輸入車
更新日:2019.08.22 / 掲載日:2018.12.28

至福の時間を約束する 高級車と呼ばれるクルマたち

Visual model : AUDI A7 Sportback

写真●グーワールド
(掲載されている内容はグーワールド本誌2019年2月号の内容です)
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。


ひとは、美しいもの、心地のいい空間、気持ちのいい瞬間を愛する。食事もそう。ただ空腹を満たすだけでよければ、創造性を駆使した芸術品のごときひと皿も、気の遠くなるような手間暇を必要とする銘酒も必要ない。ラグジュアリーカーというある種のクルマたちもけっして必要性をもって作り出されているわけではない。積み重ねられた知見と技術、磨き抜かれた美意識、新たな発想、そうした、言わばブランドそのものを体現したプロダクトを形にしたもの。それがラグジュアリーカーなのである。それらは大きく、速く、豪華だ。一方で、そういった要素を備えれば自動的に高級車となるかといえば、必ずしも、そうとはかぎらない。作り手の意思、プライドがなければ乗り手の心を震わせることはなく、それは単なる高性能車として扱われる。今月は、世界各国のブランドがプライドをかけて世に送り出した高級車と呼ばれるクルマたちの最新事情を紹介する。

洗練を極める王道御三家の最新モデル

文●九島辰也 写真●グーワールド
※ナンバープレートはすべて、はめ込み合成です。


「ジャーマン・スリー」の勢いが止まらない。圧倒的な商品力の高さでマーケットを制覇してきたメルセデス・ベンツ、BMW、アウディは、近年そのラインアップをさらに拡大、充実。それぞれのブランドが最高の技術を投入した魅力的なモデルを高級車マーケットに提案している。その多様性ある最新モデルを一挙紹介。

それぞれのブランドが最高の技術を投入する

 2018年、アウディはフルサイズセダン系のモデルチェンジを行った。ここで紹介するA7スポーツバックとA8である。QシリーズのSUVばかり話題になるが、このクラスもしっかり進化させている。
 A7スポーツバックは今回第二世代へと突入した。4ドアクーペというちょっと特殊と思われたパッケージングだが、見事にポジションを勝ち得たということだ。それを証拠にスタイリングはキープコンセプト。ヘッドライトやリヤコンビネーションランプに手を入れ個性を光らせている。エンジン始動時の光り方は独特だ。ただリヤエンドのシルエットはこれまでとは違う。従来よりも数ミリ、リヤデッキを高くした。これでより躍動的な印象を強くする。
 ではなぜこのタイミングでのフルモデルチェンジかというと、ベースとなるプラットフォームが新世代へとスイッチしたから。新型はグループ内でも共有するミッドサイズ以上のプラットフォームを採用する。A8、A4、Q5、Q7にも使われるMLB evo(エム・エル・ビー・エヴォ)と呼ばれるのがソレだ。軽量かつ高剛性で運動性能が高められ、さまざまなタイプのクワトロシステムが使えるメリットがある。
 ちなみに、アウディはA8以降「55」や「60」という数字をモデルに付けているのをご存知だろうか。これはパワーの領域を表すもので、今後EVが出ると排気量表示がなくなり上下関係がわかりにくくなるために設けられた。要するに数字の高い方が大パワーというわけだ。
 そんな4ドアモデルのA7スポーツバックやA8だが、BMWはまったく違うアプローチで高級車を送り込んできた。それが写真の8シリーズ2ドアクーペ。BMW久々の8シリーズ復活である。
 BMWはご存知のように6シリーズで2ドアクーペとカブリオレ、それと4ドアクーペ「グランクーペ」をラインアップしてきた。ただ、その上に7シリーズがあるとフラッグシップとは呼べないのも事実である。
 ならば!ということで、それらを一気に格上げすることにした。その方が2ドアクーペのラグジュアリーさを強調できるからだ。その背景には、メルセデスSクラスクーペや同カブリオレが好調という事実もある。
 8シリーズクーペのベースは7シリーズと同じ。だが、よりスポーティに味付けしたのは明白で、ポルトガルでテストドライブしたM850i xDriveは、サーキット走行が試乗プログラムに組み込まれるくらいレーシーだった。まぁ、「M」の文字が入っているのだから当たり前でもあるが。そして一般道では快適な乗り味を提供する。この辺がBMW流高級車の定義。使える領域が広い。

