中古車購入
更新日:2018.11.29 / 掲載日:2015.09.18
Buyer’s guide 中古車を買うときのルールBook

中古車選びには、おもしろさと同時に難しさがあります。そこで今回は、中古車購入を成功に導くルールを紹介!これを守れば大丈夫!中古車購入を5つのステージに分けて、それぞれに役立つノウハウを伝える「中古車を買うときのルールBOOK」。ビギナーはもちろんのこと、経験者のみなさんにも、ぜひ改めて読んで参考にしてもらいたい内容です!
Rules1 予算決定 のルール
Rules2 車種選定 のルール
Rules3 物件選び のルール
Rules4 販売店でのルール
Rules5 クルマを売るときのルール
Rules 1 予算決定のルール 予算とは「車両価格」だけにあらず
あるようで無いのが予算 無理のない計画を立てよう
1.毎月の支出を計算する
中古車を買うときに、つい車両本体価格のローン支払い金額を「クルマに支払う金額」と考えがち。なので、月々2万円程度の支払いなら無理なく購入できると思ってしまうものだ。しかし実際には、クルマにまつわる毎月の支出というのは、車両本体のほかにもある。とくに忘れてしまいがちな1年に1度、2年に1度の支出についても、月額に換算して予算組みする必要がある。
車両価格以外に毎月かかる費用
駐車場代 | 10,000円 |
---|---|
税金(重量税、自動車税) | 12,300円 |
任意保険料 | 3,340円 |
ガソリン代 | 6,020円 |
点検代(12カ月点検、車検) | 9,000円 |
合計 | 40,660円 |
※排気量1200ccの普通乗用車(車重1.1t)の場合、燃費を18km/Lで年間走行距離1万km、ガソリン代130円/Lで算出。任意保険料は年間約4万円で計算。点検代は12カ月点検を15,000円、車検を90,000円にて計算。
2.本当の予算は予算の8掛け
幸せな中古車購入を実現するための大切なルール、それが予算をギリギリよりも8割程度まで落とすこと。それによって購入できる車両のランクは下がってしまうかもしれないが、代わりに金銭的なゆとりがもたらす心の平穏、ちょっとしたトラブルにも対応できる余裕は大きい。もしもそのままお金を使うことがなければ、それをそのまま次のクルマの頭金にするのもいい。心の余裕は満足度につながる。
3.お得感のラインは「年間40万円」
維持費の安さが魅力の軽自動車だが、販売価格はコンパクトカーよりも割高の傾向。年間で結局いくら使うことになるのか計算したい。
「車両価格+メンテナンス費」を乗った年数で割った金額が40万円よりも多いか少ないか、これがひとつのお買い得感のラインと言える。例えば150万円で購入したクルマを3年後に30万円で手放したとしたら、1年あたり車両にかかった費用は40万円ということになる。もちろんひとによって捉え方は変わってくるが、月額3万3400円と考えるとわかりやすいだろう。
Conclusion 余裕を残すことが幸せにつながる
クルマのせいで節約生活ではつまらない!
クルマはあくまでも生活を豊かにするための道具であって、コレクターのような一部の趣味人でもないかぎり、クルマだけが手元にあってもあまり意味がない。本来の予算以上のクルマを購入したせいで出かけることができなくなったり、緊縮財政を強いられるようではクルマを買った嬉しさも半減してしまうというもの。買うときだけでなく、買ってからの生活にも関わる問題だけに、予算は厳しくチェックすべし。
Rules 2 車種選定のルール 自分にとっての「お買い得」を探す
イメージと思い込みでの車種選定は新しい出会いの可能性を減らしてしまう
生活も含めて「ちょっと先」を見とおす

