輸入車
更新日:2019.09.04 / 掲載日:2019.03.15
【フィアット500】50万円の予算でも探せるおしゃれなスモールカーに注目!

輸入コンパクトカーを選ぶとき、もっとも重要なのは個性。国産車なら、使い勝手や価格、ディーラーのサービスなどが大切だが、あえて輸入車を選ぼうとする人は、それ以上にデザインや走り、そしてブランドそのものの好き嫌いで判断するケースが多いだろう。今回スポットライトを当てるのは、イタリアのスモールカー、フィアット500だ。日本に導入されてから早くも10年以上が経ち、堅実な販売実績もあって中古車がかなり豊富なのである。しかも50万円の低予算で狙える物件もあるから驚きだ。フィアット500の魅力に迫りながら、中古車価格相場を年式別、グレード別に見ていこう。
フィアット500ってどんなクルマ?
フィアット500は、歴史あるネーミングのクルマ。世に初めて誕生したのは1936年のこと。トポリーノと呼ばれたこのモデルは、イタリアにおける自動車の普及に大きく貢献したモデルだった。その名前を受け継いで1957年に登場した2代目は、今に続く500の下地となった重要なモデル。全長3m切る小型ボディを持ち、居住性を確保するためリヤエンジン、リヤドライブ(RR)方式を採用する。その親しみやすいルックスと相まって、英国のミニに並ぶ名車として後世まで語り継がれている。
そんな2代目の延長線上にあるのが、2008年に登場した現行型フィアット500。先代は1970年代には生産終了しているから、およそ30年ぶりの復活となった。ひと目で500と分かるアイコニックなデザインを採用し、サイズはひとまわり大きくなったものの、ミニマムなパッケージの3ドアという基本構造はそのまま踏襲しての登場となった。ただし、先代がRRを採用していたが、新型は時代に合わせて前輪駆動(FF)方式となっている。エンジンは1.2L 直4でスタートしたが、後に2気筒モデル「ツインエア」のような小排気量エンジンを展開するなど、幅広いバリエーションも特徴である。さらに、500をベースとしたホットモデル「アバルト500」も、ファンにはたまならない存在として注目を集めた。
フィアット500の世代別中古車相場は?

2008年2月の日本導入から、今年で11年が経過した。その長い期間、装備の見直しや追加モデル、年に幾度も発表される特別仕様車など、ファンを飽きさせない話題を提供している。しかしデビュー以来メカニズムが大きく変わることはなく、マイナーチェンジは2016年1月に初めて実施された。この際の変更点は、一部グレードにプロジェクター式ヘッドランプを採用したほか、テールランプの意匠も変更。さらにフロントバンパー、内装の仕立てなど、各部デザインが見直されている。いわゆるお色直し程度の改良で、ひと目で違いがわかるほどの違いはないから、熱心なファンでなければ気がつかないかもしれない。逆に言えば、10年以上前のデザインがいかに完成されたものなのかを再認識させられる。それらを踏まえ、年式別の中古車平均価格を見ていこう。
年式 | 中古車平均価格 |
2008年式 | 59万円 |
2009年式 | 70万円 |
2010年式 | 74万円 |
2011年式 | 87万円 |
2012年式 | 99万円 |
2013年式 | 108万円 |
2014年式 | 122万円 |
2015年式 | 141万円 |
2016年式 | 153万円 |
2017年式 | 174万円 |
2018年式 | 193万円 |
※500C、アバルトを除く。
2013年式以前が物件豊富でリーズナブル
中古車平均価格は、2013年式が100万円で買えるかどうかのボーダーライン。これより新しい年式だと、100万円以上の物件が目立ち、とくにマイナーチェンジが行われた2016年式以降の物件は相場がグッと高くなる。逆に2013年以前では物件数が多く、100万円の予算があれば手広く探せるだろう。さらに2010年以前のモデルであれば、50万円を下まわる物件も出はじめる。走行距離5万km~8万km程度であれば、限られた予算でも十分狙えるはずだ。
走行距離はどのくらいの物件が多いの?
たとえば2013年式の中古車で探した場合、3万km以下が43%程度を占めるから、それなりに低走行で良質な物件が揃っている印象を受ける。2015年式の場合は3万km以下が78%とさらに増え、逆に2011年式では3万km以下が20%にまで減ってしまう。フィアット500は、走行距離に価格が依存する傾向があり、良質なコンディションのものは高値の傾向が強い。低走行にこだわりすぎると、意外と高い…と感じるかもしれない。購入の際は予算に合わせた物件探しが大切だ。
フィアット500のグレード別中古車相場は?

フィアット500のエンジンバリエーションは、1.2L 直4 SOHC 8V、1.4L 直4 DOHC 16V、ツインエアと呼ばれる875ccの2気筒ターボが設定される。トランスミッションはデュアロジック(5速2ペダルMT)が中心だが、スポーティな「S」グレードは2気筒のツインエアに5速MTを組み合わせている。また、500Cはキャンバストップ仕様となることも覚えておきたい。これらのパワートレーンを基本に、さまざまなグレードや特別仕様車が展開されているが、今回は物件が豊富なモデルを中心に相場をみていこう。
幅広い年式から探せる「1.2ポップ」がオススメ
上の表でもっとも安いのは「1.4ラウンジ」だが、こちらは途中で廃止になったため、高年式が存在しないのがその理由。もっとも物件が流通しているのは、ベーシックな「1.2ポップ」。必要最低限の快適装備を持ちながら、価格が控えめなのが魅力である。一方、独特なビートを奏でる2気筒モデル「ツインエア」シリーズは、相場がやや高めとなる。しかし物件はそれなりに揃っており、クラシカルな走りのテイストは、他のグレードではなかなか味わえない。また、マニュアルで操れる「S」も趣味性が強いモデルだが、こちらは高値をキープしている。最後にアバルト仕様だが、2009年~2010年頃の初期型ならば、値落ちの幅が大きくお買い得感が高い。なかなかの辛口モデルなのでユーザーを選ぶが、走り好きなら一考の余地はありそうだ。
フィアット500中古車のまとめ

国産車に比べると、イタリア車は経年による相場の落ち込みが大きい傾向にある。フィアット500は見た目の可愛さ、知名度のインパクトが大きく、物件数もあって市場では人気が高い。それにも関わらず、イタリア車ゆえの値落ち傾向ゆえ手が出しやすいモデルなので、中古車購入の敷居は低いモデルと言える。ただし、2ペダルMTのデュアロジックは、経年によるトラブルの声も少なからず耳にする。とくに整備がきちんとされてない個体はその傾向が強いようだ。購入の際は、そのあたりを念頭に置きつつ、整備記録がしっかり残っているものを購入したい。