輸入車
更新日:2019.09.04 / 掲載日:2019.02.15
【フォルクスワーゲン ゴルフ】モデル末期で買い時!? 前期型なら100万円以下でもOK

日本でもおなじみの輸入車ブランドと言えば、フォルクスワーゲン(以下VW)。昨年(2018年)のブランド別新規登録台数は、メルセデスに次ぐ2位で、前年(2017年)よりも6%アップと相変わらず好調だった。そんなVWの屋台骨となるのは、なんと言ってもゴルフ。ファミリーカークラス(いわゆるCセグメント)のサイズで、日本ではトヨタ カローラやマツダ アクセラなどがライバルとなる。そんなゴルフがこのクラスのベンチマークと言われ続けるのは、やはり品質の高さにほかならない。とくに、現行型ゴルフはMQBと呼ばれる新しいアーキテクチャーを導入し、軽量化と高剛性化を両立。それまで定評のある走りの質感が、さらに上の次元へと昇華されている。そんな現行型ゴルフもデビューから6年目を迎え、そろそろ買い時となっている。今回は年式別、グレード別中古車平均価格をチェックし、買い時かどうかを判断したい。
フォルクスワーゲン ゴルフってどんなクルマ?
シンプルなデザインとコンパクトなボディを持つ新世代ハッチバックとして、1974年に登場したのがVWゴルフである。スポーティモデルのGTI、ステーションワゴンのヴァリアント、カブリオレなど多くの派生車種をリリースしながら、モデルチェンジ重ねてきた。7代目となる現行型が登場したのは2013年5月で、この世代よりモジュールアーキテクチャー「MQB」を導入。エクステリアは従来からの正統進化と言える佇まいで、どこから見てもしっかりゴルフと呼べるデザインが与えられた。
ゴルフでは5代目から排気量をダウンサイズし、過給機で出力とトルクを補う手法が取られているが、引き続き現行型でも1.2Lと1.4Lにそれぞれターボを組み合わせるのが基本となる。トランスミッションはデュアルクラッチ式の7速DSGを搭載(TSI系)。また、バリエーションの豊富さも注目のポイントで、基本スタイルのハッチバックに加え、ヴァリアント、クロスオーバー型のオールトラックが用意されている(これに加え、7名乗車ミニバンのトゥーランもファミリー内に存在する)。さらに、初代から続く伝統のスポーツモデル「GTI」はもちろん、そのさらに上をいく高性能バージョン「R」、プラグインハイブリッド「GTE」など、個性豊かなラインアップが揃うのも大きな魅力だ。
フォルクスワーゲン ゴルフの世代別中古車相場は?

現行型ゴルフヒストリーの概略を振り返ってみたい。2013年5月に日本での発売が開始された7代目ゴルフは、当初1.2Lターボの「TSI トレンドライン」、「TSIコンフォートライン」、1.4L ターボの「TSIハイライン」の3モデルで構成されていた。1.2LターボはJC08モードで21.0km/Lと、ガソリンエンジンながら優秀な燃費を実現。いずれのエンジンも今回新開発されたもので、軽量化とパフォーマンスを両立するのが特徴。2013年9月には、220馬力を誇る2.0L 4気筒ターボを積んだ「GTI」がデビュー。タータンチェック柄のインテリアなど、伝統的アイコンがこの世代にもしっかりと受け継がれている。さらに2013年末には、輸入車として初の日本カー・オブ・ザ・イヤー本賞に輝いたことも大きく報じられた。
2013年12月にはゴルフヴァリアントが、2014年2月にはゴルフRが追加され、バリエーションを拡大。2014年7月には、最上級グレード「TSIハイライン」に、キーレスアクセスが標準装備される。同年9月には、GTIをさらに高出力化した「GTIパフォーマンス」も登場。さらにその翌年となる2015年9月、リチウムイオン電池と高出力なモーターを搭載したプラグインハイブリッド「GTE」が選べるようになった。
2016年5月の商品改良(装備内容の見直し)を経て、ゴルフは2017年5月に大幅改良を受ける。この改良のポイントは、「トラフィックアシスト」などの運転支援システムが導入されたほか、衝突被害軽減ブレーキ「フロントアシスト」に歩行者検知機能が加わるなど、安全面が大幅に強化されたことだろう。また外観デザインの変更に加え、室内では12.3インチの大型ディスプレイメータークラスター「アクティブインフォディスプレイ」の採用も見どころ。さらに「GTI」や「R」などのスポーツ系では最高出力が高められるなど、走りの面でも進化を果たした。そして同年10月には、「GTE」の改良に加え、電気自動車「eゴルフ」が登場。未来のモビリティを先取りした技術がゴルフにも盛り込まれることになった。
年式 | 中古車平均価格 |
2013年式 | 122万円 |
2014年式 | 141万円 |
2015年式 | 159万円 |
2016年式 | 179万円 |
2017年式 | 234万円 |
2018年式 | 269万円 |
※ガソリン車のハッチバックのみ、GTI、Rを除く。
5年落ち(2014年)以前が手頃な価格で入手可能に
マイナーチェンジ後の物件が中古車市場に流通しはじめた昨年頃から、初期のゴルフはかなり買いやすい価格帯に下がっている。2013年式~2014年式では平均価格が150万円を切っており、100万円以下の安価な物件もそれなりの数が流通する。走行距離は多くても5万km程度となっており、極端に走行距離が伸びた物件は多くない。新車販売が好調であるがゆえ、中古車全体のボリュームが大きく、安価な物件が探しやすいのもゴルフならではの傾向と言えそうだ。
フォルクスワーゲン ゴルフのグレード別中古車相場は?