Profile
モータージャーナリスト

九島辰也
ファッションにも造詣が深い自動車ジャーナリスト。プライベートでは、アメリカ、ドイツ、イギリスと、各国のクルマを乗り継ぐ。

アウディ A7スポーツバック

より上質に、より機能的に進化を遂げた
 新型は2010年にリリースされた初代からのフルモデルチェンジ。特徴はデザインで、先代で好評だったフォルムをそのままに細部を徹底的に見直した。違いがわかるのはテールエンドで、シェパード犬にたとえられた低いテールを33mm上げルーフラインからの流れをなだらかにした。

アウディ A7スポーツバック 1stエディション (7速AT・Sトロニック) ●全長×全幅×全高:4970×1910×1415mm ●エンジン:V6DOHCターボ ●総排気量:2994cc ●最高出力:340ps/5200-6400rpm ●最大トルク:51.0kgm/1370-4500rpm ●新車価格:988万円~1161万円(全グレード)

ダッシュボードセンターのモニターは上下2画面。走りに関しての情報は上で、エアコンなど快適操作は下の画面となる。どちらもタッチスクリーン式。スマートフォンとの接続ではアウディ専用のmy Audiアプリを使うとナビに目的地を送信することが可能となる。

アウディ A8

アウディのフラッグシップはすべてが上品
 A7スポーツバックより一足早く発表されたA8。文字どおりのフラッグシップモデルで、兄弟車と同じプラットフォームを使いながらボディパーツはすべてアルミという贅沢なつくり。そのため軽快な走りもできるが、デフォルトは乗り心地の柔らかい快適性を重視した設定。

BMW 8シリーズ

あの8シリーズがいよいよ復活!
 7シリーズと共有する最新のプラットフォームに最新のパワートレーン、最新のインターフェースを搭載した新型8シリーズ。メインはBMW M850i xDriveで4.4L V8ツインパワーターボを搭載する。本国には3L直6ガソリンと同排気量のディーゼルターボモデルもある。

BMW M850i xDrive(8速AT) ●全長×全幅×全高:4855×1900×1345mm ●エンジン:V8DOHCターボ ●総排気量:4394cc ●最高出力:530ps/5500rpm ●最大トルク:76.5kgm/1800-4600rpm ●新車価格:1714万円

BMW M850i xDriveは“M”が付いていることからも察せられるように、フロントリップスポイラーやサイドのエアブリーザー、リヤスポイラーなどスポーツ性能を高める装備が付く。足元は20インチの専用アロイホイール。インテリアはシックで落ち着いた大人の雰囲気を醸し出す。

BMW 8シリーズ コンバーチブル

一目で惚れ込んでしまう流麗なシルエット
 正式な発表はまだだが、クーペのプレゼンテーションでは写真のコンバーチブル、それと4ドアクーペの“グランカブリオ”が2019年に追加されることがアナウンスされた。カブリオレの美しさは絶妙。また、その後ハイパフォーマンス版のM8も登場することが決まっている。

