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更新日:2020.10.30 / 掲載日:2020.10.28
【BMW 2シリーズクーペ】新車時価格から半額!? 今注目の本格派スポーツクーペ

先日、BMW M4が世界初公開された。縦型キドニーグリルの存在感あるデザインは、BMWの新しい方向性を象徴するもの。また、同じく縦型グリルを持つ4シリーズクーペも国内発表されるなど、BMW 2ドアのニューモデルラッシュが続いている。そんななか、注目したいのが2シリーズクーペ。BMWのクーペとしての歴史は短いものの、コンパクトな2ドアボディはかつての02シリーズを思わせ、シリーズのなかでもスポーツイメージが高いモデルである。そんな2シリーズクーペが、新車時から半額程度まで相場が下がっているのをご存知だろうか。ここでは2シリーズクーペの年式別、グレード別平均価格を見ながら買いの1台を探っていきたい。
BMW 2シリーズクーペってどんなクルマ?
1シリーズよりもひとつ上のポジションとなる2シリーズが日本に導入されたのは2014年2月のこと。当初はクーペのみの設定だったが、10月には2列シートMPVのアクティブツアラー、2015年4月にはカブリオレ、2015年6月には3列シートミニバンのグランツアラーも加わった。さらに2019年1月には、新世代2シリーズとして4ドアのグランクーペも登場した。ただしクーペとカブリオレはFRシャシー、アクティブツアラー/グランツアラー、グランクーペはFFシャシーとなっており、成り立ちはまったく別のモデルである。このように多様な車種展開の2シリーズのなかでも、スポーツモデルとして注目したいのがクーペだ。
その理由は、クーペにはMシリーズが存在するから。現在BMWのMシリーズには、サーキット走行も視野に入れた最も高性能な「M」、それよりもカジュアルな味付けの「Mパフォーマンス」という2つのレンジで構成され、2シリーズクーペの場合は「M2」と「M235i/M240i」がそれらに該当する。このほか、もっともベーシックな「220i」も存在し、エントリーモデルからピュアなMの血筋を持つトップレンジの「M2」までの階層構造となっている。
2シリーズクーペの美点は、なんと言ってもコンパクトなボディと後輪駆動の組み合わせであること。今でもFR車は豊富にあるが、その多くはミドルクラス以上の上級モデルがほとんど。一方、2シリーズは全長4440mm、全幅1775mm、全高1420mm(2014年式/220iクーペ)と、トヨタGRスープラやポルシェ718に近いプロポーション。軽量で扱いやすく、スポーツモデルとしてほどよい大きさなのも魅力のひとつとなっている。さらに3ペダルのマニュアル車を設定するなど、スポーツカーファンからの注目度は高い。
BMW 2シリーズクーペの年式別平均価格から見た狙い目の年式は?

2シリーズ(クーペ/カブリオレ)の改良遍歴を見ていこう。2014年2月の発表時には、2.0L 直4ターボ+8速ATの「220iクーペ スポーツ」、「220iクーペ Mスポーツ」、3.0L 直6ターボ+6速MT/8速ATの「M235iクーペ」という3モデルでスタートした。2015年3月にはソフトトップの「220i カブリオレ」が登場。
2016年1月、3.0L 直6ターボを搭載する370馬力の高性能バージョン「M2」もラインアップに加わった。同年9月には「M235iクーペ」が改良を受け、「M240i」へと名称を変更。このタイミングで最高出力は326馬力から340馬力に向上している。さらに11月には、「220i」に新開発4気筒ターボエンジンを搭載したが、最高出力、トルクは同じ値となる。
2017年8月にはマイナーチェンジが行われ、外観を一新。ヘッドライトにヘキサゴナルデザインのLEDヘッドライトを装備したほか、キドニーグリルのワイド化、大型化したエアインテークなどを採用している。リヤは、新デザインのL字型コンビネーションランプも導入された。以上を踏まえ、年式別中古車平均価格をチェックしてみたい。
年式 | 中古車平均価格 |
2014年式 | 250万円 |
2015年式 | 277万円 |
2016年式 | 278万円 |
2017年式 | 360万円 |
2018年式 | 328万円 |
2019年式 | 435万円 |
※クーペのみ、M2は除く。
マイナーチェンジ前なら200万円台の予算でOK
2シリーズクーペは、同じ2シリーズであるアクティブツアラーやグランツアラーよりも物件数が少なめ。それでも、2014年~2015年式の物件は揃っているから安心だ。年式が新しくなるにつれて物件が少なくなり、価格もどんどん高くなっていく。2017年のマイナーチェンジ以前ならば、多くは200万円台の予算で購入可能となっている。手頃な予算で探すなら前期型がターゲット。
BMW 2シリーズクーペのグレード別平均価格から見た狙い目のグレードは?

2シリーズクーペのグレード構成は、パワーユニット別に見ると「220i」、「M235i(2016年以降はM240i)」、そして「M2」で構成される。これらは搭載エンジンが異なり、性能も段階的に上がっていく。トランスミッションは、「220i」、「M235i/M240i」が8速ATを組み合わせるが、後者は6速MTも用意される。「M2」は6速MTまたは7速DCTとなる。また、ここではカブリオレも含めてグレード別中古車平均価格をチェックしてみたい。
グレード | 中古車平均価格 |
220iクーペ | 225万円 |
220iカブリオレ | 307万円 |
M235i/M240i | 353万円 |
M2 | 572万円 |
予算にゆとりがあればMパフォーマンス仕様「M235i」が狙い目
物件数の順に見ると、「M2」、「M235i/M240i」、「220iクーペ」、「220iカブリオレ」の順に多い。トップレンジの「M2」が多いのは、スポーツカーとしての需要が中心だから。しかし「M2」は平均価格が600万円に近く、今後も値下がりは厳しいと思われる。一方、中堅モデル「M235i/M240i」は物件も揃い、価格も現実的なのでオススメ。なかには300万円を切る個体もあるから、じっくり探してベストな1台を選びたい。なお、「M235i/M240i」のMT車は、当グレードの2割弱程度と少なめ。
また、動力性能にこだわらず、コンパクトでスポーティなクーペがほしい人なら「220iクーペ」がターゲットになる。200万円台前半の予算から購入可能。カブリオレはやや相場が高めだが、残念ながら物件数は少ない。
BMW 2シリーズクーペの中古車価格相場のまとめ

新世代2シリーズとして、2019年に登場した2シリーズ グランクーペ。これは現行型1シリーズをベースとするFFモデルだが、それとは別に2ドアクーペの後継車も控えているという噂がある。こちらはグランクーペとは異なり、FRとなるはずだ。クーペのフルモデルチェンジにより、現行型の相場が動く可能性もあるが、現段階でも新車時の半額程度の予算でも探せるから、今のうちに目星をつけておきたい。