ゴルフのグレードは、ハッチバックだけでも「TSIトレンドライン」、「TSIコンフォートライン」、「TSIハイライン」の基本モデルに加え、「GTE」、「GTI」、「R」、そして「eゴルフ」が存在する。最初に挙げた2モデルは主に装備の違いによるもので、エントリーモデルの「TSIトレンドライン」ではアクティブクルーズコントロールなどの一部の運転支援システムが省かれているほか、内装の仕立ても少し質素なものになる。とはいえ、もっとも重要な安全装備である衝突被害軽減ブレーキは、どの年式でも全車標準となるのは嬉しい。
グレード | 中古車平均価格 |
TSIトレンドライン | 118万円 |
TSIコンフォートライン | 158万円 |
TSIハイライン | 193万円 |
GTE | 269万円 |
GTI | 268万円 |
R | 363万円 |
※ハッチバックのみ。
装備と価格のバランスがよい「TSIコンフォートライン」がオススメ
ベーシックな「TSIトレンドライン」は相場が低いものの、物件数が乏しく探しにくいのが難点。それに比べて「TSIコンフォートライン」は物件が充実しており、運転支援システムが充実するなど、納得の装備内容となっている。にもかかわらず「TSIトレンドライン」とのあいだに大きな価格差はないから、もっとも買いやすいグレードと言えよう。しかし、1.4Lターボによるゆとりの動力性能を重視するなら、「TSIハイライン」がベストチョイス。こちらは相場が少し高めだが、物件が非常に豊富で探しやすい。
またプラグインハイブリッドの「GTE」は、相場の高さもさることながら、物件数が少ないので選びにくいと感じる。それに対し、ガソリンのスポーツモデル「GTI」は、良質な物件が豊富に揃っており、そろそろ買い時を迎えている。スポーツモデルといえども日常の使い勝手を犠牲せず乗り心地も両立することから、多くのユーザーにオススメできるモデルだ。また「R」は物件数こそ少ないが、新車価格では550万円オーバーの高額車だと考えると、中古車はそれなりに安く買える状態と考えてよいだろう。駆動方式は4WDとなり、パフォーマンスと安定感のある乗り味が魅力である。
フォルクスワーゲン ゴルフ中古車のまとめ

デビューから今年で丸6年が経つ現行型ゴルフ。そう遠くない将来に次期型が登場するとの噂もあり、今後の動向に注目が集まる。そんななか、現行型は前期型なら100万円前後の予算で狙える車種のひとつであり、物件数も国産車と比べても遜色がないほど豊富。同クラスの輸入車には、プジョー308やルノー メガーヌなどが存在するが、販売店ネットワークの多さを考慮すると、やっぱりゴルフは魅力的。飽きのこないデザインは、長く乗りたいというユーザーにもぴったりだ。免許取り立ての若いユーザーからシニアの方まで幅広い層にオススメしたい1台である。