長年のノウハウが息づいた作り込み

 アウディ、BMWがそれぞれのアプローチでラグジュアリーモデルのマーケットに立ち向かっているなか、王道メルセデスは独自の道を歩んでいる。それはSクラスのラインアップの拡大。じつは見た目ではわからない進化を着々と進めているのだ。
 たとえばそれが2018年春にリリースされたS450。これは約20年ぶりとなる直列6気筒エンジンを搭載する。新設計されたそれは、直6の概念を打ち破るコンパクトさと高効率を実現し、電動スーパーチャージャーとターボで広範囲において走りの性能を高めた。これを“ISG”と呼ばれるモーターと“48V”バッテリーを搭載しマイルドハイブリッドとしているのだ。
 また秋には直列6気筒のクリーンディーゼル車を発表。S400dがそれで、当然だが厳しいヨーロッパの環境規制にも適合している。
 というように、一見しただけではわからない進化をSクラスに与えている。AMGやマイバッハを有しながらコンパクトな直6エンジンを増やしているのが独創的だ。エクステリアをそのままに中身を進化させる。これぞ王者ならではの技だろう。
 もちろんインターフェースも進化。クルマが通信機能を持って利便性を高めるシステムなどを導入。ユーザー目線で使い勝手を高めている。

メルセデス・ベンツ Sクラス

成功し続けるには、理由があることを知らしめる
 昨年フェイスリフトした現行型Sクラス。王道セダンを筆頭にクーペ、カブリオレといったボディタイプを持つほか、AMGやマイバッハといったサブブランドで広くマーケットニーズに応えている。2018年はガソリンとディーゼルの直列6気筒エンジンを追加して話題をさらった。

メルセデス・ベンツ S 400 d(9速AT) ●全長×全幅×全高:5125×1900×1495mm ●エンジン:直6DOHCディーゼルターボ ●総排気量:2924cc ●最高出力:340ps/3600-4400rpm ●最大トルク:71.4kgm/1200-3200rpm ●新車価格:1138万円~3427万円(全グレード)

全性や快適性を高めるインテリジェントドライブを掲げるSクラス。その一環としてクルマに通信機能を持たせるメルセデス・ミー・コネクトを導入するなど抜かりはない。セダンのボディタイプはスタンダードとロングの2種類。ロングは13cm長くして後席を快適にする。

メルセデス・マイバッハ Sクラス

まさに選ばれし者が選ぶ1台
 スポーティなAMGよりも高級感を高めたのがマイバッハ。起源は1930年代に輝いた最高峰ラグジュアリーブランドだ。リヤシートの快適性を高める装備が満載されるのは当然のこと、最近は2トーンのボディカラーを用意するなど工夫されている。鏡面仕上げのホイールが似合う。

ハイラグジュアリーなブランドにもSUVの波が押し寄せている!

文●九島辰也

 ドイツ御三家のラグジュアリーさはご存知のとおり。セダンやクーペでその世界を演出している。では、その上をいくウルトララグジュアリーブランドはどうなっているのかというと、ご覧のようにSUVの百花繚乱。ベントレー、ロールスロイス、ランボルギーニがそれぞれ各ブランド初となるSUVをリリースしている。
 さらにいえば、アストンマーティンもDBXという名前のSUVを準備している。その先にはついにイタリアの跳ね馬が……という声もある。
 もちろん、こういったブランドなのでプライスは一声3000万円。それぞれエントリーモデルではなく、自分たちの個性をいっぱいに詰めて開発、そして製品化した。なので8気筒12気筒がデフォルト。背が高くなってもハイパフォーマンスであることに変わりはない。この3モデルはどれもが500馬力以上である。
 もちろん、それでいて快適性も損なわれない。エアサスを駆使して雲にでも乗っているかのような乗り心地を提供する。もっというと、インテリアの仕上がりもウルトラ級。レザーもウッドも、ホンモノを知る者たちを納得させる仕上がりのものが用意される。そこはウルトララグジュアリーブランドの真骨頂。もはやため息しかない。

ロールスロイス カリナン

ファントムに通じるロールスロイスらしさを強くアピールするエクステリアデザイン。全長は5340mm、全幅は2000mm。エンジンは6.75L V12で最高出力は571馬力を発揮。

ドアの開き方は当然コーチドア。リヤドアのヒンジは後ろ側にある。インテリアはクラシカルな雰囲気だが、ダッシュボードには最新のテクノロジーが搭載される。名前は世界最大級のダイヤモンドに因む。

