徹底分析中古車相場
更新日:2018.11.21 / 掲載日:2018.03.02
【スバル XV】モデルチェンジで買い時到来!? 相場動向を徹底分析

2代目になって人気沸騰!? その理由とは
インプレッサがベースの小型クロスオーバーが「XV」。オンロード4WDの開発が得意なスバルゆえ、昔からありそうなコンセプトのクルマなのだが、初出は2010年と比較的新しい。しかし初代インプレッサXVは、ベースとなった3代目インプレッサのモデルライフ後半に登場したから、中古車の数が非常に少なく、新車当時もあまり目立った存在ではなかった。ところが2012年10月に発売された2代目は、車名から「インプレッサ」の表記が廃され、新たに「XV」として独立の車名を持つクルマに生まれ変わることになる。このベースとなった4代目インプレッサも先代のヨーロピアン風デザインから北米市場を意識した無骨なスタイルにイメチェンし、XV共々国内外で大ヒット! それまでスバルと言えばWRX STIに代表されるスポーツモデルのイメージが強く、通好みのマニアックなブランドという印象があった。それに対し、新世代インプレッサやXVは、アウトドアやレジャーが好きな一般層を囲い込み、一躍人気モデルとなったのである。
そして、その人気をさらに後押ししたのが、先進の安全装備「アイサイト」だろう。国内メーカーとしていち早く自動ブレーキシステムを取り入れ、「安全のスバル」というイメージを世に浸透させることに大成功。また、同時期にはステーションワゴンのレヴォーグも国内でヒットしており、度重なるアイサイトの改良と相まって、人気モデルを多数抱えるメーカーになっていった。
とはいえ、人気が高いクルマは中古車相場が下がりにくいもの。XVも、登場以降は高値をキープしており、中古車を選ぶメリットはあまり大きくなかった。そんななか、2017年5月には3代目XVがデビュー。この新型は新世代プラットフォームを採用し、クルマの作りが従来と大幅に異なるのが特徴で、走りの洗練さと高い環境性能を両立。さらにアイサイトVer.3が全車標準装備となり、さらなる魅力を獲得している。そして、新型への買い替えによって先代の中古車が市場に流通し、ここ最近ようやくお買い得な中古車が出まわり始めている。今回は、そんな先代XVの市場動向を分析し、ベストバイモデルを探ってみたい。
年式別の相場動向を知ろう

ここで2代目XVのヒストリーを振り返ってみよう。2012年9月にデビューし、当初は2.0L 4気筒のエンジンのみが設定されていた。2013年6月にはJC08モード燃費で最大20.0km/Lを実現するハイブリッド仕様が登場。標準車よりも20万円~30万円程度高かったが、発売後2週間での受注は目標の10倍と、好調なスタートを切っている。
2013年10月には全車が一部改良を受けたが、注目すべきは2014年11月に行われた改良である。このタイミングで、アイサイトがバージョン3へとアップデートされ、ステアリング操作をサポートする「アクティブレーンキープ」の追加や、自動ブレーキおよびクルーズコントロールの性能向上など、安全性にさらに磨きが掛かっている。
そして2015年10月にはマイナーチェンジが行われ、内外装のデザインをリニューアル。同時に、メーカーオプションで「アドバンスドセイフティパッケージ」が展開されたのがトピック。これは、アイサイトの前方検知に加えて、後方や側方もレーダーでモニタリングし、事故を予防するというもの。さらにサイドエアバック、カーテンエアバックも全車標準装備され、「安全のスバル」のイメージが確固たるものとなった。これらを踏まえ、年式別の平均価格をチェックしてみよう。
年式 | XV | XVハイブリッド |
2012年式 | 168万円 | ー |
2013年式 | 175万円 | 182万円 |
2014年式 | 191万円 | 192万円 |
2015年式 | 217万円 | 203万円 |
2016年式 | 230万円 | 217万円 |
2017年式 | 230万円 | 287万円 |
表では高年式になるほど相場が上昇しているが、極端に変動するポイントはない。年式により、アイサイトをはじめとする安全装備に差はあるものの、パワートレーンがデビュー当初から変わっていないことも一因だろう。だとすれば、購入するなら2014年11月以降の「アイサイトVer.3」を探したいところ。これらの平均価格はおよそ220万円前後だから、このクラスの中古車としてお買い得とは言えないものの、低走行な個体が大半だから安心して買えるのは間違いない。もう少し予算を抑えたければ2012年式~2013年式の初期型に注目。こちらは100万円台前半が中心となり価格は手ごろだが、100万円を切る個体はまだまだ少ない。先代XVを買うなら、最低でも130万円程度の予算は必要である。
XVのベストバイグレードってどれ?

先代XVは、シンプルな装備の「2.0i」を基準に、HIDロービームなどを装備する上級仕様「2.0i-L」、さらにそれぞれにアイサイト装着車が存在する。アイサイトが標準装備されているのは、グレード名に「アイサイト」と表記されるから、物件検索時に迷うことはないはず。また、前述のとおりパワートレーンは2.0L 4気筒とそのハイブリッドから選べる。ではまず、各車の中古車平均価格を見てみよう。
グレード | 中古車平均価格 |
2.0i/2.0i-L | 153万円 |
2.0i/2.0i-L アイサイト | 180万円 |
ハイブリッド 2.0i/2.0i-L | 174万円 |
ハイブリッド 2.0i/2.0i-L アイサイト | 194万円 |
価格がもっとも低いのは、「2.0i」や装備充実の「2.0i-L」など(今回はこれらをまとめて集計した)。アイサイト装着車は少しだけ相場が上がるが、アイサイトの有用性を考えたら、その費用対効果は補って余りあるもの。そもそもアイサイト未装着車の物件自体が少ないから、購入するならアイサイトは必須だと考えよう。
あと、ハイブリッドか否かの選択肢だが、新車時は20万~30万円程度高額だったが、中古車では顕著な差は見られない。できれば実燃費に優れたハイブリッドをチョイスしたいところだ。結論的には、「ハイブリッド 2.0i-L アイサイト」がベストバイグレードとなるだろう。
同門対決!アウトバックやフォレスターと比べると?

登場したばかりの現行型XVや、上級クロスオーバーのアウトバックは基本的に高値をキープする。しかし、先代XVとほぼ同時期にデビューしたフォレスターは、先代XVと同じくらいの価格帯となっていることに注目。平均価格はおよそ200万円となっており、物件数が極めて豊富なので、こちらもオススメできる1台である。ただし、XVはカジュアルなクロスオーバーなのに対し、フォレスターは本格SUVだから、ジャンルは異なっている。
インプレッサのハッチバックとほとんど乗車感覚は変わらないXVに対し、フォレスターはアイポイントが高く、ボディも大きいから取りまわし性は(XVと比べると)あまりよくない。またXVの車高は1550mmだから、都市部の立体駐車場に収まるが、フォレスターは不可能。そう言った違いをきちんと理解しておけば、フォレスターという選択肢があることも覚えておきたい。
ミッドサイズSUVのフォレスター。デビューから時間が経ったが、人気は衰えない。
レガシィベースのクロスオーバーがアウトバック。ワンランク上の上質さが魅力。