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更新日:2019.09.04 / 掲載日:2018.10.24
【BMW Z4】 新型登場目前! 現行型Z4が100万円台の予算で購入可能に

ここ1年ほど、次期型の噂が絶えなかったBMW Z4が、先日ついに正式発表された。ソフトトップを備えた伝統的なオープンスタイルと力強く精悍なデザインは、新時代のオープンカー像を具現化したもの。日本への導入はもう少し先になりそうだが、早速注目している人も多いのではないだろうか。しかし、Z4を買うなら現行型も見逃せない存在だ。その理由は、なんと言っても中古車価格の安さ。登場からすでに10年近い月日が流れ、100万円台の物件がかなり増えている。プレミアムブランドの2シーターモデルがこの価格帯なら、十分納得のいくクルマ選びと言えよう。また歴代Z4で唯一の電動開閉式メタルトップを採用するから、快適性や防犯性を重視するなら見逃せない存在でもある。今回は、そんな現行型Z4の中古車相場を詳しくみていきたい。
BMW Z4ってどんなクルマ?
コンパクトな2シーターオープンモデルZ3の後継として、2003年1月に登場したのがZ4。Z3時代よりもボディがやや大きくなり、クリス・バングル氏が手がけた個性あふれるデザインをまとって話題となった。Z4の最大のライバルと言えばメルセデスSLKクラスだが、こちらはメタルトップなのに対し、BMW Z4は伝統的なオープンカーらしいソフトトップを採用。ロングノーズ、ショートデッキフォルムと相まって、見るものに鮮烈なイメージを与えた。ちなみに2シータースポーツという成り立ちから、乗り手を選ぶスパルタンなクルマだと思われがちだが、Z4の走りは乗用セダンから乗り替えても違和感のない快適性がウリ。逆に言えば、ハードコアなスポーツカーを求めるなら物足りなく感じるユーザーがいるかもしれないが、日常でも不便なく使える間口の広さこそ、Z4最大の魅力と言えよう。
そして2009年5月には2代目Z4が登場する。ソフトトップを採用する初代から一転、2代目はSLKと同じくメタルトップを採用したのが最大のトピック。初代Z4には固定式ルーフを持つクーペが途中で加わったが、新しくなったZ4はクーペとオープンの長所を兼ね備えたモデルとなり、ボディタイプはひとつに集約されることになった。また、全長が150mm近く延長され、エントリーモデルでも車両重量が1.5トンを越す重量級モデルに進化。このおかげで室内の静粛性はさらに高まり、グランドツーリングカーとしての性格が強くなったことも特徴だ。先代に存在した高性能バージョン「M」は最終的に設定されなかったものの、トップモデルは340馬力を誇っていたからパフォーマンス的には申し分なく、さらにモータースポーツ向けのレースマシン「GT3」車両も販売されるなど、走りのイメージが希薄になったわけではない。つまり、従来のライトウェイト路線よりも上のクラスにシフトした、大人のオープンスポーツというのが、この世代のパーソナリティなのである。
BMW Z4の年式別中古車相場は?