ベントレー ベンテイガ

このクラスにおいて、一足早くリリースされたのがベンテイガ。W12でリリースされたのちV8エンジン車も追加されている。エンジンは6L W12で、最高出力は608馬力。

ベントレーらしくベンテイガはドライバーズカーである。なので運転席は高級でありスポーティ。ハンドリングは想像以上に軽快。

ランボルギーニ ウルス

今年日本で発表されたウルス。ランボルギーニらしいスタイリングは、まさにガンディーニのデザインを思い起こす。エンジンは4L V8。最高出力は650馬力を発揮。

ベンテイガやカリナンと違うのは、ランボルギーニにとって久しぶりのリヤシート付きということ。つまり日常使いできるランボルギーニとなる。

足元の準備は大丈夫? ラグジュアリーカーのためのウインタータイヤカタログ

文●グーワールド 写真●ベントレー

まるで芸術品のように美しく仕上げられたラグジュアリーカーを雪道で走らせる。そんな最高の贅沢を実現させてくれるのが、ラグジュアリーカーに対応する高級スタッドレスだ。

冬タイヤに履き替えれば旅の行く先も広がる

重量級のSUVはとくにストッピングパワーが要求されるため、高性能な冬用タイヤを用意したいもの。ホイールとのマッチングもあるため、大口径タイヤに対応する銘柄を選びたい。

 贅を尽くしたラグジュアリーカーで行く旅行は、プライベート感覚がより高まり盛り上がるもの。しかし、冬となれば行き先によっては積雪が予想されるため、最低でもスタッドレスタイヤに交換しておきたい。
 観光地の多くは除雪されており、とくに幹線道路であれば雪が積もっている状況は少ないかもしれないが、装備の充実しているラグジュアリーカーは車重が重い傾向にあり、重いクルマというのは質量保存の法則によってブレーキが利きにくい。たとえ高度な4WDシステムを備えたSUVであっても、止まるときにはタイヤのグリップを超えて制動力を発揮させることはできないからだ。
 そしてもうひとつ気をつけたいのが、ラグジュアリーカーは大口径ホイールを履くため、スタッドレスの選択肢が限られるということ。とくに20インチ以上のサイズとなると、街場のタイヤショップでは在庫していないケースも多い。いざとなってから慌てないよう、旅行などの前から確認しておきたい。

  • ミシュラン パイロットアルペン PA4 価格:オープン

  • ピレリ スコーピオン ウインター 価格:オープン

  • コンチネンタル コンチバイキングコンタクト 6 SUV 価格:オープン

  • ブリヂストン ブリザック ヴイアールエックスツー 価格:9018円~9万504円

乗り手もラグジュアリーに着飾る メルセデス・ベンツ コレクションの世界

文●グーワールド

ラグジュアリーカーのある暮らしをさらに楽しむためのエッセンスを紹介。今回は、「メルセデス・ベンツ コレクション」のなかから、おすすめのアイテムを厳選した。

ブランドの世界観を表現するアイテムたち

 近ごろ注目されている「ブランド体験」という言葉。自動車においては、車両だけでなく、ブランドの文化をベースにしたイベントやファッションアイテムを提供することで、よりその本質をユーザーに届け、味わってもらうというねらいがある。
 ラグジュアリーブランドとして長い歴史を持つメルセデス・ベンツは、いち早く取り組みをスタート。ファッションアイテムについても、幅広いカテゴリーでラインアップしている。また、各ジャンルの一流ブランドとのタイアップによるアイテムづくりも話題だ。
 たとえばキーホルダー。クルマグッズの大定番だが、メルセデスが手がけるとまさしくラグジュアリーなテイストが漂う。
 実用性はもちろん、カーライフがもっと楽しくなるアイテムだ。

  • この季節ラゲッジに常備しておきたいジャケット。防風・撥水・通気・保温性といった機能性はもちろん、シルエットも美しい。Mercedes-AMG メンズ ジャケット 価格:41,040円(税込)

