享社長)が展開する「グー鑑定」も着実に鑑定台数を積み重ね、両社が一体となった業界健全化の取り組みは年々、存在感を高めている。
「業界健全化」のための「第三者機関」の重要性や今後の役割などについて、日本自動車鑑定協会(JAAA)の剣持純也理事長に聞いた。
(掲載されている内容は「プロト総研 / カーライフ」2026年4月掲載記事【中古車市場の活性化と業界の健全化を目指して/対談企画②】を転載したものです)
常に追求し続けた「消費者目線」のサービス
Q1)多くの情報を扱うメディアの立場から、昨今の中古車業界に対する「消費者の視線」の変化をどう見ていますか?
白木:円安などの影響もあるが、中古車の価格自体がかなり高騰しています。こうした中で、クルマ自体の価値を正しく伝えていくことがわれわれの役割だと思っています。
一物一価が中古車の素晴らしいところでもありますが、状態は常に変化しています。これを正しい評価をしてユーザーに伝えていくことが役割。最近は購入者もあらゆる情報収集手段があり、ハードルはどんどん上がっています。
販売店はユーザーに対して正確にクルマの状態を伝えることが不可欠で、鑑定が軸になると考えています。
Q2)JAAA設立から現在まで「第三者機関による鑑定」の「意義」や「必要性」はどう変わってきましたか?
剣持:累計では800万台を超える鑑定を実施してきましたが、初年度は300数十台というところから始まりました。今では街中でJAAAの鑑定済みシールを貼ったクルマもよく見かけるようになりました。
一方で、まだまだ普及率は低く、販売店が活用し切れていないのではないかと思うことがあります。販売店は信頼と自信の証として利用していただきたいし、ユーザーにはクルマを買う時に、鑑定証の存在とその価値を知っていただけるような「文化」を醸成していきたい。
中古車を選ぶ際の情報の非対称性を解消する一つのツールとして、必要性を感じていただきたい。
Q3)相次いだ不正問題を経て、今まさに業界が直視すべき「共通の危機」とは?
剣持:消費者目線を忘れてはいけない。これに尽きると思います。消費者を裏切ることは自分たちの市場を狭めることになります。

Q4)JAAA設立の原点の考え方は?また、改めて「第三者機関による鑑定」の重要性が高まってきていると思いますが、新たな役割は?
剣持:JAAAは2005年に設立しましたが、それまで私が見てきた中古車業界の一部には、消費者目線が置き去りにされてきたように感じます。
私自身として、習得した検査技術を役立てることで、消費者を保護できる仕組みが出来るのではないでしょうか。展示場に並ぶクルマを鑑定することで、その情報を開示すれば販売店は売りやすくなる、ユーザーは買いやすくなると考え、協会設立を考えました。
また、新たな役割としては、自動車の検査というものは、個々の中古車の瑕疵(かし)を見つけ出してデータ化するという役割から大きく前進させることは難しいですが、より役立つサービスとして販売店が使いやすい仕組みにしていくことと、精度の高い鑑定結果に客観性と説得力を加えてユーザーに開示していくことは考えています。
Q5)メディアとして「情報の透明性」を高めるために「第三者機関による鑑定」がどのような役割を果たしているのでしょうか?
白木:剣持理事長がおっしゃる通り「消費者目線」が大切。メディアや販売店は第三者ではないので「第三者機関」の役割が今後ますます重要になっていきます。
私自身も街中でJAAAのシールが貼られたクルマを見るととても嬉しくなります。これが一つのブランドであり、安心感を醸成していると感じています。
今後はクルマの価値そのものを高めるものの一つとして発展していく。消費者が安心して購入できる基準になるので、今後もますます透明性を高めていきたい。

Q6)「中立的な立場」から情報を開示し、信頼を可視化することの重要性についてどう考えますか?
剣持:鑑定師の意識づけが大事な時期にはなっています。また鑑定台数が増大する中でオーバーワークになっている可能性もあり、一台一台の中古車への思いが薄れてしまわないようにしなければならないです。
一方で、中古車は過去のユーザーの扱い方、機関系や車体の修理履歴が一台一台異なっていたりして、まさに一物一価。その商品を欲しがるユーザーのニーズも多種多様です。
「第三者」という体裁は絶対であり、「客観性」と「説得力」を持った鑑定結果を開示していくことで、少しずつでもユーザーの信頼を勝ち取っていきたいと考えています。