上品に乗りたいヨーロピアンコンパクト

　アウディのエントリーモデル「A1」を5ドア化したハッチバック「A1 スポーツバック」。エレガンスとインテリジェンスを感じさせるデザインはコンパクトクラスとは思えない高級感が漂い、乗ればキビキビと軽快に走る。3名以上乗車する機会は少なくても、リアドアがあるとないとでは利便性は大ちがい。バッグなどちょっとしたものを後部座席に乗せるだけでも、5ドアの恩恵は十分に感じられる。買い物などの日常使いにもドライブや旅行にも、ストレスなく快適に使えて走る楽しみも満喫できる1台だ。

　クルマとしての軽快さ、トータルバランスは、999cc直3のダウンサイジングターボエンジンを搭載する「1.0 TFSI」がベスト。ただし2015年3月に追加されたグレードのため中古車市場での流通量が少なく、価格も250万円～300万円と高めになっている。入手しやすさでは「1.4 TFSI」に軍配があがる。相場も200万円前後とこなれてきている。

　正統派のコンパクトカー。ボディタイプは5ドアハッチバックで、前席の頭上までのびる前後長135mmの大きなフロントウィンドウ「ゼニスウィンドウ」が特徴となっている。ゼニスウィンドウには通常のガラスにくらべて熱伝導率5分の1以下、紫外線透過率12分の1以下となる特殊加工を施し、任意の位置に固定できるスライド式サンバイザーを備えるなど、開放的な視界を確保しながら強い直射日光による室温の上昇やジリジリ感を低減。全体にやや丸みを帯びたエクステリアはフレンチハッチバックらしい軽やかさがあり、上質感のあるボディカラーが揃っているのも大人向け。シトロエンらしい乗り味もしっかり感じられる。

　フランスではルノー、プジョーと並ぶ3大自動車のひとつだか、なぜか日本ではややマイナーな存在のシトロエン。「C3」も、クルマとしてのデキはいいし乗る人のセンスのよさを感じさせる1台なのだが販売台数は多くなく、中古車のお得度もかなり高い。近年のプジョー車にくらべてデザインは、フランス車らしいエスプリが利いていて優雅。2013年のマイナーチェンジ後で170万円～200万円、マイチェン前なら100万円前後から手に入る。

　ちょっと「攻めてる」感じを演出したい方には、「ベイビー・アルファ」と呼ばれるアルファロメオの3ドアハッチバック「ミト」がおすすめ。アルファロメオらしい大人の色気を感じさせるデザインと、上質なレザーを使った質感の高い内装、最新技術が融合していて、純粋に「楽しい」と思わせてくれる。マイナーチェンジ前のモデル（－2013）は120万円～180万円と相場もこなれてきているので、セカンドカーとして所有してもいいかもしれない。