  • ピンクゴールドの艶やかな輝きに、上質なブラッククリスタルを組み合わせた上質で洗練されたアイテム。スワロフスキー キーリング ピンクゴールド 価格:15,000円(税込)

  • 上質なカーフスキンとメタル製クレストロゴとの対比が美しいベルト。ユニセックスデザインとなっている。Mercedes-Maybach ベルト ブラック 価格:48,000円(税込)

  • 愛犬もドレスアップしてお出かけしてはいかが? スワロフスキー・エレメントが美しく輝く首輪。2サイズ有り。スワロフスキー 首輪 価格:17,820円(税込)

  • ブラック仕上げのスリーポインテッドスターがシックなイメージを演出。バッグやポーチのアクセントにも。スワロフスキー キーリング ブラックエディション 価格:8,100円(税込)

  • 軽量なマイクロファイバーを使った肌触りよく軽量なブレスレット。スワロフスキーの輝きがエレガント。スワロフスキー レディス ブレスレット 価格:15,120円(税込)

  • 一流ゴルフブランドのテーラーメイドとコラボレーションしたキャディバッグ。10のポケットなど収納力も高い。テーラーメイド キャディバッグ ブラック 価格:43,200円(税込)

ラグジュアリーカーこそカスタマイズがハマる理由

文●グーワールド

カスタマイズには、性能を引き上げるチューニングに加え、自分らしさを演出するドレスアップも含まれる。ラグジュアリーカーだからこそ、「吊るし」で満足せず、自分らしいスタイルを貫きたい。

そもそも高級車こそがカスタマイズの主流だった

 毎年1月上旬に開催される東京オートサロンは、世界から来場者が集まるカスタマイズカーの祭典。
 オートサロンと聞くと、スポーツカーのチューニングをイメージするかもしれない。しかし、そもそもクルマというのは馬車の時代から高級車はフルオーダーするもので、注文主の要望に応じてカスタマイズするのが当たり前だった。だからこそ、プレミアムブランドはカスタマイズプログラムを用意し、顧客からの細かい要望に応えようとするわけだ。
 それでもなお満たされないニーズに対してアフターパーツというものが存在しており、その最新展示会がオートサロンなのである。
 このようなイベントは、東京だけでなく各地で順次開催される。一度足を運んでみてはいかがだろうか。

国産チューニングカーに混じって輸入車のハイパフォーマンスモデルやラグジュアリーカーも多数展示される。

アフターパーツはよりデザインの主張が強く、乗り手の個性を演出する手助けになってくれる。

ボディタイプ別で探す 至高のラグジュアリーカー

文●グーワールド ※ナンバープレートはすべて、はめ込み合成です。

新車時は高嶺の花だったプレミアムモデルも、ユーズドカーなら現実的に入手できる。今回は、そんな至高のラグジュアリーカーたちをボディタイプ別にご紹介。フォーマルなシーンで使えるセダン、流行りのSUV、個性あるクーペの3ジャンルで探そう。

[Body type:SEDAN]ハイエンドモデルならやっぱりセダン

 流行り廃りの激しい自動車の世界において、セダンは保守的な存在。しかしプレミアムブランドの大半は、フラッグシップにセダンを設定する。マセラティも、長年にわたり大型高級セダン「クワトロポルテ」を生産している。その最新型となる6代目は、2013年にデビュー。エモーショナルな外観は、ドイツ御三家にはない独特の個性を放つ一方、レザーをふんだんに用いた室内は、高級GTを数多く手がけるマセラティらしい贅沢なものとなっている。エンジンは当初V8ツインターボが積まれたが、後にV6ツインターボや、それがベースの4WDも登場した。
 中古車は、イタリア車ゆえ数はそれほど多くない。しかし、5年落ちで600万円前後の物件があり、新車時の半額以下の予算から探せる。ちなみに物件豊富なのはV6の「S」系モデル。全体的に低走行なものが目立ち、入手はしやすい状況である。ドイツ系セダンにはない華がある、魅力的な選択肢と言っていい。