年式別の中古車相場を探る前に、簡単に2代目Z4の経歴を振り返ってみたい。2009年4月、2代目Z4の国内導入がスタートした。当初は2.5L 直6の「sDrive 23i」と3.0L 直6ターボの「sDrive 35i」を設定。同年9月には高性能な3.0L 直6ターボを搭載する「sDrive 35is」が追加された。従来の「35i」は306馬力なのに対し、「35is」は出力を340馬力に高めているほか、MスポーツパッケージやアダプティブMサスペンションが標準装備となるのが特徴で、Z4の頂点に位置するスポーツモデルである。2011年10月には、新世代4気筒ターボ+8速ATを搭載するエントリーモデル「sDrive 20i」が登場。初代Z4はすべて6気筒が積まれたから、BMWのZ系モデルに4気筒が与えられたのは、1996年登場のZ3以来のこととなる。2013年4月にはマイナーチェンジを受け、LEDスモールライトリングを採用したヘッドライトなど、エクステリアが一部変更された。とは言え、BMWとしては控えめな改良内容で、精悍なデザインは大きく変わることはなかった。ちなみに「23i」は途中で廃止され、最終的には「20i」、「35i」、「35is」という3つのラインアップに集約された。
年式 | 中古車平均価格 |
2009年式 | 217万円 |
2010年式 | 235万円 |
2011年式 | 263万円 |
2012年式 | 293万円 |
2013年式 | 353万円 |
2014年式 | 367万円 |
2015年式 | 411万円 |
2016年式 | 444万円 |
予算に応じた年式選びが可能。価格重視なら最初期型がオススメ
上の表によると、マイナーチェンジが行われた2013年を境に相場が50万円以上も異なる。この年式以降の後期型は物件が激減しており、中古車としてはかなり買いにくい状況だ。こだわりがなければ、2013年以前のモデルを中心に探すとよいだろう。年式と価格はきれいな比例関係にあり、予算に合わせて高年式を狙うことが可能。当然高年式になるほど低走行車両が中心となるから、300万円ほど予算があれば、5年落ち(2013年式)あたりが目安となるはず。
しかし、今回最も注目すべきは最初期型の2009年式。ほぼ10年落ちとなるから、半数近くの物件は5万km以上となってしまうが、平均価格は217万円とかなり手ごろな価格帯になっている。注意深く探せば、走行距離5万km~8万kmであれば100万円台後半の予算でもOK。デビュー当時の新車価格帯は523万円~695万円であることを考えれば、この価格はとても魅力的。なお、中古車がもっとも豊富なのは2009年式だから、手広くクルマ探しができるだろう。
BMW Z4のグレード別中古車相場は?

前述のとおり、Z4のグレード構成は2.5L 直6+6速AT「sDrive 23i」、3.0L 直6ターボ+7速DCT「sDrive 35i」と高性能版「sDrive 35is」、そして遅れて登場した2.0L 直4ターボ+8速AT「sDrive 20i」の4タイプ。最高出力は順に204馬力、306馬力、340馬力、184馬力となっている。各グレードの中古車平均価格は次のとおりである。
グレード | 中古車平均価格 |
sDrive 20i | 327万円 |
sDrive 23i | 223万円 |
sDrive 35i | 285万円 |
sDrive 35is | 451万円 |
※「sDrive 35is」は物件が少ないため、中古車物件へのリンクなし。
物件豊富で手頃な価格の「sDrive 23i」がベストバイ
新車購入を考えるなら、4気筒ターボ搭載のエントリーグレード「20i」はかなり有力な候補となるが、残念ながら中古車市場では相場が高め。これは2011年に遅れて追加されており、高年式モデルが中心となるのが大きな理由だ。一方、せっかくBMWのオープンスポーツに乗るのだから、伝統の6気筒にこだわりたいところでもある。そう考えると、安く、物件豊富で、6気筒の条件を満たす「23i」が現行型Z4のベストバイとしたい。これに積まれる「N52B25」ユニットは、先々代5シリーズなどに積まれた基本設計が古いものだが、逆に言えば昔ながらの6気筒フィールが色濃く出たエンジン。近年、多くのモデルが環境性能に優れた新世代4気筒ターボに置き換えられるなか、この6気筒エンジンは今となっては貴重なもの。そんな理由から、「23i」はZ4のキャラクターにもよくマッチしたグレードなのである。ちなみに高性能な「35i」や「35is」は、物件が少なく価格も高めとなっている。
BMW Z4中古車相場のまとめ

先日発表された新型Z4は、冒頭でも述べたように、もう一度ソフトトップを採用して古典的なスポーツカー路線に原点回帰しているように思える。重厚感のある走りやキャラクターが好みなら、やはり現行型は考慮に入れておきたいところだ。ところで、Z4購入の際に気になるのは、他メーカーのオープンスポーツだろう。軽く平均価格を探って見ると、メルセデス・ベンツSLK(R172型)は272万円、アウディTTロードスター(先代)は174万円、ポルシェ ボクスター(981型)は596万円となっている。ポルシェはやはり抜きん出て高額だが、メルセデスやアウディは、Z4に負けず劣らずお手頃な相場となっている。各々キャラクターは異なるものの、ライバル車種も考慮に入れて選ぶのも十分ありだろう。