輸入車
更新日:2020.06.19 / 掲載日:2020.06.19

【BMW 6シリーズ】新車時の半額以下で狙えるようになったラグジュアリークーペ

 先日、海外で新型BMW 4シリーズが発表された。インパクトのあるフロントフェイスと流麗なボディラインは、BMWのクーペとして新たな境地を迎えようとしている。さらにその少し前、最上級のラグジュアリークーペ「8シリーズ」も復活。続々とニューモデルを投入し、BMWのクーペ攻勢が続いている。

 そこで今回は、BMW 6シリーズに注目。こちらは新型8シリーズの事実上の前任となる大型クーペゆえ、8シリーズの登場で相場が変動する可能性がある。そこで今回中古車市場を調査したところ、300万円台の予算でも探せることが分かった。ここではグレード別、年式別の中古車データから買いのモデルを探ってみたい。

BMW 6シリーズってどんなクルマ?

 BMWの伝統的な大型クーペ、6シリーズが初めて登場したのは1977年のこと。逆スラントノーズのフロントフェイス、なだらかに下るルーフ後端からトランクリッドのラインは、世界でもっとも美しいクーペと評された。しかし1989年には生産終了し、同じ年の秋には事実上の後継モデル、初代8シリーズクーペがデビューした。

 6シリーズの名称が再び世に現れたのが2003年秋のフランクフルトショー。ここで2代目6シリーズがワールドプレミアされた。7シリーズ、5シリーズなどを手がけたクリス・バングル氏によるデザインは個性的。それでもクーペとして不可欠な存在感を持ち合わせ、デビュー当時大きな話題となった。

 そして2010年秋のパリサロンでは、3代目となる6シリーズが初公開。翌年2月にはカブリオレ、8月にはクーペが日本に導入された。なお、カブリオレが先に導入されるのは珍しい例である。新しくなった6シリーズはよりスッキリとしたデザインが特徴で、キドニーグリルは現在のBMWと比べるとかなり小ぶり。走行シチュエーションに合わせてシャシーのセッティングが変化するドライビング・パフォーマンス・コントロール、エネルギー回生システム、アイドリングストップなど当時では先端の技術が採用された。デビュー当初は3.0L 直6ターボ(640i)、4.4L V8ターボ(650i)の2モデルでスタートしたが、後に高性能バージョンM6も追加されている。

BMW 6シリーズの年式別中古車平均価格は?

 年式別平均価格を見る前に、6シリーズの改良遍歴を振り返ってみたい。2011年2月にカブリオレ、8月にクーペの予約受注がスタート。前者の新車時価格は1028万円~1330万円、後者は933万円~1235万円である。2012年4月には560馬力を誇る4.4L V8ターボ搭載の「M6」を追加。さらに6月にはグランクーペも登場している。こちらは流麗なクーペフォルムはそのままに、後席へのアクセスが良好な4ドアを備えた新しいボディタイプで、デビュー以来人気の高いモデルとなった。また、このタイミングで新開発4.4L V8ターボを搭載。同年8月、このエンジンはクーペとカブリオレにも搭載されている。

 2013年8月、全車に「ドライビングアシスト」を標準装備。これは「衝突回避・被害軽減ブレーキ」をはじめ、「前車接近警告機能」、「レーンディパーチャーウォーニング」などが含まれる。同年9月には、専用ホイールなどを装着した「Mスポーツエディション」が登場。2014年5月には、「650i」に「アクティブクルーズコントロール」を含む「ドライビングアシストプラス」を標準装備された。

 2015年6月、6シリーズはマイナーチェンジを受けた。キドニーグリル、フロントバンパーデザインが一新され、新たにアダプティブLEDヘッドライトを全車標準装備。また「ドライビングアシストプラス」が「640i」にも採用拡大。エンジンなどのメカニズムはそのままに、洗練された内外装と安全装備を手に入れた。

年式別中古車平均価格
年式中古車平均価格
 2011年式  289万円 
 2012年式  269万円 
 2013年式  298万円 
 2014年式  332万円 
 2015年式  381万円 
 2016年式  448万円 
 2017年式  498万円 
 2018年式  565万円 
※中古車平均価格はグーネット2020年6月11日現在のデータによる。


予算に応じて幅広い年式から探せる

 上の表を見ると、2011年式の289万円~2018年式の565万円と、平均価格の幅は広い。しかしどの年式でも物件が充実している状況だ。なかでもボリュームゾーンは2012年~2015年で、概ね300万円前後の予算で探せる。なかには100万円台後半の物件もあり身近なプライスとなっている。ただし走行距離は5万~7万kmと相応に伸びているものも目立つから注意したい。

 なお、2013年8月以降「ドライビングアシスト」が全車標準装備となるから、これを基準にクルマ選びするのもありだろう。

BMW 6シリーズのグレード別中古車価格相場は?

 6シリーズのグレード構成はシンプル。6気筒ターボの「640i」、8気筒ターボの「650i」、さらにより高性能な8気筒ターボを積む「M6」の3モデルが選べる。ボディタイプはクーペ、カブリオレ、グランクーペを用意。つまり、合計9タイプの仕様が存在する。ボディタイプ別に見るとグランクーペがもっとも多く、全体の7割を占める。それゆえ今回はグランクーペのグレード別中古車平均価格を見ていこう。

グレード別中古車平均価格
グレード中古車平均価格
640i356万円
650i358万円
M6680万円
※中古車平均価格はグーネット2020年6月11日現在のデータによる。


物件豊富な「640i」を中心に探していこう

 M6を除けば、グレード別の平均価格は両者でそれほど差はない。それならばV8ターボを積む「650i」に目が行くが、物件数は「640i」の2割程度しか流通していない。また、大排気量は自動車税などのランニングコストにも影響するので、ここでは探しやすい「640i」をオススメとしておく。

 一方、高性能バージョン「M6」はまだまだ高値で、今後も極端な値下がりは期待できない。中古車価格の最低ラインは500万円だが、物件の選択肢を広げるなら600万円以上の予算を確保したいところだ。

BMW 6シリーズの中古車価格相場のまとめ

 3代目6シリーズは300万円台の予算で狙えるモデルで、1000万円超えだった新車時からその半額にまで下がっている。クーペ、カブリオレ、グランクーペという3つのボディが存在するが、中古車の大半はグランクーペ。実用的な4ドアモデルがもっとも多く、探しやすい。しかし2ドアクーペやカブリオレは全くないわけではない。グレードは3.0L直6ターボの「640i」がほとんどを占める。

 なお、さらに低予算で探すなら2代目6シリーズという選択もある。こちらの平均価格は119万円(全年式)と大幅に下がった。M6の平均価格でも260万円と、かなり現実的なラインとなっている。ただし多走行、車検なしとややクルマ選びのハードルが高め。下調べをしっかりしてから探すとよいだろう。

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グーネットマガジン編集部

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