クルマ選びの最初のステップであり、最大のポイントでもある車種選定。
ここでいかにいいチョイスができるかどうかが、中古車購入の成功の鍵を握っている。
中古車を買うならば、新車よりもお買い得でなければ意味がない。そして同時に、これから数年いっしょに過ごす愛車として十分な性能と耐久性を兼ね備えている必要がある。
クルマ好きほど陥りがちな失敗が、「自分は◯◯派」、「次は△△に乗る」と最初から決めてしまうこと。クルマはモデルによって、傑作もあれば微妙な世代もある。先入観で車種を決めてしまうのは危険だ。
クルマ選びは自由な発想でクールに行うのがベスト。メーカーやモデルを限定せず、気になるクルマに加え、ライバルについても情報を集めて検討することをルールにすべし。
その結果、最初から気になっていたモデルがベストだと判断できれば、自信を持って次のステージに進もう。
1.メーカーを限定しない
ライバルの動向を見ながら常にクラストップを目指して進化しているミニバン。だが、それぞれにほかのモデルにない個性やクセのようなものもあるため、イメージだけではなく、実車を見比べて相性を調べたいもの。
2.ライバルを比較する
例えば「コンパクトで走りのいいモデルがほしい」と思ったときに、頭のなかにあったモデルだけではなく、同じような性能を持つほかのモデルを調べ、比較検討することをルールとしてもらいたい。その理由は、ターゲットにしているクルマの相場観を養うのに最適だから。自分の好きなクルマはつい甘く点数をつけがちで、多少高くてもほしくなるもの。冷静な判断を下すためのルールだ。
3.世代にまたがって考える
多くのクルマは4年~6年に一度、フルモデルチェンジと呼ばれる全面改良で世代交代を行う。当然それによって商品力はアップするため、中古車市場では新型の人気が高く、価格も上。そうなると先代モデルの中古車価格は今までよりも大きく下落することが多い。そうなると同じ予算ならば、現行型よりも先代の方が価格に対する価値が高い場合が出てくる。これは必ず確認しよう。
4.家族にヒヤリングをする
クルマ購入で意外と深刻なトラブルに発展するのが、家族やパートナーとのコミュニケーション不足。よかれと思っての選択でも、そこに参加できなかったひとはおもしろくないもの。また、自分では気がつかなかった視点やニーズというのもあるので、自分だけで車種を決めることはせず、候補を提示していっしょに選ぶことをオススメする。また、そうやって選んだクルマならば、家族にとっても大切な存在になり、後々までいい思い出となる。
5.3年後の生活を考える
現在クルマを長く乗るひとが増えてきている。景気の影響もあるが、クルマの耐久性も昔より大幅に向上しているからだ。例えば3年落ちのクルマでも、5~7年乗るのは普通のこと。そうなると、その間にライフスタイルの変化が起きる可能性は十分にある。現在のニーズだけでなく、3年程度近い将来の生活も見据えてクルマ選びを行うことをルールとしたい。
維持費が気になるひとのためのルール
減税対象車から選ぶ
少しでもクルマにまつわる出費を減らしたいというならば、エコカー減税対象車から選ぶのもひとつのやり方。減税対象車だと、最大で自動車取得税や重量税が全額免除されるのでそのメリットは大きい。全額免除となるのは、電気自動車やプラグインハイブリッド、クリーンディーゼル車などの次世代自動車に加えて、平成32年度燃費基準+20%を達成したモデル。新しめのモデルであれば、全額までいかなくても一部が減税となるので、燃費性能についても要チェック項目としておきたい。
Conclusion 高いクルマがいいクルマとはかぎらない
「大型ミニバンを買ったけど無駄だった」はもったいない
先を見とおせないと人間は「大は小を兼ねる」選択をしてしまいがち。経済的に余裕があればそれもまたよしだが、大きさを持て余してしまうのはもったいない話。よくある失敗談は、豪華な大型ミニバンを買ったものの、普段の買い物に使うには不便なので軽自動車を買い足したというもの。高いクルマを買えば必ず幸せになれるとはかぎらない。生活にジャストフィットするクルマを安く買う、これがベストだ。
※すべての価格は参考価格です
※中古車参考価格はすべてGoo-net8月調べ

