輸入車
更新日:2020.11.20 / 掲載日:2020.11.11
【プジョー 208】なかには50万円以下の物件も!? これから買い時のフレンチコンパクト

プジョーといえば20(ニーマル)シリーズが定番で、このシリーズは日本でも長く愛されてきた。シリーズの原点である201は戦前、1929年のパリサロンで発表されたと言えば、その歴史にも重みを感じるはず。中央に「0」を配した3桁の車名も、201から始まっている。そんなニーマルシリーズの最新モデル、208が今年の夏に日本上陸を果たした。それまではモデルチェンジの度に末尾の数字が増えていったが、先代208の後継モデルは209とならず、2代目208となったのは、最近のプジョー事情に詳しい人ならすでにご存知だろう。
新型208は、従来の内燃機関モデルと同時にピュアEV仕様を設定しているのが最大のトピック。シャープなルックスも、往年のプジョーらしさを強調したものとなっている。しかし、今回注目するのは先代モデル。新型が登場したことで、今後中古車相場が動く可能性が高い。2019年5月にも調査したが、現段階で当時よりも買いやすくなっている。先代208の魅力に触れつつ、買いの年式やグレードを探っていきたい。
プジョー208ってどんなクルマ?
207の後継として、2012年に登場したプジョーのコンパクトモデルが初代208。新世代プジョーを感じさせるデザインと、高いボディ剛性を感じさせる堅牢な走りを備え、コンパクトカーの新しいベンチマークを確立した。また、初代208は1.6L 直4ターボを搭載したスポーツモデル「GTi」の魅力を大きく進化させたのも話題になった。207時代はやや存在感が希薄だったが、208の「GTi」は専用エクステリアを持ち、スポーツ度を大幅にアップ。プジョースポールが手がけたバージョンも設定し、かつての205GTiを彷彿とさせる魅力的なホットハッチとなったのだ。
一方、厳選した装備の「アリュール」は、1.2L 直3エンジンを搭載。中堅グレード「プレミアム」と「シエロ」には1.6L 直4が搭載される。初代208は「GTi」に限らず、ATはもちろん3ペダルMTを備えたグレードも用意されるから、マニュアル派にも嬉しいモデルとなっている。ボディタイプは3ドア、5ドアを設定だが、中古車の主流は5ドアだ。
プジョー208の年式別平均価格から見た狙い目の年式は?

先代208の改良遍歴を振り返ってみたい。日本に導入が開始されたのは、2012年11月のこと。当初は3ドア・1.2L 直3+5速MTの「アリュール」、5ドア・1.6L 直4+4速ATの「プレミアム」および「シエロ」、3ドア・1.6L 直4ターボ+6速MTの「GT」という4グレード構成だった。当初の新車価格帯は199万円~258万円。2013年7月、「GT」に代わり、ラグジュアリーな内外装を持つ「XY」、200馬力という高出力を誇る最上位モデル「GTi」も加わっている。2014年1月、「プレミアム」と「シエロ」のパワートレインが1.2L 直3+シングルクラッチ5速ATに変更され、5速MTのみだった「アリュール」にも同様のトランスミッションが選べるようになった。
2015年10月、208がマイナーチェンジを受けた。フロントグリル、バンパー形状が変更されたほか、3Dタイプのリヤコンビランプを採用。また、過去に限定車として販売されていた「スタイル」がカタログモデルとして登場した。こちらの5速MTには1.2L 直3、6速ATには1.2L 直3ターボが搭載された。そのほか、1.2L 直3ターボ+6速ATの「アリュール」、「GTライン」が追加され、代わりに「プレミアム」と「シエロ」がカタログから消滅。「GTi」にはプジョースポールが手がけたチューンド版も加わるなど、ラインアップが見直されている。さらに「スタイル」の5速MT車を除く全グレードに、アクティブシティブレーキが標準装備された。これらを踏まえ、年式別中古車平均価格をチェックしてみたい。
年式 | 中古車平均価格 |
2012年式 | 59万円 |
2013年式 | 69万円 |
2014年式 | 81万円 |
2015年式 | 98万円 |
2016年式 | 125万円 |
2017年式 | 130万円 |
2018年式 | 140万円 |
2019年式 | 181万円 |
前期型ならば100万円以下の予算で広く探せる
新型が登場したことも影響しているのか、この1年でも相場が大幅に下がっている。特に2015年式以前の前期型は、平均価格が100万円を割り込み、なかには50万円以下の物件も目立つほど。1年半前の調査時から、全体的に20万円ほど相場が下がっており、以前にも増してリーズナブルに購入できるようになっている。ちなみに走行距離は、100万円以下の予算で探すなら5万km前後が目安と考えよう。
プジョー208のグレード別平均価格から見た狙い目のグレードは?

先代208のグレード構成は、パワートレイン別に見ると1.2L 直3+5速MT、1.2L 直3+シングルクラッチ式5速AT、1.2L 直3ターボ+6速AT、1.6L 直4+4速AT、1.6L 直4ターボ+6速MT(GTiシリーズのみ高出力)という構成。これらは、次のグレードに対応している(特別仕様車、限定車は除く)。
・1.2L 直3+5速MT:「アリュール(前期型)」、「スタイル」
・1.2L 直3+シングルクラッチ式5速AT:「プレミアム(2014年~2015年)」、「シエロ(2014年~2015年)」
・1.2L 直3ターボ+6速AT:「スタイル」、「アリュール(後期型)」、「GTライン」
・1.6L 直4+4速AT:「プレミアム(2012年~2014年)」、「シエロ(2012年~2014年)」
・1.6L 直4+6速MT:「XY」、「GT」、「GTi」、「GTi by Peugeot Sport」
という具合になっている。同じグレード名でも年式によってパワートレインが異なるから、やや複雑な構成となることに注意。これを踏まえてグレード別中古車平均価格を見ていこう。ただし、物件数が極端に少ない「XY」、「GT」は割愛する。
価格重視なら1.6L 直4の「プレミアム」または「シエロ」が狙い目
価格が安い前期型は、装備が充実した「プレミアム」や「シエロ」が中心。ちなみに後者のほうがガラスルーフ、バックソナー、レザーシートなど装備が充実しているが、中古車相場に大きな差はない。予算やコンディションに応じて選んでもよいだろう。また「アリュール」も物件が豊富で買いやすい。また、トップモデルの「GTi」も以前と比べてかなり安くなった。100万円台前半の予算から探せるホットハッチとして非常に魅力的。
プジョー208の中古車価格相場のまとめ

輸入コンパクトカーはVWポロが人気で物件数も多いが、プジョーもそれに負けないくらいの魅力を備えたモデル。EVも備えた新型も興味深いが、先代モデルは価格面でも手が届きやすく、良質な物件が揃っているので今が買い時と言える。マイナーチェンジ前の1.6Lモデル「プレミアム」や「シエロ」なら100万円以下、なかには50万円を切るものも存在するから、コンパクトカーを選ぶ際はぜひ候補に入れてみてはいかがだろうか。