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更新日:2019.09.04 / 掲載日:2019.06.21
【プジョー 308】モデルチェンジ前なのにお得! 今が狙い目のハッチバック

Cセグメント(ファミリーカークラス)の王道と言えばVWゴルフ。しかし、このクラスはほかにも魅力的なクルマが豊富に揃っているのをご存知だろうか。たとえば、今回紹介する現行型のプジョー308は、販売面ではゴルフの勢いに押され気味だが、クルマとしての完成度が非常に高いことで知られている。そして、何よりモデルチェンジ前にも関わらず、中古車相場が下がっていることに注目。なかにはグッドコンディションでありながら100万円台前半の物件も流通している。そんなわけで、プジョー308の年式別、グレード別中古車平均価格を掘り下げながら、クルマの魅力を紹介していきたい。
プジョー308ってどんなクルマ?
プジョーのCセグメントモデル「30-(サンマル)」シリーズは、2008年のモデルチェンジで308に進化した。それまでの307よりも躍動感のある「フェリーヌスタイリング」を導入し、内外装のクオリティを向上。全幅は1820mmと一層ワイドになり、室内空間が拡大された。3ドア/5ドアのハッチバックボディに加え、ショートワゴンの「SW」、クーペ・カブリオレの「CC」を設定するのは307世代と同じ。VWゴルフ、フォード フォーカスに代表される手強いライバルの存在もあって、プジョーの高品質化のターニングポイントとなった。
そんな308は、2014年11月にフルモデルチェンジを受ける。ここで興味深いのは、その車名。プジョーはモデルチェンジのたびに車名の末尾の数字が増えていくという慣わしが存在していた。たとえば306、307、308…という具合である。しかし過去にプジョー309というモデルが存在していたため、車名は「308」をそのまま継続することになった。とはいえ中身は初代308とはまるで別物で、「EMP2」と呼ばれる新開発プラットフォームを採用したのがトピック。この新しいシャシーの見どころは軽量化で、先代と比べて重量を抑えながら高剛性を実現。また、ホイールベースを10mm伸長しつつ、ボディサイズを先代から縮小。居住性を確保しながら、幾分小ぶりとなったのは日本のユーザーに歓迎されるポイントだろう。なお、先代で選べたクーペ・カブリオレは現在のところ、登場していない。
エンジンは1.6L 4気筒ガソリンターボが主流だった先代に対し、ダウンサイズした1.2L 3気筒ガソリンターボを搭載。3気筒と聞くと、廉価モデルをイメージするひとが多いが、実際にドライブしてみると4気筒との違いは感じられない。むしろ軽快に回るエンジンは、プジョーのイメージにマッチしている。なお、後にスポーツモデル向けの4気筒ガソリンターボ、4気筒ディーゼルターボを追加するなど、後にエンジンバリエーションを変更している。
プジョー308の年式別中古車相場は?

2014年11月に国内導入となった308は、当初1.2L 3気筒ターボ+6速ATの組み合わせで販売された。ローンチ時は「プレミアム」、「アリュール」、「シエロ」の3グレード展開。5ドアハッチバックに加え、ショートワゴンの308SWも同時に登場している(SWにはアリュールの設定はなし)。翌年7月には18インチホイールを装着してスポーティテイストを高めた「GTライン」が登場。10月には、それまで設定されていた「プレミアム」や「シエロ」が廃止され、ハッチバックとSWにそれぞれ「アリュール」、「GTライン」の2グレード構成となった。2016年2月には、1.6L 直4ターボを搭載する「GTi by プジョースポール」が登場。ライバルのゴルフGTIを軽々と上まわる最高出力に加え、専用内外装、強化された足まわりなど、内容の色濃いホットハッチとして注目された。その年の7月には、クリーンディーゼル「BlueHDi」が加わった。排気量は1.6Lターボ(アリュール BlueHDi)と2.0Lターボ(GT BlueHDi)が用意され、前者はJC08モードで21.0km/Lという低燃費を実現している。トランスミッションはいずれも6速ATを組み合わせる。
2018年6月、2.0L 直4ディーゼルターボのATが6速から8速へと変更を受ける。12月には従来の1.6L/2.0Lに代わり、新開発の1.5L 4気筒ディーゼルターボが登場。トランスミッションは8速ATが組み合わされ、JC08モード燃費は最大で24.3km/Lを達成した。そして2019年5月、1.2Lガソリンターボにも8速ATが導入された。このように、年式によってエンジンやトランスミッションの仕様が異なるので、購入の際に気をつけよう。年式別中古車参考は次のとおりとなっている。
年式 | 中古車平均価格 |
2015年式 | 149万円 |
2016年式 | 182万円 |
2017年式 | 230万円 |
2018年式 | 273万円 |
2019年式 | 289万円 |
100万円台前半の予算で買えるのは2015年式
現行モデルゆえ、3年落ちよりも新しいものは最低でも200万円の予算が必要。しかし、それ以前の年式(2015年~2016年式)ならば、100万円台の物件が中心となっている。とくにデビュー翌年の2015年式が安くなっており、なかには100万円を切る個体もある。2016年式はそれより少し相場が上がるが、物件数は2015年式よりも多く探しやすい。VWゴルフほどではないが、フランス車のなかでは十分物件が揃っているのが嬉しい。
プジョー308のグレード別中古車相場は?

308のグレード構成は、ガソリン車が「プレミアム」、「アリュール」、「シエロ」、「GTライン」、「GTi by プジョースポール」。ディーゼル車が「アリュール BlueHDi」、「GT BlueHDi」を設定。デビュー当時の「プレミアム」と「シエロ」は、今回の調査では物件がほとんど確認できなかった。「アリュール」は装備が充実するスタンダードモデル、「GTライン」または「GT BlueHDi」は、18インチの専用ホイール(アリュールは16インチ)を装着するスポーティモデルである。そして、308シリーズの頂点に「GTi by プジョースポール」が設定されるが、こちらは先代の「GTi」と比べてホットハッチらしい内外装デザインが与えられる。最高出力は250馬力と270馬力という2仕様が用意されるが、以下のデータでは区別せずにまとめてみた。
グレード | 中古車平均価格 |
アリュール | 167万円 |
GTライン | 207万円 |
アリュール BlueHDi | 209万円 |
GT BlueHDi | 260万円 |
GTi by プジョースポール | 321万円 |
※データはハッチバック。
スタンダードな「アリュール」がリーズナブル
購入の際、ガソリンかディーゼルで迷ってしまうが、ディーゼルはいずれも相場が高め。こちらは2016年に遅れて設定されたから、基本的に高年式となるのがその理由である。価格が下がって買いやすい年式は2015年式だから、「アリュール」がもっとも買いやすい選択となりそうだ。また、予算に少し余裕があれば物件がもっとも豊富な「GTライン」を狙うのも悪くない。一方、「GTi by プジョースポール」は平均価格が321万円と相場は少し高め。ライバルのVWゴルフGTiの平均価格がおよそ270万円ということを考慮すれば、もう少し安くなるのを待ちたいところだ。
プジョー308中古車のまとめ

総括すると、現行型プジョー308は登場から5年が経過してお買い得感が増している。クルマはモデルチェンジのタイミングで安くなるのが一般的だが、308は現行型にもかかわらず身近な相場に下がった。狙いどころは、2015年式の1.2L 3気筒ターボ「アリュール」。150万円の予算でも十分探せるはずだ。