輸入車
更新日:2020.10.03 / 掲載日:2020.10.03
マクラーレン|ブランドヒストリー vol.6

文●ユニット・コンパス 写真●マクラーレン
※中古車参考価格はすべてグーネット2020年9月調べ。
※写真は一部本国仕様の場合があります。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2020年11月号の内容です)
名門F1チームが技術力を駆使して製造しているスーパースポーツカーブランド、マクラーレン。その歴史とブランドに込められたスピリットを紐解く。
サーキットを駆け抜けた創業者の不屈の精神
「人生の価値はその長さにあるのではなく、何を成し遂げたか」。
これは、今をときめくブランド、マクラーレンを立ち上げた、ブルース・マクラーレンが残した言葉だ。
ニュージーランド出身で、幼少期の病気による影響で片足が短く、特別裕福な家庭出身でもなかったブルース。だが彼は、勝利への貪欲な熱意とたぐいまれなドライビングテクニックで欧州行きのチケットを手にすると、1959年には史上最年少でF1での勝利を実現させた。だがその後、チームは低迷。するとブルースは自らプライベートチームを結成(1963年)、レーシングコンストラクター(マシン製造者)のオーナーとドライバーという二足の草鞋を履くことになる。
チーム結成後も積極的にレースに参戦したブルースは、66年にはフォードGT40にてル・マン総合優勝、さらに北米のCan-Amで2度シリーズチャンピオンに輝く。そして68年にはついに自らの手でF1での勝利も成し遂げた。まさに順風満帆。だが、彼の挑戦はテスト中の事故により突然の終わりを迎えることになる。32歳、あまりにも早く駆け抜けた人生だった。
ブルースの不屈の精神を受け継いだチームがその後、ラウダ、セナ、プロスト、ハッキネン、そしてハミルトンなど数多くのチャンピオンを排出した超名門となったのはご存知のとおり。そしてさらに、彼が生前夢に描いていたオリジナルロードカーについても、その志が受け継がれ、1993年に「F1」として結実することになる。
2020年は、ブルース・マクラーレン没後50年となる。
ブルースから不屈の精神を受け継いだ技術者集団マクラーレンは、レーシングコンストラクターとしてトップカテゴリーで活躍しつつ、市販車についてもその高い技術を生かし、魅力的なスーパースポーツを数多く世に送り出している。
ブルース・マクラーレンがこの世に残した「闘うDNA」

父親の作ったレースカーで勝利して以来、レースが人生そのものだったブルース・マクラーレン。1959年のF1デビューイヤーで史上最年少で優勝。その後チームが低迷すると自らチームを結成し、オーナー兼ドライバーに。F1、ル・マン、Can-Amと活躍の場を広げるが1970年にテスト中の事故で亡くなる。わずか32歳であった。
[CLOSE UP]15億円で落札された実績もある伝説のスーパースポーツ

20世紀に登場したスーパースポーツカーのなかで、最高傑作との呼び声が高いのが、このF1(1993年)。レーシングコンストラクターであるマクラーレンの技術の結晶であり、世界初採用となったカーボンモノコックなど、後のスーパースポーツに多大なる影響を与えた。レース仕様は、ル・マンを始め各方面で活躍した。
伝説を作ったオイルメーカー ガルフとのコラボが復活
かつてF1やCan-Amシリーズで成功を納め、90年代にはル・マンを制したガルフのコンビが復活。2021年からガルフはオイルサプライヤーとなり、市販車ではガルフカラー仕様も販売されるという。スーパースポーツ界に強烈なインパクトを与えた限定モデルP1
2013年に登場したP1は3.8LV8ツインターボにモーターを組み合わせた限定モデル。新車価格1億3000万円ほどで限られた顧客のみ購入できた。現在では2億円を超える価格で取り引きされている。
アイルトン・セナの名前を冠した究極のドライビングマシン「SENA」
マクラーレン史上初めて作られたサーキット志向の限定モデルで、モデル名は伝説のF1ドライバーにちなんで名付けられた。車重1トンあたり688馬力という途方もないパフォーマンスを発揮する。従来のスーパースポーツに加えて実用性を重視したモデルも発売
2019年には新境地となる「GT」を発表。その名のとおりのグランドツアラーで、スーパーカー並みの性能を持ちながら、高い快適性と実用性を誇る。これにより、新たなるファンを獲得している。
いまオススメの中古車で探せる[マクラーレン]
720S

MP4-12Cの後継モデルとして登場したブランドの中核を成す「スポーツシリーズ」の最新モデル。デザインや走行性能、快適性はさらに高次元へと昇華。オープン版と「LT」も追加された。
中古車参考価格帯:2870万円~3450万円(17年~20年)
570S

ラインアップのなかでベーシックな「スポーツシリーズ」に属するのが570S。650Sに対して外装がアルミとなり、メカニズムもシンプルな内容に。一方で乗降性が改善され、扱いやすくなった。
中古車参考価格帯:1900万円~2480万円(16年~20年)
650S

12Cの登場から3年後に発表された650Sは、基本骨格を受け継ぎながら、新しいデザインとさらなるパフォーマンスアップを追求したモデル。3.8LV8ツインターボの最高出力は650馬力。
中古車参考価格帯:1750万円~2880万円(14年~18年)
MP4-12C

初の量産モデルとなったMP4-12C。カーボン製バスタブシャシーにアルミやFRPといった軽量素材による外板を組み合わせた軽量設計を採用。高性能でありながら快適性のレベルも高い。
中古車参考価格帯:1380万円~1690万円(12年~14年)
600LT

570Sをベースに、さらなる高性能と軽量化を与えたモデルで、その名前は「F1 GTR ロングテール」に由来する。570Sに比べて96kg軽く、それでいてダウンフォース量も引き上げられている。
中古車参考価格帯:2480万円~3580万円(18年~20年)
675LTスパイダー

650Sをベースに外装パネルをカーボン化するなどの100kgにもおよぶ軽量化を施し、エンジンも再設計して最高出力を675馬力にまで高めたエボリューションモデル。500台が生産された。
中古車参考価格帯:2900万円~3580万円(16年~17年)