マセラティ クアトロポルテ

全長5270mm、全幅1950mmというボディサイズは、ライバルのメルセデスSクラスよりもさらに大きい。フルレザーの内装は豪華で、リヤシートもゆとりがあって快適。写真は4WDの「S Q4」で、410馬力の3L V6ツインターボを搭載する。

中古車参考価格帯
470万円~1470万円(13年~18年 全グレード)

ポルシェ パナメーラ(先代)

ポルシェが手がけたラグジュアリーサルーン

 パナメーラとライバルの違いは、なんと言っても運動性能。全長およそ5mの巨体ながら、走りにはポルシェのDNAが息づいている。最近新型が登場し、先代モデルの中古車は手が出しやすくなった。もっとも買いやすいのはV6エンジンを搭載したベースグレードで、400万円の予算から探せる。物件数が多いのも大きなポイント。

リヤゲートを持つファストバックボディが特徴のパナメーラ。後席の快適性よりもドライバーが運転を楽しむことを重視したクルマである。エンジンラインアップは豊富で、ハイブリッドの設定もある。

中古車参考価格帯
400万円~1290万円(09年~16年 全グレード)

ジャガー XJ

時代は変わってもジャガーの走りは健在

 ジャガーの最上級セダンXJは、2010年にモデルチェンジを受けて最新型になった。デザインはモダンになったが、走りはかつての味を残す。登場から8年が経ち、中古車相場はかなり下がってきた。平均価格は550万円ほどだが、300万円台の物件も目立っている。

以前のXJはスポーツカーのような低い着座位置だったが、現行型はライバルと大きな差はなく、前後席とも広々としている。しかし、時代が変わっても走りのテイストはジャガーらしさにあふれている。

中古車参考価格帯
280万円~1000万円(10年~18年 全グレード)

BMW 7シリーズ(先代)

BMWらしい走りが楽しめる大型セダン

 2009年に登場した先代7シリーズは、落ち着いた外観と手頃な価格で、このジャンルにおける鉄板チョイス。ショートホイールベース仕様でも5mを超すサイズだが、身のこなしが軽く大きさを感じさせない。相場は下がり、200万円台の予算から探せる。

落ち着いたデザインの室内は、前後席ともゆとりのスペースを実現していて快適。エンジンラインアップも豊富で、写真の「アクティブハイブリッド7」ではJC08モード燃費14.2km/Lを実現している。

中古車参考価格帯
150万円~500万円(09年~18年 全グレード)

[Body type:SUV]

ポルシェ カイエン(先代)

ポルシェの走りが息づくスポーツSUV

 ポルシェのSUVであるカイエンは、初代から一貫した高い運動性能を持つ。ここで紹介するのは2010年に登場した2代目。V6を搭載するベースグレードのほか、V8の「S」、V8ターボの「ターボ」など多くのグレード構成を持つ。物件豊富で買いやすいのはベースグレードで、平均価格は470万円ほど。ちなみに「S」は480万円、「ターボ」は710万円となっている。新型登場の影響で、今後さらに下がる可能性が高い。

ポルシェらしい明るいベージュの内装。前後席ともに大人がゆとりを持って座れるスペースが確保される。リヤシートは前後に160mm調整可能で、バックレスト角度も変更できる。

写真は3LV6スーパーチャージャーにモーターを組み合わせた「S ハイブリッド」。JC08モード燃費は14.0km/Lを実現している。

中古車参考価格帯
350万円~1430万円(10年~18年 全グレード)

メルセデス・ベンツ Gクラス(先代)

クロカンの伝説的存在が身近な価格で買える!?

