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更新日:2020.02.20 / 掲載日:2020.02.20
【BMW M特集】ハイパフォーマンスモデル「M」はどのくらいの予算で買えるの?

先日、BMW M8が発表された。ラグジュアリークーペの8シリーズをベースとしたハイパフォーマンスカーだが、最近はこのようなモデルが増え、セダンやクーペに加えてSUVにも設定されるほど。とくにプレミアムブランドはその傾向が強く、メルセデス、アウディ、ジャガーなどにも同様のモデルがラインアップされる。しかし高性能であるゆえ非常に高価で、新車価格はベース車の2倍以上となるケースも少なくない。それでも、一度は手にしたい魅力を持つのもたしかで、気になるひとも多いのではないだろうか。今回はMモデルの歴史を振り返りつつ、Mモデルの鉄板チョイスを中古車平均価格とともに掘り下げてみよう。
Mモデルの歴史を振り返る

BMWの高性能モデルを開発するM社(M GmbH)は、同社のモータースポーツを担う部門として1972年に設立された。彼らが手がけた初の市販車は、最終的に477台が生産されたスーパーカーのM1。その後、M1の直列6気筒を改良して5シリーズ(E28)に搭載した「M5」が登場し、以降はベースの乗用車に高性能なパワーユニットと足まわりを与えたモデルとして登場することになった。
そんなMモデルの歴史のなかで、燦然と輝くのがM3だろう。DTMをはじめとするツーリングカー選手権(グループA)参戦のために開発され、1985年にデビューした初代M3(E30)は、3シリーズの2ドアに2.3L 直4エンジン(195馬力)を搭載。ワイド化されたフェンダーや専用スポイラーを備え、市販車ながらもレーシーなルックスと驚異の運動性能が大きな話題となった。その人気ぶりから、E30がモデルチェンジを受けたあとも継続的に投入されることになり、ホモロゲーション取得という役割を終えた現在も、Mの看板モデルとなっている。
一方、乗用セダンやクーペがベースのMだけではない。1998年には、コンパクトなオープンスポーツ/クーペをベースとした「Mロードスター」と「Mクーペ」がラインアップに加わった。さらに、その後継モデルとしてZ4Mも登場。2009年には、SUVのX5とX6に、500馬力を軽く超える4.4L V8ツインターボを搭載した「X5M」と「X6M」も設定され、MファミリーはBMWのラインアップの大半に拡大して行った。現在ではBMWブランドのスポーツイメージを牽引するモデルとして、豊富なバリエーションで展開中だ。
人気のMモデル(M3/M5/M6)の中古車相場は?

BMW M3
BMW M5(先代)
BMW M6
中古車で買いやすく、人気があるのはやっぱりM3だ。以前は2ドアがメインだったが、現行型(F80)の2ドアはM4シリーズに改称され、M3は4ドアのみとなった。今回紹介するのは、こちらの現行型M3。デビューしたのは2014年7月で、もうすぐ6年目を迎える。搭載エンジンは、先代(E90)のV8に対し3.0L直6ターボと、久々に6気筒へ回帰したことがトピック。最高出力は431馬力を発揮し、7速DCTを組み合わせることでダイレクト感のあるスポーツドライビングが可能となっている。ボディやサスペンションにはCFRPを採用して軽量化を図ったのも特徴だ。2017年には、サスペンションの調整や450馬力に引き上げられたエンジンを搭載した「コンペティション」も登場した。
一方、5シリーズにスーパーカー顔負けの高性能エンジンを積んだM5も、Mモデルの代表選手。今回注目するのは先代モデル(F10)で、デビューは2011年7月。搭載エンジンは4.4L V8ツインターボとなっており、最高出力は560馬力に達する。上質なインテリアと圧倒的な動力性能を備えているのがM5の魅力である。さらに、同じエンジンを搭載したM6も2012年4月に発表された。こちらは大型クーペであり、M5とは一味違った美しさを備えている。それらを踏まえ、M3、M5、M6の中古車平均価格を見ていこう。
グレード | 中古車平均価格 |
M3(F80) | 718万円 |
M5(F10) | 483万円 |
M6(F06/F12/F13) | 667万円 |
物件数が豊富だが高値の現行型M3
これからデビュー6年目を迎えるが、現行型M3の平均価格は718万円と依然高額。とはいえ、2014年における新車時価格は1104万円だから、400万円ほど下がったことになる。ベースとなる3シリーズはすでに新型になっているが、M3は今でも新車販売されているので、現在は下げ止まり。もう少し詳細に見ると、物件の最低価格は500万円台前後だが、数がそれほど多くないので、この予算での購入は厳しい。全体的に低走行車が中心だが、最低でも600万円は見積もっておきたい。なおクーペ版のM4は、M3よりも50万円ほど相場が高め。物件数はM3よりも多いので、こちらも併せて探したい。
先代M5は新車時の3分の1にまで下がった
2011年のデビュー時における新車価格は1495万円。それから9年半が経ち、中古車平均価格は483万円にまで下がっている。この価格なら手が出せるというひとも多いはず。ただしM3やM4に比べると物件数は少なめで、探しにくいのが難点。それでも300万円台の物件があるなど、お買い得感は非常に高い。一方M6は少し高めで、平均価格は667万円。これは高年式物件の割合が多いため。ボディタイプはクーペ、グランクーペ(4ドア)、カブリオレと3タイプ存在するが、いずれも物件数は同程度となっている。
価格が手頃な「Mパフォーマンス」という選択も
M135i
M140i
やっぱりMモデルは高すぎる……そんなひとに注目してもらいたいのがMパフォーマンス。こちらはM社が手がけるモデルなのは変わらないが、日常での使い勝手を重視し、Mよりも性能を低めに設定したスポーツモデル。Mよりも設定しているモデルが多く、幅広いバリエーションから選べるのが魅力。価格も抑えめで、一般ユーザーの敷居が低いのは嬉しい。
今回紹介するのは、1シリーズをベースとした「M135i」と2シリーズクーペをベースとした「M235i」。いずれも3.0L 直6ターボが搭載され、最高出力は340馬力と侮れないパフォーマンスを発揮してくれる。なお、両者ともマイナーチェンジで「M140i」と「M240i」に名称が変更されたことも覚えておこう。
M135iは100万円台の低予算から狙える注目の1台!
M135iは中古車平均価格が291万円となっているが、100万円以下の物件もそれなりに流通しており、現在かなりお買い得な状況だ。物件数もそれなりに豊富にあるから、ホットハッチ好きはぜひ注目しておきたい1台。なおM140iはフロントデザインを中心に大きく改良を受けたモデルだが、こちらはM135iより相場が100万円以上高い。
一方M235i/M240iはそれらよりも相場が高めで、平均価格は378万円。物件数は1シリーズとほぼ同程度なので探しやすいはず。ちなみに、このモデルの上にはM2が存在するが、こちらは平均価格が598万円と現在高額モデルとなっている。
まとめ

上で紹介したモデルのほかにも、BMWにはさまざまなMモデルが存在する。とくに最近流行りなのはX3M、X5MなどのハイパフォーマンスSUV。こちらは物件数が控えめだが、今後は中古車市場でも買いやすくなるだろう。現在、Mモデルならば先代M5、MパフォーマンスならばM135iが安くなっているが、趣味性の高いモデルゆえ、自分の惚れ込んだ1台をじっくり探していきたい。