Rules 3 物件選びのルール 大切なのは相場を読み取る力
膨大な物件データのなかから最高の1台を見つけるためのルール
1.市場価格の調査は購入2カ月前から

※ナンバープレートはハメ込み合成です。
クルマを買い換えるのにもっとも必要なのは、一も二もなく情報だ。
情報があれば正しい判断が下せて、その結果幸せなカーライフを送ることができるというものだ。
中古車購入に必要な情報といえば、ズバリ「中古車相場」にほかならない。車種の候補が決まったら、それが現在どのような価格帯で取引されているのかを、いろいろな角度から詳しく調べる必要がある。
そして、そのときにルールにしてほしいのが、クルマを実際に購入する2カ月前から中古車相場をチェックし始めるということ。
ひとつの理由は、ある程度長いスパンでチェックすることで相場感がつかめるため。そしてもうひとつの理由が、価格の変化を見極められるためだ。上昇傾向にあると判断した場合は、予定より早めの購入に動くことも必要となってくる。
2.価格帯検索は上限下限をワンランクずらす
インターネットの検索機能を使うときに便利なのが価格帯による絞り込み。たしかに膨大な情報すべてをチェックするのは現実的ではないので、時間短縮のためにも使いこなしたい。しかし、あまりにも絞り込みの範囲を狭くし過ぎると微妙な価格の物件をスルーしてしまうこともある。例えば予算150万円ならば、100万円~200万円ではなく、50万円~250万円の範囲で検索しよう。
知っておきたい中古車価格の仕組み
価格が高いときはあまり売れないが、徐々に価格を下げればどこかで買い手がつく。それの平均値がいわゆる「相場」だ。かつては全国に相場情報が広がるまでに時間がかかったが、この情報化社会ではそのタイムラグはないに等しい。仕入れ価格や販売実績のようなものはすぐに広まり、平均化されていく。つまり、地域や店舗による価格差はあまりないのが現在の中古車業界なのだ。
相場が高いクルマ、安いクルマの傾向
相場が高いクルマ、安いクルマの傾向
■相場が高いクルマ
人気が高くてすぐに売れる
市場に出まわる台数が少ない
絶版車・スポーツカー
■相場が安いクルマ
人気はあるが台数が多い
人気車種の型落ち
不人気色・不人気車
「掘り出し物」に過度な期待は禁物
3.グレードによる価格差を把握する

クルマは装備レベルによってグレードが異なり、当然価格にも差がついている。しかし、中古車となるとグレードごとの価格差はだいぶ圧縮され、1年くらいの年式差やちょっとした走行距離の違いで上級グレードとエントリーグレードが同じ価格になっていることもある。装備の内容によっては非常にお買い得感があるので、かならず装備と新車時の価格差はチェック。
4.年式による仕様の違いを把握する
中古車の物件情報に記載できる情報にはかぎりがある。そのため、年式による微妙な装備の違いなどは自分で調べることが必要。Goo-net.jpのカタログページには、そのクルマが何年にどのような改良を受けたかが掲載されているので、必ずチェックしたい。安いからといって飛びついたら、翌年モデルからは装備がもっと充実していたというのは、じつはけっこうある話だ。

見た目ではあまり変化を感じないスペーシアのマイチェンモデル。しかし、Sエネチャージやステレオカメラ式自動ブレーキなど内容充実。
5.こだわりはできるだけ減らす

中古車は世にたくさん存在するとはいえ、条件をつければつけるほどその対象は少なくなる。そうなると、つい数少ない物件のなかから選んでしまいがちだ。どうしても譲れない条件以外は柔軟に判断して、ときに諦めるのがいい中古車と出会うためのコツ。とくにスポーツモデルや販売台数の少ないモデルは絶対的な数が少ないので、コンディション優先で選びたい。
Conclusion ルールを定め、それを冷静に守るのが成功の鍵
Rules 4 販売店でのルール 「一目惚れ」を言い訳にしないために
冷静な判断と事前の準備で焦らず自分のペースで買う!
1.お店に求めるニーズを具体化する