 70年代から生産され続ける伝説のクロカンがGクラス。ここ最近新型が登場したが、先代の人気はこの先も当分健在だろう。中古車価格の幅が広く、2000年代前半の年式かつ走行距離10万kmのものであれば、300万円台の予算から探せる。しかし、物件のボリュームが多いゾーンは2010年~2015年モデルで、平均価格はおよそ900万円となる。ディーゼル車も選べるが、相場はガソリン車が低い。

この限定車にはdesignoブラックレザーシートが採用されるなど、豪華な仕立てとなる。ウインドウの位置が低く、見晴らしのよい室内もGクラスならでは。

写真は先代最後の限定車「ヘリテージエディション」。エンジンは2Lディーゼルターボが搭載され、61.2kgmというトルクを発揮する。

中古車参考価格帯
300万円~1400万円(95年~18年 全グレード)

ポルシェ 911(タイプ991)

新型登場後も価値をキープ

 スポーツカーとしての性能はもちろん、日常でも快適に使えるクーペ。先日、新世代911が公開されたが、先代モデル(タイプ991)の中古車相場には大きな影響を与えていない。全体的にかなり高値だが、比較的探しやすいのは標準の「カレラクーペ」で、800万円台の予算から探せる。トランスミッションはPDKが大半となっている。

リヤシートを備えるものの、ここに大人が座るのは難しい。しかし荷物置き場と割り切れば、意外と実用性が高いことに気づくはず。長く乗り続ける価値のある、究極のスポーツカーと言えるだろう。

中古車参考価格帯
810万円~2500万円(12年~18年 全グレード)

アウディ A7スポーツバック(先代)

エレガントなフォルムの4ドアクーペ

 最近流行りの4ドア・ファストバッククーペがA7スポーツバック。リヤシートへのアクセスがよいため、実用面では普通のセダンとあまり変わらないのが魅力。中古車相場は以前と比べてグッと下がり、200万円台の物件も少なくない。物件数が多く買いやすいのは3LV6スーパーチャージャー搭載の「3.0TFSIクワトロ」。

上品なウッド素材を用いるなど、ラグジュアリークーペらしい雰囲気のインテリア。全長がおよそ5m近くある大柄なボディのため、前後シートともゆったり座れる。全体的に質感が高いのもポイント。

中古車参考価格帯
250万円~680万円(11年~18年 S/RSを除く)

[Body type:電気自動車&プラグインハイブリッド]

ゼロエミッションの高級車も続々登場

 ラグジュアリーカーの世界にも、EV&PHVの波が押し寄せている。多くのブランドが次世代モデルを発表しているが、なかでもいち早くEVを普及させたのが、新興メーカーのテスラである。当初は2シーターのオープンスポーツからスタートし、続いて大型セダン「モデルS」を発表。その後も「モデルX」などの個性あるEVが続いた。また、BMWも2014年から「i」シリーズを導入し、EVの「i3」、PHVの「i8」を発表した。いずれも高額だが、中古車ならばやや買いやすくなっている。

テスラ モデルS

エレガントなフォルムの4ドアクーペ

 テスラのなかでもっとも買いやすいのが4ドアセダンのモデルS。ボディサイズはメルセデスEクラスに近いが、室内は広く、インパネまわりもEVらしい未来的なデザイン。初期型ならば600万円前後の予算から探せる。

中古車参考価格帯
600万円~1480万円(14年~18年 全グレード)

テスラ モデルX

エレガントなフォルムの4ドアクーペ

 5名~7名乗車が可能なクロスオーバーのモデルX。ファルコンウイングという跳ね上げ式ドアのおかげで乗降性に優れている。中古車はまだそれほど出まわっておらず、相場もかなり高めとなる。

中古車参考価格帯
1000万円~1230万円(17年~18年 全グレード)

BMW i8

エレガントなフォルムの4ドアクーペ

 1.5Lエンジンにモーターを組み合わせた次世代スポーツカーが「i8」。未来的フォルムと、低車高による運動性能がアピールポイント。中古車は少しずつ増えており、1000万円前後の物件も増えた。

中古車参考価格帯
1000万円~1340万円(14年~18年 全グレード)

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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