輸入車
更新日:2024.02.26 / 掲載日:2022.05.03

アルピーヌ A110|語り継がれる名車の系譜 vol.17|

文●ユニット・コンパス
写真●アルピーヌ
※中古車参考価格はすべてグーネット2022年4月調べ。
※写真は一部本国仕様の場合があります。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2022年6月号の内容です)

フランス生まれのスポーツカーブランドであるアルピーヌ。ブランドを代表するA110が名車になった歴史を紹介する。

軽さを武器とする究極のコーナリングマシン

ワインディングこそアルピーヌが活きる道

 「ALPINE(アルピーヌ)」は、フランス語で高山を示し、山道をドライビングする楽しさをその言葉に込めたネーミングであるという。名は体を表すというが、アルピーヌはまさにワインディングで最高に輝くタイプのスポーツカーだろう。
 1950年代初頭、ルノーディーラーを経営していたレデレは、クルマを販売するかたわらで、モータースポーツに熱中していた。その熱意はチューニングでは飽き足らず、市販車のメカを流用したオリジナルモデルを作るところまでエスカレート、アルピーヌを創業することになる。そして62年にはルノー製エンジンをオリジナルボディに搭載するスポーツカー「A110」を生み出す。
 レデレと「A110」は国内ラリーで好成績を収めると、その挑戦を世界へと広げる。そして71年には有名なモンテカルロラリーを制覇、73年に始まった世界ラリー選手権でも初代王者に輝くこととなった。
 誰もが認める名車となった「A110」だが、じつはその武器はパワーだけではない。鋼管を組み合わせたフレームに強化樹脂製のボディを組み合わせ、リア低くにエンジンなどをまとめたそれは、圧倒的なコーナリングマシンだったのだ。
 2017年に蘇った「A110」が受け継いだのはデザインだけではない。ワインディングを走れば、そのDNAを感じられるはずだ。

アルピーヌ A110はこんなクルマ

エンジンを車体中央後方に搭載し後輪を駆動するというスポーツカーとして理想的な構造を採用。軽量化にこだわることでコーナリングや加速が楽しめる。

スポーツカーらしさと同時に快適性を兼ね備えるのがA110の特徴。乗り心地もよく、インテリアの仕立ても上質感がある。

 2021年に行われたマイナーチェンジではインフォテインメントシステムを改良。全車が「Apple CarPlay」と「Android Auto」に対応している。

[アルピーヌ A110が名車になった理由]クルマが、そしてレースが好きでたまらない人物が創業者

レースのためのスペシャルモデルが出発点

 ルノーディーラーを経営していたジャン・レデレが、レースで愛用していたのが4CVのチューニングモデル。それをベースに、1956年にアルピーヌオリジナルとして市販化したのがA106ミッレ・ミリア。軽量かつ空力に優れていた。

ラリーでの実績と美しいスタイルで名車となったA110

 アルピーヌの名前を一気に世界的なものにのし上げたのが1963年に登場したA110。ルノーR8のメカを流用しながら、スポーツカーらしいスタイルと設計を与えた。このマシンがラリー選手権で大活躍し伝説的存在となった。

市販化されなかったサーキット特化型のA110

 この「A110-50」は、2012年にA110誕生50周年を記念して製作されたコンセプトカー。メガーヌトロフィをベースに3.5LV6エンジンを搭載。後の市販モデルとは方向性が異なり、さまざまな検討が行われていたことがわかる。

初代のデザインと走りへのこだわりを受け継いだA110

 2017年12月のジュネーヴショーでデビューした新型A110。2シーターミッドシップ車で、初代を現代的にアレンジしたデザインも大きな話題に。初代が2+2だったことを考えると、スポーツ性を重視した構造を採用する。

軽量化に加えて重心の低さが運動性能を高める

 初代A110との共通点となるのが、コーナリングマシンとしての走りへのこだわり。そして、ただ軽くするだけでなく、重量物を車体中心の下側に集中させることで、コーナリングでのふらつきを抑え、回頭性を高めている。

ルノーグループのモータースポーツ活動のシンボルに

 アルピーヌはモータースポーツの最高峰であるF1にも参戦している。そのベースとなったルノー・スポールはかつて買収前のアルピーヌやゴルディーニを取り込んでおり、ある意味で本来の姿に戻ったとも言える。

いま買いの中古車たち

アルピーヌ A110

 A110におけるスタンダードモデルは、廉価なエントリーグレードでは決してない。その立ち位置はクラシックA110の正当な後継車とされる。道を選ばないしなやかなフットワークが特徴。中古車物件も最も多い。

中古車参考価格帯:650万円〜820万円(18年〜22年 ベースグレード)

アルピーヌ A110 S

 エンジンの最高出力を300馬力まで高め、サスセッティングをハード目に仕立てたモデルがA110 S。ベースモデルに対してよりサーキット走行を意識したモデル。光沢仕上げのカーボンルーフもアクセント。

中古車参考価格帯:770万円〜900万円(19年〜22年 Sのみ)

アルピーヌ V6ターボ

 本国では1984年に製造開始され日本にも86年から正規輸入されたモデル。フラッシュサーフェス化された未来的なデザインが特徴的だが基本構造はA110と同じ。中古市場では専門店を中心に流通している。

中古車参考価格帯:250万円〜300万円(86年〜91年 全グレード)

アルピーヌ A110

 アルピーヌの名前を世界的に有名にした名車がクラシックA110。長期間にわたり製造されたモデルではあるが、流通台数はあまり多くない。また、すでに50年以上前の本物のクラシックカーであるため、購入後にメンテナンスを行える店舗で購入したい。

中古車参考価格帯:ASK(62年〜77年 全グレード)

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グーネットマガジン編集部

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