クルマに個性があるように、中古車販売店にも個性がある。
新車から管理している良質車を保証付きで販売するディーラーから、コストパフォーマンスに優れた車種チョイスに自信ありの専業店、そしてマニアックなモデルの仕入れを行う専門店までさまざまだ。
そして、お店によって販売後のケアやサポート体制にも違いがある。多少コストがかかっても万全のサポートが必要なのか、コスト感覚に優れるツボをついたメンテナンスが嬉しいのかは人によって違う。
つまり、自分がお店に何を求めるのか、そのニーズを具体化して意識する必要がある。
販売店との付き合いを、クルマを買うだけに止めるのか、それとも長いものと考えるのか、自分の立ち位置をしっかりと把握しておくことが、上手な販売店選びのコツだ。
2.現車チェックはしっかり確実に
たとえ保証付き認定中古車であったとしても、購入前には可能なかぎり現車チェックを行うことをルールとすべし。その理由は、キズなどのコンディションをチェックする意味もあるが、実車を見て、実際に運転席に座ったり、荷室を確かめたりすることで、イメージと現実のズレをチェックする意味もあるからだ。また、納車後に不具合が見つかっても対応できない場合もある。
3.約束事は契約書に記載する
見積書の内容は必ず確認し、疑問点があれば遠慮せずに説明を求めること。逆に、ハンコを押してからサービスを求めてはいけない。
現車チェックの際に見つけたちょっとしたキズ。お店の営業スタッフからは、「納車時に直しておきます」と言われたが、やってもらえなかった・・・・・・。そんなトラブルを起こさないためにも、約束ごとはすべて契約書に記載すること。契約書に記載されていれば、ショップにはその内容を確実に履行する義務が発生する。口約束は約束にならないので注意しよう。
4.自分の話より相手の話
これまで自分がどんなクルマを乗り継いできたのか、どれだけクルマに詳しいか、まるで店員にアピールするように自分のことをしゃべり続けるユーザーがいるが、これは逆効果。プロの販売スタッフにとっては、あいづちさえ打っていればいい簡単なお客となる。必要なのは、相手やお店が信用できるかどうかを見定めること。信用できなければクルマを諦める慎重さがときに必要だ。
Conclusion クルマの良し悪しよりもむしろ販売店をチェックする気持ちで
Rules 5 クルマを売るときのルール 買取価格は徹底的に比較すべし
クルマの手放し方で買い換え予算が変わる
1.買取店は必ず比較検討する
新しいクルマを買うことに神経を集中していると、ついついおざなりになりがちだが、現在の愛車の売却もひとつの大きなプロジェクト。なぜならば、ベストケースとワーストケースで十万円以上の差がついてしまうからだ。やりとりに時間や手間はかかってしまうが、ここは仕事だと割り切って、複数のお店に買取りを依頼すること。その見返りはけっして少なくないからだ。
上手に買うひとが実践しているmyルール
●馴染みの店で乗り換えを相談する
物件ありきではなく、信頼できるお店を見つけてそこに相談をして探してもらうというやり方。お店としてもリピーターは大切にするため、いいクルマを見つけてくれる可能性が高い。
●実車確認をしても絶対にその日には決めない
時間をかけて物件選びをしていると、条件に合うクルマが見つかると「もうこれでいいか」と結論を急いでしまいがち。最後まで冷静な判断を下すためのルールと言えるだろう。
●高くても保証付きの中古車を選ぶ
中古車最大のリスクが故障。たとえ同じ条件の保証なし物件よりも5万~10万円高くなったとしても、安心を取るという考え方だ。また、保証付き中古車は高品質だという傾向がある。
●低年式の低走行・ワンオーナーをねらう
高品質な中古車をリーズナブルに手に入れたいひとのためのルール。コンディションにこだわると高年式車は高価、そこで年式を妥協することで車両価格を安くすることができるのだ。
●先代モデルの特別仕様車を探す

特別仕様車とは、通常モデルよりも装備を充実させることで商品力を引き上げたもの。とくにモデル末期になると、販売台数をキープするために特別仕様車が多くつくられる。それをターゲットにするわけだ。
売り時はいつ?年式と比例する買取相場を意識しよう
下の表はクルマの車齢と買取金額との関係をシミュレーションしたもの。数字はあくまでも仮のものだが、おおよそどのような感じで買取金額が下がっていくかのイメージはつかめるはず。ポイントは、買取したクルマが次にすぐ売れるかどうか。乗り続けるか売るかの判断は、常に頭のどこかに置いておくべきだ。
車齢 | 買取金額 |
---|---|
1年 | 200万円 |
2年 | 160万円 |
3年 | 120万円 |
4年 | 90万円 |
5年 | 70万円 |
6年 | 50万円 |
7年 | 20万円 |
8年 | 0万円 |
※新車価格200万円後半のクルマでの買取金額の想定。
まとめとして
ルールとは、自分を縛るものではなく中古車購入を成功に導くための手段
さて、ここまで予算決めから販売店選定および愛車売却まで、ステージごとにいくつものルールを紹介してきた。もしかしたら、考えなければいけないことの多さに、びっくりしてちょっと引いてしまうひともいるかもしれない。
しかし今回紹介したルールは、「やらなければいけないこと」ではなく、失敗やトラブルから自分を守り、中古車購入を成功に導くための手段。だから、まずは取り入れやすいものからマイルールにして、後のものは頭の片隅に置いておくだけでも十分だ。
それでも、多額の資本を投入して購入するクルマだけに、できるだけのことをしておきたいもの。そうすれば、後から「こうすればよかったかな・・・・・・」と後悔することもなくなるはず。ベストをつくして、最高の買い物をしよう!
※すべての価格は参考価格です
※中古車参考価格はすべてGoo-net8月調べ